第4話「四階の空き教室」

(チロリーン)

その夜惠の携帯に、リョウからLINEがあった。

『今朝は思ったより早く米島がきて焦ったよ』
『うん。パンツ上げる暇がなかった』
『パンツずれたまま授業受けたのか?』
『まさか。途中で適当に上げたよ』
『やるじゃん』
『スカートって便利なのよ』
『スカートいいな~。俺も穿きたいなあ』
『リョウが穿くとこ想像するだけで気持ち悪い』
『穿いてくれと頼んだって穿いてやるものか。それより』
『それより何よ?』
『朝の教室やばくないか?』
『ほかの生徒がいつくるか分からないからスリルがあるよ。でも確かにちょっと危険かも』
『明日の放課後、空いてる?』
『うん』
『空き教室でやろう』
『空き教室って四階の?』
『そう』

 ここ数年、少子化の影響でクラスが減少している。そのため最上階の四階がすべて空き教室になっていた。
 四階に上がる階段にバリケードがなく、四階へは容易に上がることができた。
 たまに机や椅子が必要になって取りに来る者がいるため、鍵はかかっていない。

『どうかな?』
『確か立ち入り禁止になってたから誰も来ないはずだわ』
『よし、それじゃ決まりだ』
『いつもながらにせっかちだね』
『だって早く惠が欲しいもの』
『リョウったら……』

 翌日、約束は実行に移された。
 初めのうちは、おっかなびっくりだった。急遽机が必要になって取りに来ることがあるかも知れないし、一応窓は閉め切ってあるが、戸締まりの確認のために定期的に巡回しているかもしれない。

 いつ誰が来てもだいじょうぶなように、惠は上下とも衣服を脱がなかった。
 パンツを片方の太ももに引っ掛けたまま、スカートを捲り上げるだけだ。リョウがいう『便利スカート』だ。
 リョウも、ズボンを少し下げるだけで、いつでも引き上げられる状態に留めている。

 空き教室ということもあって、ふたりの行為は少し大胆になっていた。
 リョウは背中から惠を抱きしめたまま、耳元にやさしくキスをした。
 惠は、それだけで身体が火照って熱くなっていくのが分かった。
 リョウの手がブラウスに伸びて、ボタンにかかった。

「あ、脱がさないで……」
「ナマおっぱい触りたいよ」
「我慢して……私も我慢するから……」
「うん、我慢する。でも上からならいいだろう?」
「あっ……」

 首筋にキスしながら、リョウは、惠の胸をブラウス越しに揉み始めた。
 その手の動きが徐々に速くなっていく。

「やっ……あっ……リョウ」
「惠、こっち向いて」

 そうつぶやくと、リョウは、惠の身体を自分の方に振り向かせ、膝の上に座らせた。
 戸惑いながらも惠は、リョウに唇を合わせた。

「んぐっ……惠……」
「私……リョウの声、好き」

 リョウは、背後からスカートの中に手を伸ばし、ショーツ越しに指を這わせた。

「やっ……あんっ……」
「惠、好きだよ」
「あぁんっ……」

 リョウは、思わず声を漏らしそうになった惠の唇を一瞬で奪うと、ショーツの奥に指を挿し込み、花弁の中を掻き回し始めた。

「んっ……んんっ」

 惠の花弁内を指で掻き回しながら、リョウは惠の声が漏れないように強引に唇を重ねる。
 息ができずに苦しくて惠が首を横に振ると、リョウはしばらく唇を離した。
 だが、相変わらず指の動きは止まることがない。

 声を漏らさないように耐えながら、必死で首を横に振る。

(ダメっ……声が出ちゃうよ)

「惠……声が出ちゃいそう? なら、オレの肩に顔埋めて」

 リョウは惠の耳元でそうささやくと、惠の頭を自分の肩に抱き寄せた。
 惠は花弁の中を掻き回されながら、リョウの肩に顔を埋めた。
 脳天が痺れそうな快感の中で、リョウの肌のぬくもりと胸の鼓動を感じながら、惠は早くも達してしまった。

「惠、もうイッたの?」
「うん、イッちゃった……」

 リョウは顔を赤らめてうつむいた惠の頬にキスすると、ポケットからボールペンを取り出して、丸まった方でクリトリスをつついた。

「あんっ……もう、恥ずかしいからやめてよ」
「なんで? 別に恥ずかしくないよ。惠のここ、かわいいもん」
「あっ……ダメ……」
「惠のここ、イッたばっかりなのに、もうこんなに濡れてる」

 ボールペンの丸まった箇所がクリトリスに触れるたびに、

「だめ……もう……それ以上されたら……。私……、おかしくなっちゃう」
「じゃあ、もうやめる?」
「え?」
「今日は、ここで終わりにして帰ろうか?」

 そうささやくとリョウは、自分のシャツのボタンを留め始めた。もうすぐいきそうだった惠は、

「あっ……リョウ……あの私……」
「なに?」
「私、まだ……」
「まだ、なに?」
「意地悪っ!」

 そう言って、そっぽを向いた惠の身体をリョウは後ろからそっと抱きしめた。

「ごめん。ごめん。ちょっと焦らしてみたかったんだよ。オレ、本当は、惠の中に入れたくてたまらないんだ。いい?」
「来て……」

 リョウは、背後から惠の秘所に肉柱を挿入すると、そのまま背面座位の体勢で椅子に座り、腰を動かし始めた。

「あっ……んんっ……やっ……いっちゃうよ……」

 しかしスカートのおかげで合体部が見えない。
 膣の奥まで突き上げられて、思わず机にしがみつく惠。
 リョウが腰を動かすたびに、机はギシギシときしむ。

「惠の中、すごくいいね」

 背中にのしかかってきたリョウが耳元でそうささやいた瞬間、惠はふたたび達してしまった。



前頁/次頁


















表紙

自作小説トップ

トップページ


inserted by FC2 system