第6話   処女な女の子は、自分から股を開くの


篠塚美里の視点


ちゅぶっ、ちゅばっ……

「うぐぅっ、ひぐっ! う、うぅぅっっ」

嫌ぁっ! どうして、そこなの?!

わたしは、胸のあたりを這いまわる黒い頭に目を見開いていた。
不意打ちのようにおっぱいを刺激されて、甘いキスを待つ唇が真一文字に結ばれていく。

黒川さんは、無言のまま美里の乳房にしゃぶりついていた。
たくさんの唾液を舌に絡めるようにしながら、丸いお肉に塗りつけて、尖り始めた先端まで念入りに舐めとっていく。

「ううぅぅんんっ、んくぅぅっ……」

気持ちいいかなんて、そんなのよくわかんない。
だって美里。男の人の舌なんて初めての経験なんだもん。
身体が火照って仕方がないときにするオナニーだって、指先で優しくタッチするだけだもん。
まさか、自分のおっぱいに舌なんて伸ばさないでしょ。

「あぁ……ああん……あぁぁぁ……」

黒川さんの舌が意志を持った生き物のように、美里の乳房を愛撫している。
上唇と下唇がちゅぱちゅぱと唾液を鳴らしては、吸いついてくる。
赤ちゃんがおっぱいを飲むように。

わたしは気持ちを切り替えて声を上げていた。
感じる声って、これでいいの? 
身体中が強張って全然気持ちよくないけど、エッチな女の子なら触れられただけで感じちゃうと信じて。

そうしたら、口を唾液まみれにした黒川さんが、わたしを見上げた。
ほんの一瞬だけ目を合わせると、そのままおっぱいのお肉に顔を埋めた。
そして、空いていたもう一方の乳房に左手を這わせてくる。

「はんむぅ、むぐっ……じゅぱ、じゅぱ、じゅぷうぅぅっっ……」

「あっ……ふうぅっ……や、やだぁ」

今度は飾らない声を上げていた。

ちろっ、ちろっ……こりっ、こりっ……

「あふっ、ひやぁっ! あんんんっっ、はあぁぁぁっっ」

舌先と指先にふたつの乳首を同時に刺激されて、感じる女の声を自然に漏らしている。
胸の奥がツーンとして、乳首からの電気信号に身体の強張りが解されていって。

「じゅぶ、ちゅぱ……俺の舌使いはどんな感じだ。他の男にされるより気持ちいいか?」

黒川さんが聞いてきた。
わたしはどんどん熱くなる身体に、思わず頷いていた。
ふかふかのベッドに頭を沈めて、鼻から声を抜かせながら、記憶にない男たちを思い浮かべようとしていた。

「ふふっ、そうか気持ちいいか。だったらこっちはどうかな?」

こっちってどこなの?
やっぱりアソコのこと?

わたしがたった1秒悩んでいるうちに、引き締まった男の腕を下腹部に感じた。
閉じていた太腿をノックするように叩かれて、美里の下半身は従わされていた。

そうよ、美里。アナタは淫乱な小娘なの。
セックスして欲しくてたまらない、欲求不満な女の子なのよ。

「ふーん、慣れたものだな。ずいぶんと素直に股を開くじゃないか」

黒川さんの声に知らんぷりをした。
だからって、どんな表情をしてどんな声を出せばいいのか思いつかなくて、胸のふくらみにだけ意識を集中させようとしていた。
出来るわけないのに。

「それでは、遠慮なしに……」

「ううぅぅっっ……嫌っ……ダメッ……!」

本能で拒絶した声は、自分でも聞き取れない。
もうひとりの美里が、怖い顔をして睨みつけてくるから。
だからすぐに言い直していた。

「美里のアソコ……手触りはいかがですか?」って。
ついでに両足もさらに拡げてみる。

「あぅっ……んうっ、もっと……優しく……してください……あんんんっっ」

指が1本、2本と割れ目の中に沈んでいく。
3本、4本、5本。結局右手の指全部に、小陰唇の中を刺激されている。
ここはデリケートで、女の子にとって大事な処だから、大切に扱ってほしいのに。

美里がエッチなおねだりなんてするから?
気が付けば黒川さん。身体をずらせてアソコを覗き込んでいる。
仰向けにされたカエルさんのポーズで両足を拡げて、その真ん中を黒川さんの頭に覗かれている。

「男を咥え込んできたオマ○コにしては、きれいな色をしている。……中の秘膜はどうだ?」

「あ、あぁ……恥ずかしいです。そんなに見ないで……ください」

おっぱいを弄っていた左手までが降りてきた。
右手の指に割れ目を左右に押し拡げられて、バトンタッチするように今度は左手の指にアソコの中を弄られている。
右手以上に荒々しい動きで、引き伸ばされた粘膜を引っ掻くように刺激された。

「ひぐっ! ふぐっ! あ、あぁっ、美里……いや、だめ、だめぇぇっっ!」

おっぱいとは比べ物にならない刺激に、背中が仰け反った。
腰だってピクンとしかかったけど、なんとかそれだけは我慢した。
だって美里は、たくさんの男の人を咥え込んだ乱れた女の子……だから。

「はははっ、オマ○コを引っ掻かれてそんなに気持ちいいとはな。『だめ、だめ』で、もっと男の気を惹きたいようだが、だったらこれはどうだ?」

ずぶぅっ……じゅぶ、じゅぶ、じゅぶぅぅっっ!

「あぐうぅっっ! い、痛いっ……ううん……は、はあぁぁぁ……」

チクッとした鈍い痛みを割れ目の奥で感じた。
2本の指が探検するように潜り込んできて、膣口を弄られて、美里の漏らした本音の声にその指が引いた。
黒川さんの瞳に疑念が浮かんで、わたしは甘い声とエッチな顔を追加する。
そして、彼が安心してセックスできるように誘導するの。

「あ~ん♪ 黒川さんって、せっかちなんだから。美里の膣、まだ潤っていないみたい。お願い、ク、クリトリスも……弄って……ね」

「はは……なんだ、そういうことか。俺はてっきり……」

黒川さんの瞳から疑念が消えた。
好色の笑みをたたえたまま目線を上にずらしている。

恥ずかしいよ。ここは美里の一番感じる処なのに。
それをじっと見つめるなんて。
だけど美里が初めてだと気付かれたら、この計画が壊れちゃう。
美里が大切なものを失う代わりに、美里は手に入れるの。
もっと大きな大切なものを……

そのためだったら、美里のバージンなんて……たいしたこと……ないよね?


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