第7話   バージンを隠していて、ごめんなさい


篠塚美里の視点


「あっ……ふうぅぅっっ……お豆……気持ちいい、ひうぅっっ!」

「おっ、ピンピンに尖ってきた。皮に埋もれていたのに勃起してきたぞ。美里のクリトリス」

「いや、そんな……あんっ、恥ずかしい。はあぁっ、はんっ……」

親指のお腹にグリグリされて、唇が甘い声を漏らした。
ソフトな美里とは違う力強い指使いだけど、それでもクリトリスが気持ちいいの。

痛くて痒いのが混ざった電気に、わたしは顔を右に振って左にも振った。
そのたびに漏れてしまう、エッチな美里の喘ぎ声。

じゅく、じゅく、じゅく、じゅちゅ、じゅちゅ……

そして割れ目のお肉からも、美里の唇に負けないくらいエッチな水音を響かせている。
黒川さんの指にクリトリスを弾かれるたびに、膣の壁から熱いお汁が湧き出して、左手の指に小陰唇のヒダヒダをクチュクチュされて、とっても恥ずかしい。
耳を塞ぎたくなっちゃう。

「美里は濡れやすい体質みたいだな。ほら」

黒川さんがわたしの目の前で、Vサインをしている。
節が立った力強い2本の指。
その先を橋渡しするように、何本もの細い糸が妖しく輝いている。

「やだ……そんなの見せないでよ。……恥ずかしい」

わたしは恋人のように甘えた声でつぶやいた。
別に演技しているわけじゃなくて、これが美里の気持ちだから。
そう、このVサインは黒川さんとのセックスの合図なの。
美里の身体が、黒川さんのモノを受け入れてもOKってことなの。

その黒川さんが、バスロープを脱ぎ去った。
とても慣れた手付きだった。
今まで何人の女性と寝たのかな? エッチなことをしたのかな?
まだ若いし、たぶん奥さんとかはいないと思う。
もし結婚していたら……ごめんなさい!

黒川さんは、膝立ちのままわたしを見つめている。
さっきよりも顔を紅潮させて、もちろん素裸のままで。

わたしは、そんな彼の視線を真っ直ぐに受け止められないでいる。
黒川さんより顔を火照らせて、初心な女の子を気取って顔を伏せていた。

違うの! 美里は遊んでいる女の子だから、両足をMの字に開いて、その隙間から男の人のモノを覗いているの。
お、オチン○ンでしょ。
名前くらいちゃんと言えるんだから。
うん、平均的な大きさね。太さも長さも……
だから大丈夫。きっと入るよ、美里のアソコ……じゃなかった。オ……オ、オマ○コにも。

心の中で何度もつぶやいた。
それが怖くなくなる魔法の呪文と信じて。
そして、割れ鐘のように打ち鳴らす鼓動を胸に響かせて、喉も震わせた。
「黒川さん、挿れてください」って。

ちゅく、ちゅく、ちゅく……ちゅぶぅぅっっっ!

「んんっ……くうぅぅっっ!」

皮が剥けて平気なの?

中から顔を覗かせているピンク色の先端を、割れ目のお肉と馴染ませてからその先端を沈みこませていく。
丸く膨らんだ先端が半分くらい小陰唇の中に姿を消して、わたしは腰を引いていた。

まだ痛みはよくわからない。
でも、美里の女の子の本能が勝手に身体を支配しようとするの。

「おいおい、処女でもないのに、そんな怯えた顔をするなよ。何度も言うが誘ったのは美里、お前の方なんだぞ」

「あ、あぁ……ごめんなさい」

黒川さんは、閉じかけた太腿をぐっと押し開くと、体重を乗せるように腰を押し出してきた。

逃げない。今度は絶対に腰を引かないから。

ズズ……ズズズズ……ズズぅぅっっ!

「ひぎぃっ! あくぅぅぅっっっ!」

「お、おい……美里……お前?」

青筋だった肉の棒が、膣の壁を突き破ろうとして、わたしは叫んでいた。
過敏になりすぎた神経が鋭い痛みを伝えて、恋人の顔が消失している。
同時に、目を見開いた黒川さんがわたしを見下ろしている。
硬い肉の棒を半分だけ割れ目に沈めて。

「もしかしてと思ったが、やっぱり初めてなのか?」

わたしは、割れ目の真ん中に突き刺さった肉の棒を、ちらっと見てからうなずいた。

「だったらどうして、あんな態度を……?」

黒川さんが押し出した腰を引こうとした。

「ま、待って! 抜かないで! このまま……つ、続けて……ください。美里と……んんっ……セックスして……ください」

「いいのか? このまましても?」

「はい……お願いします。美里の……バージンをもらって……ください。の、信人さん」

わたしを見つめる黒川さんの目が変わった。
ホテルに向かう時の眩しそうに美里を見ていた、あの瞳に。
ううん、ちょっと違う。これって甘い恋人の瞳なの?

「ゆっくり挿れるからな。痛かったら言ってくれ。すぐに止めるから」

「ありがとう……信人さん。くうっ! あうっ! んんっ……平気……だから……」

「はぁぁっ……美里……んぐっ」

ズズズズッ……ズリュッ、ズリュッ……ズズズズゥゥッッッ!

「ううぅぅっっ……ひぐうぅぅっっ! はぁ、あぁぁっっ……信人……さん」

わたしが叫んで、黒川さんも叫んでいた。
わたしが彼の名前を呼んで、彼もわたしの名前を呼んでくれた。

さようなら、美里のバージン。ありがとうね。

残された膣の隙間を埋めるように、はち切れそうな肉の棒が挿入される。
もじゃもじゃの陰毛が美里の恥丘にひっついて、処女を失ったことを教えてくれる。

痛い。やっぱり噂どおりに、処女膜を破られるのって痛いんだね。
でも我慢できる痛さだよ。
だってその瞬間、美里は恋人にバージンを捧げたから。
たとえそれが泡沫の恋であっても、美里は……


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