第6話:反省室の少女
その3
「この部屋にはね、一切私物は持ち込めないの。身の回りのものはもちろん、自分の洋服も、下着さえもよ。この部屋にあるものだけで我慢するの。それがここの決まりだから。」
「それから、この部屋の鍵はオートロックなの。ただし、ロックされると・・・中からでは開けられないわ。外からなら自由に開けられるけど。だから、ここにいる間はプライバシーなんかないのよ。」
「もう一つ、もうすぐ教育係のスタッフが来るわ。その人の言うことを聞いて、いい印象を与えたら、すぐに出してもらえるわ。」
「・・・・・」
まだ不満そうに黙り込んでいる梨香を気遣うように、エリ子が続けた。
「あのね、教育係に逆らったりしたら・・・それこそ大変よ。あなたもお客様を案内して、陵辱部屋とか、行ったことあるでしょ。あんな目に遭わされたくなかったら・・・いいわね?」
「・・・はい。」
「ここで着る服は、その棚に入っているわ。今から急いで着替えて・・・今着ているのは全部脱いで、そこに入っているのだけになりなさい。教育係が来たとき、まだその服を着ていたら・・・さぁ、急いで、急いで!」
そう言われて梨香が、棚を開けて中に入っていた洋服を取り出した。
「えっ!? まさか・・・」
「そうなの。早く!」
梨香が取り出したのは、薄い布地の白いTシャツ、それに淡いブルーのフレアなミニスカート・・・それだけだった。
「これだけぇ!! そんな・・・やだぁ!」
「だめ! 早くしないと。それとも懲罰室か、もっと厳しい体罰室にでも入れられたいの?」
仕方なく梨香は、着ていた洋服を脱ぎだした。
ブラウス・・・スカート・・・そしてブラ・・・
同性とは言え、エリ子の前で着替えるのは恥ずかしく、ショーツは後回しにして、急いでTシャツを頭から被る。
「えっ!? ええぇぇっっ!!」
梨香が悲鳴をあげる。
Tシャツの、薄い布地を通して、小振りだが形のいい乳房がくっきりと浮いていた。
二つの膨らみの頂点にある乳首も、そのピンクが透けて見えていた。
その上、胸繰りが大きく開けられた仕立ては、ちょっと前屈みになると、胸の谷間が、いや乳首そのものまで直に見えてしまいそうだ。
壁の鏡で自分の姿を見た梨香は、両手で胸を覆ったまま、顔を真っ赤にしていた。
「そんなことでどうするの。もっと酷い目に遭いたくなかったら、下も早くよ!」
エリ子に急かされて、仕方なくスカートを手に取る。
ミニ、というよりウルトラミニのそのスカートは、丈が僅か20センチほどしかなかった。
「これで・・・あ、あの・・・ショーツ・・も、ですか?」
消え入りそうな声で梨香が尋ねる。
無言で頷くエリ子に、しばらくグズグズとしていたが、やがて思い切ったようにショーツを脱ぎ去った。
「じゃ、幸運を祈るわ。くれぐれも、教育係に逆らわないのよ。いいわね。」
梨香が脱いだ洋服を一纏めにしたエリ子は、そう声をかけて反省室から出て行った。
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1人残された梨香は、不安そうに部屋の中を歩き回った。
ベッドとテーブルは、言われた通り折り畳んで壁に収納している。
何もない部屋のなかは、狭いながらも歩き回れる広さはあった。
何度目か、鏡の前で立ち止まって、溜め息をつく。
そこに映る姿は・・・スカートは辛うじて股間を隠していた。
本当はもっと下にずらして着けたかった。
が、エリ子に注意された通り、ギリギリの高さにスカートを着ているのだった。
鏡に後ろ向きになり、首を捻じ曲げて、後姿を確認してみる。
それは、前よりも一層きわどい姿だった。
丸い尻の、下の端がそのままでも見えてしまう。
ほんの少しでも前屈みになろうなら・・・想像するだけでも胸がどきどきするほどの恥ずかしさだった。
下着も、何も着けていない股間がすーすーして、妙に頼りなかった。
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