第1話:乳房打擲の刑
その4
執 行 手 順 書
黒船館副長 K・T様
「乳房打擲の刑」の執行手順を次の通り定めましたので、ご査収を願います。
1.罪人は、上半身を裸とした上、後ろ手に拘束する。拘束方法は革紐により両手首を縛り合わせた上、徐々に肘までを縛り上げ打擲し易いよう十分に乳房を突き出させる形とする。
2.罪人は、体罰室中央に正座させる。正座を崩したり、立ち上がることが出来ないように、腿と脛を左右それぞれ縛り上げる。また、上体を倒すなど刑の執行に抵抗しないよう、首輪を装着し、これを天井から吊すものとする。
3.打擲具として、砂袋を用いる。砂袋の大きさは、太さ約5cm、長さ20cm程度の布製とし僅かに撓む程度に砂を詰めておく。砂袋による打擲は、打撃力が強く非常な苦痛を与えられる割に、誰でも容易に扱える利点がある。また乳房に痕跡を残さないため、刑の執行が終われば、直ちに案内係に復帰させることができる。
4.このお仕置きは館員の希望者が自由に参加できるものとする。佐藤エリ子を打擲したい館員は、体罰室に入室し前項で用意した砂袋を用いて、好きなように打擲して良いものとする。その際、肉体の他の部分に触れるなどは、任意に行って差し支えない。
5.お仕置きに参加した館員はサロンで、その時の佐藤エリ子の様子を発表することができる。お仕置きをするだけで、特に感想などを発表しなくても、構わないものとする。発表者が10人に達した時に、今回のお仕置きを終了とする。
イネの十四郎
*・゜゜・*:.。..。.:*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*
佐藤エリ子の手記
私、無理にこの記録を書かされています。本当に、思い出すだけでも辛いのに少しでも不正確なトコロがあると、何度でも書き直しを命令されるのです。
最初、私は執行手順を朗読させられました。何度も、何度も読まされて、すっかり暗記するまで、読まされたのです。
執行人の、イネの十四郎様が言われました。
「何をされるのか、完全に理解できたかネ」
「ハイ、私は後ろ手に縛られて、正座させられて、その上で、乳房を叩かれるのです。10回叩かれると、許して頂けるのです。」
「ま、10回で許されるといいんだけどネ・・」
そう言われて、笑っておられました。
お仕置きの日、私は朝の内に「体罰室」につれて行かれました。そこには見学に来られたのでしょうか、副長のK・T様以外にもマキ様、九兵衛様、素浪様がおいでになっていました。
最初に、上半身を裸になるように命令されたのです。
私、こんなに人のいるトコロで脱がされるなんて、思っていなかったので、とても恥ずかしい思いをしました。
ブラウスの釦をやっとの思いで外しましたが、そのまま前を押さえて、じっとしていたのです。
「もっとお仕置きを増やして欲しいのかな。早く脱がないと、余計に辛い眼に遭うことになるよ。いいのかね。」
イネの十四郎様は、言葉は優しいのですが、言われることはとても厳しいのです。私は、目をつぶったまま、思い切ってブラウスの前をはだけ、脱いでしまいました。冷たい空気が直接肌に触れ、思わず両手で胸を覆ってしまいました。私の胸にはもう、あの薄い、スケスケのブラジャーしかありません。私は恥ずかしさの余り、胸の上で固く手を組んだまま、動けなくなってしまいました。
多分、早く下着を取って、手を後ろに廻すように言われたのだと思います。でも、私にはとてもできなかったのです。ただ俯いて、じっとしていました。
ふいに私の両手首が掴まれると、強い力で後ろに捻り上げられました。
「イヤッ、ヤメテ下さいっ!!」
思わず叫んでしまいました。手を捻り上げたのは、イネの十四郎様でした。マキ様が、私の正面に来られると、いきなり私の頬を平手打ちされたのです。
バシーッ
という音が耳の奥で響くと、頭の中が真っ白になってしまいました。涙が止めどもなく溢れてきます。頬がヒリヒリとして、とても熱く感じられます。
第1話その3に戻る/
第1話その5に進む