第1話:乳房打擲の刑

その3


佐藤エリ子の手記

 み、みんな酷い!!
 私、絶対に誘惑なんかしてません!!

 でも、この査問委員会でもし何か言ったら、その度にもっと辛い眼に遭わせるからって、強く言われているのです。
 だから、ナニも言わずに黙っていたけど、でも、こんなの酷すぎます。

 みんな、私のこと、どうしてもお仕置きするって決めてるんです!!
 何だか悲しくなって、涙がでてきてしまいました。

 それに、手錠を掛けられてずっと吊られているので、段々足が疲れてしまいました。ちゃんと立っていようとするのですけれど、自然と膝が曲がり、その分手首に体重が掛かってしまいます。

 もう、こんなのイヤッ!!
 早く終わって。誰か、助けて・・・


案内係 佐藤エリ子


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判   決

主文、佐藤エリ子に対する判決は有罪とする。
今回は初犯であることを考慮し、最も軽い乳房打擲の刑に処するものとする。

被告人に対しては直ちに全ての人権を剥奪する。当委員会は、近々お仕置き執行人を定め、任命する。それまでの間、当委員会において被告の身柄を拘束する。


査問委員会議長 K・T


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佐藤エリ子の手記

 私、少し朦朧としていたみたいです。
 副長様が、判決文を読み上げるとき、ぼんやりしてしまって、最初、よく意味が判らなかったのです。

 でも、ハッとして見回すと、みんなスッゴク満足そうなお顔で笑っておられます。念のためなのでしょう、副長様がもう一回判決を読み上げています。

 有罪!?
 そして、私の大切な乳房を叩くんですってぇ!!?
 どうしてそれが、一番軽いお仕置きなんですかっ!!!

 そんなの、イヤッ!!! イヤですっ!!!
 そんなことされたら、私、私・・きっと死んじゃいます。

 それを、私が苦しむのを楽しみにして、笑うなんて、ここに来ている人って、私、みんな大嫌いです。

 あんな誓約書、書かなければよかったのに・・


案内係 佐藤エリ子


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任 命 書

イネの十四郎殿

当査問委員会は、被告人・佐藤エリ子がジャック様に対してとった態度ついて、慎重に審議した結果、これは重大な犯罪であることと認め、乳房打擲の刑に相当するとの結論に至ったものである。
既に当人の人権を停止し、罪人としてその身柄を拘束中であるが、ここに貴殿をお仕置き執行人として任命し、罪人の身柄を貴殿に預けるものとする。
貴殿におかれては、速やかに刑の執行手順を検討の上、当委員会に報告頂くとともに、刑の執行について全力を尽くして頂きたい。このため、貴殿に対しては、必要とするあらゆる便宜と権限を与えるとともに、刑の完全な執行について責任を持って頂くものとする。

貴殿へ与えられる権限に基づき、次の行為が許されることをここに確認する。

1.罪人に対し、あらゆる命令を出し、それに服従させること。

2.執行手順に基づき必要な準備を行い、または準備をさせること。

3.貴殿の興味本位、あるいは気紛れを満たすため、罪人を慰み弄ぶこと。



罪人が貴殿に対し、不服従または反抗的な態度をとった場合、貴殿の責任において、更に刑を追加するのは全く差し支えない。

本命令書、並びに貴殿の定められる執行手順に基づき、完全な刑を執行し、罪人に対し最高の苦痛を味あわせた上、その受刑記録を速やかに提出されることを、貴殿に対し要請し、かつ命令する。


査問委員会議長 K・T


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