ファンタジー官能小説『セクスカリバー』 Shyrock 作 |
<メンバーの現在の体力・魔力>
シャム 勇者 HP 740/740 MP 0/0
イヴ 神官 HP 620/620 MP 650/650
アリサ 猫耳 HP 630/630 MP 0/0
キュー ワルキューレ HP680/680 MP360/360
ウチャギーナ 魔導師 HP 530/530 MP 650/650
エリカ ウンディーネ女王 HP 530/530 MP 680/680
マリア 聖女 HP 540/540 MP 700/700
チルチル 街少女 HP 460/460 MP 0/0
シャルル 漁師・レジスタンス運動指導者 HP 780/780 MP 0/0
エンポリオ アーチャー HP 570/570 MP 0/0
⚔⚔⚔
階段を20段ほど駆け上がったとき、上空に黒い点のようなものが6つばかり目に入った。
黒い点は次第に大きくなってくる。こちらに近づいてくるようだ。
シャム「なにか飛んでくるぞ……? あれは鳥か?」
イヴ「鳥じゃないわ! 羽がある魔物のような……!?」
マリア「あれはフライングデーモンです! 動きが速いので気をつけてください! 武器は爪だけなので、引っ掻かれないように気をつけてください!」
フライングデーモンはさらに接近してきた。
角が2本あり獰猛な形相で赤黒い身体と大きな羽根が特徴的だ。
6匹のフライングデーモンははっきりとその姿を現すと、東の空に3匹、西の空に3匹と分かれて旋回し、東西からシャムたちに向ってきた。
挟み撃ちにするつもりらしい。
シャム「敵がやって来たぞ! みんな気をつけろ!」
シャルル「おう、任しておけ!」
イヴ「慌てて足元の階段を踏み外しちゃダメだよ~!」
キュー「あの爪で引っ掻かれたら大怪我しそうなのでみんな気をつけて!」
アリサ「にゃう~ん! 爪には爪で! 爪返しだよおおおお!」
エンポリオ「飛行部隊にはクロスボウで勝負だ! これでも喰らえ!」
ピシュッ!
ウギャ~~~~~!!
エンポリオの矢は見事にフライングデーモンを捉え、真っ逆さまに地上に転落していった。
つづいてエリカとウチャギーナが魔法を放ち、エンポリオ同様に一撃で敵を倒した。
残りの3匹はシャムたちのところまでたどり着くと、鋭い爪で襲いかかってきた。
応戦する勇敢な戦士たち。
シャムがフライングデーモンの爪を躱すと、すぐさま一振り袈裟に切り裂いた。
ウギャア~~~~~!!
シャルルも余裕たっぷりに敵を引きつけ、爪を躱すと敵を一突きした。
残る一匹に対しアリサが挑もうとしたが、階段という場所もあって持ち前のジャンプ力が使いにくかったことから、アリサに代ってイヴがマントを翻し敵を仕留めた。
シャム「みんな強くなったな~。余裕くしゃくしゃだな~」
エリカ「それも言うなら、余裕綽々ですね」
シャム「あははは~、そうとも言うな~」
イヴ「そうとしか言わん」
シャム「よし、急いで階段を登りきろう~!」
シャムたちが隊列を戻そうとしたとき、チルチルが絶叫した。
チルチル「きゃあ~~~、大変! 上から大きな岩が転がってきたピョン!」
シャルル「なんだと!?」
ウチャギーナ「この狭い階段だとよけられないわ!」
マリア「逃げる場所がありません!」
そのときキューが剣を掲げ前に進み出た。
キュー「岩を止めてみせるわ!! ゴーレム召喚!!」
キューがチャンドラーの剣を天にかざし呪文を唱えた。
剣先から稲妻が放たれているがまだゴーレムの姿はない。
いよいよ岩が接近してきた。
このままでは全員が岩の下敷きになってしまう。
シャム「うわっ! 間に合わないぞ!!」
チルチル「きゃあ~~~!! もうダメっ!!」
シャルル「命運尽きたか……」
マリア「全知全能の神ゼウス様、どうか私たちをお救いください……」
キュー「だいじょうぶ! 信じて! ゴーレムは必ず現れるから!!」
岩が間近に迫り、もはやこれまでと思ったとき、怪人ゴーレムが姿を現した。
ガシッッッッ!!
ゴーレムは巨大な岩石をガッチリと受け止めたかに見えたが……
ガタガタガタガタ……
怪力自慢のゴーレムであっても、転がる岩石には岩石の重さに衝撃荷重が加わる。
その威力たるや凄まじいものであった。
ついには岩石を支え切れず、階段から足を踏み外してしまい、岩石を抱えたまま地上へと落下してしまった。
エリカ「きゃあ~~~~~~~!!」
ウチャギーナ「ああっ!! ゴーレムが~~~~~!!」
悲壮な表情で地上を覗きこむシャムたち。
召喚時しか現われないゴーレムだが、彼も大切な仲間の1人だ。
ペペを失った今、二度と仲間を失いたくない。
アリサ「あああああ……キューちゃんのゴーレムが死んじゃったよおおおお……」
キュー「だいじょうぶ。ゴーレムは死んでないわ」
アリサ「ほんとに?」
キュー「にゅう、一旦別世界に帰っただけよ。少しの間だけ召喚できないけど、必ず復活するわ」
アリサ「そうなのお? わ~い、よかったああああ!」
チルチル「わ~いわ~い! よかったでピョン♫」
エリカ「それにしてもゴーレムのお陰で命拾いをしましたね。ありがとう、キューさん」
キュー「私じゃなく、ゴーレムが助けてくれたのよ」
マリア「ゴーレムを召喚してくれたキューさんに感謝の気持ちを」
キュー「えへっ、照れるな~」
シャムたちは再び隊列を整え階段を登り始めた。
あと30段ほど登ると頂上に辿りつく。
そしていよいよ塔の主と対決だ。
シャム「次はどんな敵が出てくるんだ~?」
エリカ「でも、この塔で現れてくる敵は本物か幻かよく分からないですねえ」
シャム「だから厄介なんだよなあ。最初から幻と分かっていたら無視すればいいんだけどな~」
エリカ「目を閉じててもし本物の敵だったら大変なことになりますからね」
ウチャギーナ「一応全部本物と思って対応しないと仕方ないよね」
頂上までもう少しだ。
シャムたちの胸が高鳴った。
はたしてユマ姫は無事なのだろうか。
シャム「ユマ姫~~~~!! 助けに来たぞ~~~~!!」
イヴ「みんな、いよいよ頂上よ~~~~~!」
階段を駆け上がるシャムたちの足取りは一段と速くなった。
階段を登り切り視界が一気に広がった。
ここが最上階なのか。
濃いグレーを基調とした総石造りで、厳かな雰囲気がまるで神殿を彷彿とさせる。
正面には祭壇があって幻術師らしき人物の姿がある。
あの人物こそがクリトビスの塔の主のアボガドなのであろう。
よく見るとその人物の後方には金髪の若い女性が十字架に縛られているではないか。
女性はうな垂れていてはっきりと顔を確認できないが、久しぶりでもシャムには一目でその女性がユマ姫だと分かった。
シャム「ユマ姫~~~~~~~!! だいじょうぶか~~~~~!? おまえを助けに来たぞ~~~~~!!」
女性は声のする方に目を凝らした。
ユマ「シャ……シャム……? シャムなの……?」
シャム「おおっ! やっぱりユマか! もう大丈夫だ! おいらが来たからにはもう絶対に助けるぞ!!」
アボガド「ふふふ、そううまく行くかな? ユマ姫は魔神様の花嫁になる身だ。3日後魔神様が訪れユマ姫を魔界に連れ去ることになっておる。シャムとやら、貴様には邪魔はさせぬぞ。消え失せろ!!」
アボガドが語り終えると同時に轟音が鳴り響き、シャムたちの前後に大きな穴が開いた。
キュー「何っ、この穴は!? これじゃ前進できないし、後退もできないよ~!」
シャム「穴の大きさは直径2メートルぐらいだからジャンプして向こう側に渡れるさ」
イヴ「で、でもそれも難しいかも……」
イヴが白蝋のように青ざめた顔をしている。
前方の穴を越えた着地点を見てみると、槍の穂先のような鋭利な凶器が数多そそり立っているではないか。
穴をうまく越えたとしても、鋭利な凶器の餌食となってしまうだろう。
現在シャムたちが立っているスペースは縦幅が1メートル程度しかない。
エリカ「前にも進めない後ろにも戻れないんじゃこの場所に立っているしかないじゃないですか!?」
マリア「このまま身動きが取れないと敵の格好の餌食となってしまいますね」
シャム「どうもその敵とやらが現われたようだぜ!みんな!気をつけろ!!」
そうこうしているうちに、シャムたちの前方に10匹のプチドラゴンが現われた。
プチドラゴンはドラゴンの赤ん坊で人間ぐらいの大きさしかない。
エンポリオ「もしかして、こいつら幻じゃないのか?」
ウチャギーナ「そうであればいいんだけど、本物かもしれないわ」
不意にプチドラゴンがシャムたちに向かって炎を吹いて来た。
シャム「うわ~~~っ!!」
炎は小さいがまともに食らうと火傷を負ってしまう。
シャムは炎から身を躱したりしてやっとのことで逃れた。
横に動くことはできるが、縦に動くとポッカリと開いた穴からまっさかさまに落下してしまう。
シャムたちは反撃に転じようとしたが、踏み出すほどの幅がないため剣や杖が使えない。
プチドラゴンは次々に火を放ってくる。
エンポリオは炎を躱しながら間隙を縫って矢を放った。
チルチルに炎を吹きかけていたプチドラゴンの喉元に矢が命中した。
悶え苦しみ手足をばたつかせているプチドラゴン。
チルチル「エンポリオ、ありがとうでピョン♫」
エンポリオ「へへっ、俺に任せておけ!」
余裕たっぷりにエンポリオはチルチルに手を振った。
しかし油断は禁物だ。
エンポリオの前方にいたプチドラゴンが炎を放ってきた。
不意打ちを食らったエンポリオは炎を避けようとして左側に体を躱した。
そのとき左側にいたウチャギーナにぶつかってしまい、ウチャギーナはバランスを崩し穴から転落してしまった。
ウチャギーナ「きゃあ~~~~~~~~~~~~~~~!!」
エンポリオ「ああっ、ウチャギーナ!!」
穴を覗くとウチャギーナが真っ逆さまに落下していくのが見えた。
シャム「ウチャギーナ~~~~~!!」
マリア「きゃあ~~~~~~!! ウチャギーナさん!!」
イヴ「まさかっ!?」
エンポリオ「うわあ~~~!! 俺のせいでウチャギーナがあ~~~~~!!」
アリサ「ウチャギーナちゃあ~~~ん!! もお~~~この悪ガキドラゴンどものせいよ~~~!! 許せないわああああ!!」
怒り狂ったアリサは軽がると穴も槍の穂先も跳び越えプチドラゴンの背後に着地した。
プチドラゴンに接近したアリサが漆黒の爪を振り上げる。
漆黒の爪は猛獣の爪と同様の威力を誇る。
たちまちプチドラゴンに深い傷を負わせ戦意を喪失させる。
ギャア~~~~~!!
プチドラゴンはアリサに引っ掻かれ七転八倒している。
マリア「アリサさん! 私はそこまで跳べないので、せめてヒール魔法でアリサさんを援護しますね!」
エリカ、イヴ「私たちも治癒魔法で応援するからね! 火傷しても大丈夫だからね!」
アリサ「ありがとう! プチドラゴンは任せておいてええええ!」
複数のプチドラゴンが左右から一斉にアリサに襲い掛かってきた。
アリサ「ん!? 両方から来るの!? 結構忙しいなああああ!」
直近だと炎の威力が半減するため、プチドラゴンは炎ではなく尻尾を振り回して攻撃してきた。
尻尾がまるでムチのように唸りを上げる。
ピシッ!
アリサ「いてっ……! 尻尾で打たないでよ! アリサはM女じゃないんだからああああ」
尻尾鞭を食らったアリサは体勢を崩した。
そこに数匹のプチドラゴンが取り囲む。
よく見ると雄のプチドラゴンがアリサを見て欲情しているようだ。
キノコ状のものをそそり立たせている。
アリサ「きゃあ~っ! プチドラゴンに犯されるうううう!!」
窮地に陥ったアリサを救うべくシャムが穴をジャンプしようとしたとき、不意に『待った』が掛かった。
シャルル「シャム、無茶はやめろ! おまえが身に着けている剣や防具の重さを考えろ! アリサのように穴を飛び越えるのは無理だ! 飛び道具や魔法で援護するのが賢明だ!」
シャム「ばかやろ~! 仲間がやられているのに放っておけるか! アリサ、待ってろよ~! すぐにそっちに行くぞ~~~!」
アリサ「シャム、無理をしないで~~~! 穴に落ちたらおしまいだよ! アリサがんばるからああああ!」
シャム「とぉりゃ~~~!!」
言うが早いかシャムは助走もつけずにジャンプ一番、穴を飛び越えてしまった。
シャムの勇敢さと意外なほどの跳躍力を眼前にしたシャルルたちは唖然としている。
シャルル「なんとまじで飛び越えやがった……火事場のくそ力ってやつか? 俺も渡りたいけどこの重量だと無理だな……」
アリサとプチドラゴンの間に割って入ったシャムは早速剣を奮った。
シャム「てめえらあ~~~!! アリサに手出ししやがったら容赦しないぞ~~~!!」
シュパ!!
(グワァ~~~!!!!!)
負けじと炎を吹き対抗するプチドラゴンたち。
シャム「アチチッ!」
エンポリオが何やらポケットをゴソゴソと探っている。
マリア「何を探しているのですか?」
エンポリオ「村を出る時にエルフの長老が羽根をくれたんだけど……何か役に立たないかなと思って」
マリア「何の羽根ですか?」
エンポリオ「『ハニエルの羽根』と言ってたよ。何でも10秒間だけ身体が軽くなるんだって」
マリア「ハニエルですって!? ハニエルといえば天使の一人ではありませんか。エンポリオさん、羽根は何本ありますか?」
エンポリオ「確か10本あったと思うけど」
マリア「その羽根をすぐに皆さんに分けてくれませんか?」
エンポリオ「ああ、なるほど! 羽根を持って向こう側に跳ぶわけか?」
マリア「そのとおりです!」
エンポリオは早速仲間たちに『ハニエルの羽根』を配ることにした。
シャルル、キュー、イヴ、チルチルがあっさりと穴を飛び越え、シャムとアリサに加勢した。
ショートソードで接近戦を挑むエンポリオの姿も実に勇猛なものであった。
エリカとマリアは移動しないで仲間たちの治癒魔法に専念した。
たちまちシャムたちが優勢に立ちプチドラゴンを一匹残らず退治してしまった。
遅ればせながら穴を越えるエリカとマリア。
プチドラゴンは片付けたものの、ウチャギーナの落下はシャムたちに大きな衝撃を与えた。
直ぐにでも塔を駆け下りてウチャギーナの安否を確かめたいところだが、目前に敵を控えて今はそれがかなわない。
シャム「ウ、ウチャギーナ……」
シャルル「死んだのか……?」
エンポリオ「何しろ塔の一番上からだからな……」
アリサ「縁起でもないこと言わないでよ! ウチャギーナちゃんんんん!」
チルチル「わあ~~~ん、ウチャギーナちゃんが死んじゃったよ~」
イヴ「まだ死んだと決まったわけじゃないわ。ウチャギーナちゃんはきっと生きてるよ」
キュー「助けに行きたいけど目前の敵が行く手を阻んで……」
エリカ「ウチャギーナさんはきっと無事です。信じましょう」
マリア「神様、ウチャギーナさんをどうかお救いください……」
プチドラゴンを倒しはしたものの、息付くいとまもなく2人の騎士がシャムめがけて襲ってきた。
1人は青い鎧、もう1人は赤い鎧。
剣を躱しはしたが、かなり腕が立つようだ。
シャルル「パンティスキーが鎧の男はめちゃくちゃ強いと言ってたぞ! シャム、気をつけろ!」
シャム「どれほど強いかお手並み拝見と行こうか~! 今度はこっちから攻撃だ~! とりゃ~!」
シャムは青い鎧の騎士に挑んだ。
シャルルも負けじと赤い騎士に刃を向けた。
シャルル「赤ザル野郎め! おまえにはこのシャルル様が相手をしてやるぜ! えい~~~!」
シャムとシャルルの剣が敵の剣と重なったのはほんの一瞬だった。
2人とも強烈な力で押し返されてしまった。
シャム「ほえ~~! この野郎、恐ろしい力をしてやがるぜ! みんな、気をつけろよ~!」
キュー「シャム! 2人でツープラトン攻撃を行っとこうか~!」
シャム「おおっ!」
アリサ「シャルルには私が応援するよ! にゃあああああ!」
イヴ「私も仲間に入れてもらおうかな~!」
赤い鎧の騎士と対峙するシャルルにはアリサとイヴが援護した。
後方からはエリカとマリアがヒール魔法を唱え、エンポリオがクロスボウを構えた。
⚔⚔⚔
シャムたちが鎧の騎士たちと戦闘を繰り広げていた頃、見慣れぬ集団が現れていた。
それは街角に『尋ね人』の広告を出しユマ姫を捜索していたペペロンチーネ伯爵とその一味であった。
一味は伯爵が金で雇った傭兵で、戦士が7人、魔導師が2人、神官が1人と、いずれもかなりの熟練者ばかりである。
ペペロンチーネ伯爵は背が低くずんぐり体型をしており、髪を真ん中分けにして丸いロイド眼鏡が特徴的で、見るからに好色そうな男といえる。
ペペロンチーネ「戦闘中のガキどもと鎧の男には構うな~! 私の狙いはユマ姫だけじゃ! 者共、あの弱そうなフードをかぶった妖術師を倒して、ユマ姫を十字架から下ろすのだ~!」
傭兵A「伯爵! 俺たちに負かしてください! おい、みんな! あのヘボ妖術師を血祭りにあげようぜ!」
傭兵B「お~~~!」
アボガド「おまえたちは何者だ? あの若者たちと仲間ではなさそうだな」
忽然と現れた武装集団に戦闘中のシャムたちも気付く。
シャム「変な集団が現われやがったぞ! おいらたちがやつらの仲間だと? 冗談はやめてくれ! あんなブサイクなおっさん知るものか!」
イヴ「あの男はノームの泉に現れたペペロンチーネよ! やつらもユマ姫を探していたわ! 気をつけないとユマ姫がさらわれるわ!」
シャム「なんだと~! さらわれてたまるか!」
ペペロンチーネに気を取られていると、突然剣がシャムの腕を掠った。
シャム「うっ……! とにかくこの鎧野郎を早く片付けよう!」
イヴ「だいじょうぶ、シャム!? ヒールをかけようか?」
シャム「こんなのへっちゃら。かすり傷だ」
2人の騎士に果敢に立ち向かうシャムたち。
しかし2人の騎士は手強く、人数ではシャムたちが勝っているのだがなかなか倒すことができない。
⚔⚔⚔
ペペロンチーネの傭兵たちがアボガドをじりじりと追い詰めていく。
魔導師や妖術師は離れた敵には絶大な力を発揮するが、接近戦で戦士に包囲されたらまず勝ち目は少ない。
第三勢力ともいえるペペロンチーネたちが突然現れ、不意を食らったアボガドは後退りしながら何やら呪文唱えている。
アボガド「くくくくく……私を倒せると思っているのか? もうすぐにおまえたちを地獄の淵に叩き落してやるから楽しみにしているがよい。エマタエナカヲイガネガワ~! ヨンゴラドクッジマ~! ヨデイリヨイカマ~~~!」
傭兵A「……?」
傭兵B「……!?」
ペペロンチーネ「なにをブツブツ言っておる! ええい、構うな! 倒してしまえ!」
アボガドに襲いかかる傭兵たち。
傭兵A「お~~~~~!!」
傭兵B「死ね~~~!!」
傭兵の剣は見事にアボガドをとらえた。
アボガド「ぐぁわ~~~~~~~~~!!」
傭兵A「ふん、妙な呪文を唱えても無駄だよ!」
傭兵B「へっ、呆気ない最期だぜ」
傭兵A「ん……?」
傭兵B「えっ……??」
傭兵C「な、なんだ! あれは!!」
傭兵たちが見上げると十字架に縛られたユマ姫の後方に巨大な怪物が出現した。
それは褐色の鱗に覆われた巨大なドラゴンであった。
傭兵A「うげっ! あれはドラゴンじゃないか!」
傭兵B「うわっ! こりゃまずいぞ! 逃げろ!」
ペペロンチーネ「バカモノ! 逃げるでないわ! 早くユマ姫を十字架から下ろすのだ!」
傭兵C「いくら伯爵の命令でもこの状況じゃ無理だ! 早く逃げようぜ!」
多くの傭兵が怖気づく中、勇敢にもドラゴンに挑みかかった1人の傭兵が瞬く間にドラゴンに咥えられてしまった。
傭兵D「た、助けてくれ~~~~~~~~~!!」
アボガド「くくく……だから言ったろう……地獄の淵に落としてやると……くくく……」
床に倒れたアボガドは最後の言葉を残して息絶えてしまった。
仲間を助けようと傭兵たちは剣を振り回し、魔法を唱えて応戦するが全く歯が立たない。
⚔⚔⚔
エリカ「向こうは大変なことになっているようですね」
チルチル「妖術師がやられちゃったでピョン! でもドラゴンが現われてあの変なペペロンチーネたちと戦っているよ!」
そのときマリアが首を傾げた。
マリア「奇妙ですわ……」
アリサ「マリアさん、どうしたのおおおお?」
マリア「あのドラゴンの動きをよく見ててください……」
アリサ「……分かんない。次々と傭兵に襲い掛かっているように見えるけどおおお」
マリア「そうでしょうか……?」
シャルル「おいおい! あのペペロン野郎とドラゴンは後回しだ! とにかく目の前の敵をやっつけるのが先だ!」
アリサ「あっ、そうか、忘れてたああああ!」
シャルル「忘れるな!」
2人の鎧の騎士は実に手強く、シャムたちが束になってもなかなか倒せない厄介な敵だ。
逆に時折反撃を食らって、シャムたちがダメージを受けることもある。
後方からヒール魔法で援護するマリアがいなければシャムたちはもっと苦戦していただろう。
マリアの横ではエリカが水魔法を放っている。
鎧の騎士に対して多少の効果はあるが決定的なダメージは与えられない。
ところが魔法を放ちつづけているうちにふと気づいたことがあった。
騎士たちは喉元に魔法を受けたときだけ極端に動きが緩慢になるのだ。
エリカ「皆さん! 鎧の騎士の弱点を見つけましたわ!」
シャム「どこだ!? 教えろ!」
エリカ「喉です! 喉を狙ってみてください!」
シャルル「喉だな? よし、分かった!」
キュー「エリカさん、教えてくれてありがとう!」
シャムの剣が見事に鎧の男の喉を捉えた。
(ぐわぁ~~~~~~~!!!!!)
青の鎧の騎士が苦しみはじめ急に動きが鈍くなった。
キュー「やったね! もう1人も喉狙いで片付けなくては!」
イヴ「ちょッと待って! 赤鎧は喉を試したけど効果がなかったわ! エリカさん、赤鎧の弱点を探してみて?」
エリカ「分かりました、調べてみますね!」
アリサは赤い鎧の騎士に敢然と挑んでみたが、あっさりとクロー攻撃を躱されてしまった。
そればかりか赤い鎧の騎士の剣はアリサの肩先をかすった。
アリサ「きゃあ~~~!! いたたたたっ!!」
シャム「アリサ、大丈夫か!?」
アリサ「シャムっ、いたいよ~! チンヒール掛けてええええ?」
シャム「バカッ! 今はそんな余裕がどこにある!」
アリサ「冷たいにゃん」
マリア「ヒールをかけるので待っててくださいね、アリサさん」
⚔⚔⚔
一方、ドラゴンに挑んだ傭兵は次々に倒され、ペペロンチーネ伯爵と2人の傭兵を残すのみとなっていた。
傭兵A「伯爵! ドラゴン相手ではとても敵いません! ユマ姫を諦めて、一刻も早く逃げましょう!」
ペペロンチーネ「くぅっ! せっかくここまで来たのに、ユマ姫を連れ出せないとは! くやしい~! ええい! 何とかあのドラゴンを倒すんだ!」
傭兵B「それは無理です!」
ドラゴンはすでに8人の傭兵を倒しているが、それ以上は伯爵たちに攻撃をしてこなかった。
ユマ姫を守るように抱きかかえじっと伯爵たちの様子をうかがっている。
ペペロンチーネ「ええい! 弱気になるな! ドラゴンを倒すのじゃ!」
傭兵A「そんな無茶な」
伯爵は2人の傭兵の背中を強く押した。
傭兵はよろめきながら不本意にもドラゴンの方へ一歩近づいてしまった。
グァオ~~~~~~!!
傭兵「うわ~~~!!」
傭兵「ぎゃあ~~~!!」
⚔⚔⚔
エリカ「弱点を見つけました! 目です! 目を狙ってください!」
キュー「にゃっ!さんきゅ~!鎧屋さん!覚悟~~~!!」
キューは赤い鎧の騎士の目に狙いを定め激しく突いた。
剣は見事に命中に赤い鎧の騎士は膝から崩れた。
無敵の猛将にも弱点はあった。
各部位に魔法を浴びせ弱点を探し出したエリカの粘り強さが勝利をもたらせた。
だがもう1人卓越した眼力をもつ女性がいた。
それはマリアであった。
不意に現れたドラゴンに傭兵を倒され怖気づくペペロンチーネはガタガタと震えるばかりであった。
ペペロンチーネ「あわわわわ……自慢の傭兵がこうも簡単にやられてしまうとは……ひぃ~! た、助けてくれ~~~!」
ペペロンチーネは尻餅をつき倒れ伏したが、やっとの思いで立ち上がるとユマ姫を諦めて一目散に逃げていった。
シャルル「シャム、どうする? あのパスタ野郎、倒してしまおうか?」
シャム「いや、放っておこう。それよりユマ姫を助けるためあのドラゴンを倒そう!」
マリア「待ってください!」
シャムはドラゴンを倒すべく剣を振りかざし向っていこうとしたが、マリアがそれを制した。
シャム「どうして? ドラゴンをやっつけないとユマ姫を助けられないだろう!?」
マリア「シャムさんや皆さんはご覧になったでしょう?」
シャム「何を?」
マリア「ドラゴンに挑んだ傭兵たちはことごとくドラゴンの餌食になりました」
シャム「あの臆病な伯爵以外は全員倒されたじゃないか」
マリア「確かにそうですが、最後に残った2人の傭兵に戦う意志はなくドラゴンは危害を加えませんでした。ところが伯爵が無理やり傭兵の背中を押したため、傭兵はやむを得ずドラゴンに刃を向け結果的に倒されてしまいました」
エンポリオ「俺もその瞬間を見ていたよ。傭兵は逃げ腰だったのにな~」
シャム「つまりあのドラゴンに剣を向けなければ良いわけか?」
マリア「そのとおりです。おそらくあのドラゴンは現実の生物ではなく、死を覚悟した幻術師アボガドが最後の力を振り絞って出現させた幻獣だと思います。あえて名づけるなら『マジックドラゴン』ということになるのでしょうか。あのドラゴンは自分に歯向かってくる者すべてを倒すように創り上げているのでしょう」
エリカ「私もマリアさんに賛成です。ドラゴンを攻撃しないで、ユマ姫救出だけ専念すればいいのではないでしょうか」
シャム「よし! そうと決まれば、ユマ姫を早く助けよう!」
シャム達は剣等の武器を鞘に収め、ユマ姫の元に駆け寄った。
やはりドラゴンはシャムたちの様子をうかがってはいるが、襲いかかってくる気配はない。
シャム「ユマ~~~! 助けに来たぞ~~~!!」
ユマ姫「シャムぅ~~~!! 私を助けに来てくれたの!? 嬉しい!!」
ユマ姫は地上3メートルぐらいの位置に十文字に拘束されている。
シャム「それにしても十字架磔ってなんかエロいな~」
イヴ「気の毒なユマ姫を前によくもそんな呑気なことを言ってられるわね」
シャム「ああ、そうだった。ユマ、すぐに助けてやるから待ってろよ!」
キュー「すぐに助けると言っても、この十字架どうして登るの? 足がかりになる物が何もないのに」
シャルル「梯子はないのか? じゃあ俺が肩車しようか?」
イヴ「肩車しても全然届かないわ」
シャムたちが途方に暮れていると、突然アリサが素っ頓狂な声を上げた。
アリサ「にゃんにゃん~、私に任しておいてええええ!」
言うが早いかアリサはこともなげにスルスルと十字架を登り始めた。
敏捷性にすぐれ素軽さでは定評のあるアリサならではの離れ業といえるだろう。
エンポリオ「へ~、アリサってすごいんだな~! ネコミミというよりサル耳だな~」
アリサ「私のこと、なにか言ったああああ?」
エンポリオ「なにも言ってないよ~!」
十字架に登るアリサを下から食い入るように見つめるシャム。
シャム「いい眺めだな~」
イヴ「シャム、ダメだよ!」
シャム「おいらだけじゃないって。シャルルやエンポリオも覗いているし」
アリサ「きゃっ! えっち~! 見ちゃだめええええ!」
アリサは十字架の横桟まで登り切ると、腰の短剣で戒めのロープを切り始めた。
ユマ「助けてくれてありがとう。あなたはシャムの仲間? 名前は何と言うの?」
アリサ「にゃお~、ありさだよおおおお」
ユマ「アリサちゃん? 私はユマ。まさかこんな目に遭うなんて思わなかった。もう助からないと思ってた……」
アリサ「悪いやつに囚われて恐かったでしょう? でももう大丈夫だからねええええ」
ユマ「私、助かったんだね……何か夢みたい。ううう……」
アリサ「泣かないでえ。シャムや私がついてるからああああ」
ユマ「うん……」
ユマの足首のロープをアリサが切断するとユマ姫は地面に落下した。
下でがっちりとユマを抱きかかえたのはシャムであった。
ただ無事救出はできたがユマはぐったりしていて顔色が優れない。
長時間十字架に拘束されてかなり衰弱しているようだ。
イヴ「シャム、ユマ姫の身が危険だわ! 一刻も早くユマ姫にチンヒールを掛けてあげて!」
シャム「ヒール魔法じゃ無理なのか?」
イヴ「かなり衰弱tしているから難しいかも。それにヒールだと体力は回復するけど心の傷は治せないわ。ユマ姫様は心にかなりダメージを負っているはずだわ」
シャム「分かった。じゃあ、すぐにユマの治療をするよ!」
マリア「戦闘で怪我をした仲間の皆さんは、私たちが治療しますのでどうぞ心置きなく」
マリア、エリカ、イヴの3人は仲間たちにヒール魔法の準備を始めた。
一方シャムはユマの元へ駆け寄った。
ヒール魔法は怪我の治療はできても心の治療まではできない。
その点チンヒールであれば体力回復だけでなく、傷ついた心の安定を図ることができる。
シャム「ユマ、直ぐに治療をしてやるからな~」
ユマ「治療ってもしかして、アノ方法で?」
シャム「うん、アノ方法だ。昔ユマが転んで怪我したときに掛けたな~。あの頃はおいらもまだヘタクソだったけど、あれからかなりうまくなったぞ~」
ユマ「やぁだ、もう~。そんな恥ずかしいことを思い出させないでよ~」
ユマはまるで熟したリンゴのように頬を赤く染めた。
シャムはユマのスカートを捲くり上げると両足を大きく開かせた。
白いドロワーズが艶めかしい。
ユマ「無理だわ。皆が見ているところで恥ずかしいわ」
イヴ「ユマ姫、恥ずかしがることはありませんわ。これは治療ですもの。シャムにチンヒールをかけてもらって一刻も早く元気になってください」
ユマ「神官イヴがそう言うのであれば……」
ユマは幼い頃からイヴのことをよく知っている。
父王とともにロマンチーノ城に行ったとき、ママゴトや手芸等をしてよく遊んでくれた。
そんなイヴの薦めなら断ることなどできない。
ユマはかなり疲弊しているはずなのに、四つん這いになろうとした。
マリア「……?」
アリサ「にゃん?」
シャルル「仰向けに寝ていれば楽に気持ちよくなれるのに、どうしてバックになろうとするんだ?」
シャム「ああ、それはだなあ」
ユマ「やだぁ、シャム、恥ずかしいから言わないで」
シャム「みんなおいらの仲間だし、いいじゃないか~」
ユマ「恥ずかしい……」
シャム「ユマは幼い頃から乗馬が好きでよく馬に乗ってたんだが、ある日、牝馬と牡馬が交尾をしているのを見てしまったんだな~」
エンポリオ「うん、それで?」
シャム「それを見たユマ姫は侍女に聞いたんだ。『お馬さんは何をしているの?』って」
エンポリオ「なるほど」
シャム「侍女は悪びれずにこう答えたんだ。『あれは交尾と言う愛の営みなんです。ユマ姫様も大きくなられたら、きっと……』ってね」
シャルル「それでセックスはバックでするものだと信じてしまったわけか!? そりゃ傑作だ! がっはっはっはっは~~~!」
イヴ「シャルル、そんなことを言ったら失礼よ」
シャルル「あっ、こりゃあお姫様に失礼なことを言っちまったな~。というかもうチンヒール始めてるじゃないか」
シャムとユマはシャルルの会話に耳を傾けることなく、すでにチンヒールの前戯に入っていた。
四つん這いのユマ姫の背後に回りクンニを始めるシャム。
高速でペロペロと亀裂に舌を這わせると、たちまち床に顔をあてがい喘ぎ声をあげるユマ姫。
ペロペオロペロペロ……
ユマ「あぁん……」
ペチョペチョペチョ……
ユマ「あぁん……気持ちよくてチンヒール前に回復してしまいそう……ああっ……」
シャム「じゃあ、終わるか?」
ユマ「あぁ、中途半端はよくないよ……」
艶やかな場面に熱視線を送っているイヴとエリカ。
アリサとキューにいたっては指を咥えて羨望の眼差しで見入っている。
アリサ「にゃご~、ペロペロされて気持ち良さそう。アリサもして欲しいなああああ」
キュー「にゅう、だよね~」
ベチョベチョベチョベチョ……
次第に水分を含んだ音響に変化していく。
シャム「よく見るとユマのクリトリスもキラキラ光ってるな~」
シャムはクンニを一旦中断しユマの亀裂をしげしげと眺めている。
シャムがユマの股間から顔を離したため、周囲からも恥部の形状がはっきりとうかがえた。
ユマ姫は透き通るように肌が白いうえに陰部のメラニン色素は薄いが陰毛はやや濃いめといえた。、
シャム「やっぱりな……」
ユマ「何を観察しているの?」
シャム「いや、それはまた話そう。それより、かなり濡れてきたのでそろそろチンヒール行くぞ」
ユマ「うん……」
シャムはユマ姫の両臀部を支えながら、いきり立った肉柱をググっと押し込んだ。
ズニュ……
ユマ「あぁぁっ……」
ズンズンズンズンズンズン……
ユマ「あああああ~~~……」
ズッコンズッコンズッコン……
ユマ「ああ、身体の痛みがだんだん和らいでいく感じ……あぁん、すごく気持ちいい……」
身体の傷だけでなく、囚われの身であったことによる心の傷までが、シャムに抱かれているうちにゆっくりと癒されていくような気がした。
それは性行為による快感とは違った人間界では味わえないような快楽がユマを包み込んだ。
深い陶酔の迷宮をさまようユマ姫。
ユマ「はぁ~あぁ~あぁ~あぁ~あぁ、いやぁ~、ふぁあ……」
キュー「ああ、もうダメ、したくてしたくて堪らなくなってきた」
エリカ「下着が濡れちゃって……穿き替えないと風邪を引きそう……ハ、ハクション!」
アリサ「にゃ~、ユマ姫が終わったらアリサにもして欲しいなああああ」
シャムがチンヒールに精を出している頃、マリアはヒール魔法を唱え始めていた。
マリア「イヴさん、エリカさん、お2人は傷を負っているので休んでいてください。皆さんの治療は私が行ないます。ヒール!」
白い霧が傷を負った仲間を包み込む。
全員のHPが回復していく。
四つん這いのユマ姫を背後からシャムの激しいピストンが襲う。
ユマ「ああっ、どうしよう! イクわ、イクわ、あ~~~~~! イクわぁ~~~~~!!」
白い液体がユマ姫の傷ついた心と身体を癒していく。
ユマ姫はみるみるうちに元気さを取り戻した。
イヴ「ユマ姫、元気になったみたいですね。よかったです!」
ユマ「はぁはぁはぁ……あぁ、イヴ……私はもう大丈夫よ。シャムや皆さんのお陰で助かったわ。シャム、皆さん、私を助けてくれてありがとう。この御恩は生涯忘れません……ねえ、シャム……」
シャム「なんだ?」
ユマ「すばらしい仲間の皆さんに囲まれてあなたは幸せ者ね」
シャム「そうとも! おいらは幸せ者だ!」
ユマは仲間たちに屈託のない笑顔を振りまいた。
シャム、シャルル、エンポリオ以外は全員女性だ。
しかも彼女たちは魅力に溢れている。
ユマ「シャムって昔と変わらないのね?」
シャム「何が?」
ユマ「だって皆さん、素敵で可愛い女性ばかりじゃないの。相変らず可愛い子が好きなんだあ、と思って」
シャム「ちょっと待て。おいらが集めたわけじゃないぞ。これはだなあ、神がもたらした偶然の出逢いというか何というか……おおっと、それよりユマも元気になったことだし、早くウチャギーナを助けに行かなくては!」
ユマ「ウチャギーナって?」
イヴ「その件は私から説明しましょう、ウチャギーナとは……」
イヴはユマ姫に、先ほど戦闘中に仲間のウチャギーナが塔から転落してしまったことを伝えた。
ユマ「そうだったの!? じゃあ私の治療どころじゃないじゃないの! 早く助けに行こうよ!」
ユマ姫が仲間に加わった!!
シャムたちは今回の戦闘で経験値が大幅に上昇した!!
ふと十字架の方を見ると、マジックドラゴンの姿はなくすでにどこかに消えてしまっていた。
果たしてドラゴンは幻だったのか、それともどこかに去ってしまったのか。
シャムたちに知るすべはなかった。
一行は急ぎ足で塔を駆け下りていく。
シャム「ウチャギーナ!! 生きていてくれ~~~!!」