ファンタジー官能小説『セクスカリバー』

Shyrock 作



<第22章「ペルセ・クエスト」目次>

第22章「ペルセ・クエスト」 第1話
第22章「ペルセ・クエスト」 第2話
第22章「ペルセ・クエスト」 第3話
第22章「ペルセ・クエスト」 第4話
第22章「ペルセ・クエスト」 第5話
第22章「ペルセ・クエスト」 第6話




<メンバーの現在の体力>

シャム 勇者 HP 570/570 MP 0/0
イヴ 神官 HP 490/490 MP 500/500
アリサ 猫耳 HP 500/500 MP 0/0
キュー ワルキューレ HP540/540 MP270/270
エリカ ウンディーネ女王 HP 420/420 MP 540/540
チルチル 街少女 HP 350/350 MP 0/0
シャルル 漁師・レジスタンス運動指導者 HP 600/600 MP 0/0
ウチャギーナ 魔導師 HP 420/420 MP 500/500
ペペ 魔導師 HP 460/460 MP 540/540

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第22章「ペルセ・クエスト」第1話

 ペルセ山頂に続く道はとても険しい。
 あまりにきついので時折休息をとり水筒の水で喉を潤す。
 シャムたちの鍛え上げた肉体は武器防具の重量など物ともしないが、延々と急勾配がつづくとさすがに脚に負担がかかる。
、神に守られているペルセ山なので魔物は出現しないが、まさか武器防具を麓に置きピクニック気分で登頂するという訳にはいかない。
 たとえ魔物が出現しなくても、ペペロンチーネのような悪漢が再び現れないとも限らない。
 つらくてもペルセ山頂に辿り着けば『鏡の盾』が入手できる。
 汗を滴らせながら一歩ずつ山道を踏みしめるシャムたちに、まだ頂上は見えてこない。

チルチル「ひえ~、ちゅかれたピョン……♫」
キュー「ふう、まだ遠いのかなあ……」
ウチャギーナ「どうかしら……地元の私でもペルセ山頂には登ったことがないのよ」
エリカ「どうしてですか? 迷いの洞窟は詳しいのに。おばあ様にこの先には行かないよう言われていたのですか?」
ウチャギーナ「そうなの。洞窟まではよいけどそこから先は行くなと、幼い頃から言われていたの」
ペペ「それはどうしてなのですか?」
ウチャギーナ「山頂には神殿があって、入口には恐ろしい守護神が守っているらしいの。何でも竜のような硬いウロコとコウモリのような翼を持っているとか……でも悪い怪物ではなくて『水』を司る神様だっておばあちゃんが言ってたわ」

 するとエリカが怪訝な表情を浮かべた。

エリカ「それはおそらくガーゴイルでしょう。でも奇妙ですね……ガーゴイルは悪事を働いたため全知全能の神ゼウスによって邪神として石に変えられてしまったはずですがねえ……」
イヴ「う~ん、何か深い訳がありそうね」

 そのときウチャギーナがポンと手を叩いた。

ウチャギーナ「あっ、もう1つ思い出した!」
キュー「なになに?」
ウチャギーナ「あのね、その守護神は訪問者に謎を掛けてくるらしいの」
アリサ「アリサ、なぞなぞ、面白そうううう!」
ウチャギーナ「でもね、その謎にちゃんと答えられなかったら食べられてしまうんだって」

 アリサの顔はみるみるうちに蒼くなっていく。

アリサ「きゃああああ~! アリサのお肉美味しくないからねええええ!」
キュー「アリサちゃんったら、まだあなたが食べられると決まった訳じゃないわ」
エリカ「そうですよ、ちゃんと答えられたら誰も食べられないのですから」
イヴ「つまり、ちゃんと答えたら神殿の中に通してくれるのね?」
ウチャギーナ「う~ん、詳しくは分からないんだけど、たぶんそうだと思う」
ペペ「なにやらギリシャ神話に登場するスフィンクスとよく似ていますね」
アリサ「スフィンクスの神話ってどんな話なのおおおお?」

 ペペがピラミッドを守る聖獣スフィンクスについて語る。

ペペ「スフィンクスはピキオン山というところで、周辺の住民が通りかかると謎を浴びせ、ちゃんと答えられなかったり、間違ったりしたものを容赦なく食べました」
アリサ「ひい! そんな道は通りたくないよおおおお!」
エリカ「一番有名な謎かけは『朝は4つ足、昼は2本の足、晩は3本足で歩くものは何か』というものです」

 すると聞き耳を立てていたシャムがいきなり会話に飛び込んできた。

シャム「答えはおいらだ~!」
キュー「どうして?」
シャム「夜、可愛い子を見たらムラムラして、すぐに3本足になるだろう?」

 突然手加減のない抓りが加えられた。

イヴ「スフィンクスがそんなエロい質問をするはずがないじゃないの!」
シャム「いててっ、抓るな! だってアレがでかくなったら立派な3本足じゃないか」
イヴ「そもそもギリシャ神話にシャムが登場するはずがない」

 シャムに救済の手を差し伸べるペペ。

ペペ「でもまんざら外れていないと思いますよ。正解は『人間』なのですから」
シャルル「ふ~む、どうしてなんだ? 人間は2本足じゃないか?」
ペペ「人間は、赤ちゃんの時には四つ足で這い、大人になると2本足で立って歩く、そして年寄りになってからは杖を突いて歩くから……と言うのが答なのです」
シャム「へ~、ペペは物知りだなあ」
ウチャギーナ「ほんとペペさんは識者なのね。驚いたわ」
ペペ「魔法学校で聞いたことをたまたま覚えていただけです」
シャム「で、そのスフィンクスの謎かけに答えられた者はいたのか?」
エリカ「オイディプスという若者が謎を解きました」

 きつい登り坂でも一休みして会話が弾めば、急に元気になることがある。
 いかに過酷な旅でも、わずかな水と仲間との楽しい語らいが、元気の源となり次への活力となるのだ。

 険しい山道を乗り越えると、なだらかな道に差し掛かった。
 山頂まであとどのぐらい歩けばいいのだろうか。

ウチャギーナ「あっ、みんな見て! あそこに建物が見えるでしょう? きっと神殿だわ!」

 木立に遮られて列柱廊の一部しか見えないが、ウチャギーナが指し示す方向には神殿らしき建物が佇んでいた。

シャム「んっ!? あれがペルセ神殿か?」
キュー「うにうに~、きっとそうだよ~! やったね!」
アリサ「じゃあ、早く行こうよおおおお!」
ウチャギーナ「待って!アリサちゃん!」



第22章「ペルセ・クエスト」第2話

 神殿に向かって駆け出すアリサを制したのはウチャギーナだった。

アリサ「だって早く神殿に行きたいものおおおお」
ウチャギーナ「この先は誰も行ったことが無い場所よ。どんな危険が待ち受けているか分からないから1人で行くのはやめたほうがいいと思う」
シャム「よし! みんな、おいらが先頭で進むぞ!」

 シャムたちは、万が一に備え隊列を組んでペルセ神殿に進むことにした。
 しばらく進むと木立が途切れ、目前に格調高いエンタシスの列柱が見えてきた。
 ついにペルセ神殿に到着した。
 ここにはシャムたちが探し求めている『鏡の盾』が眠っているのだ。
 幾多の苦難を乗り越えてやっとここまで辿り着いたが、喜ぶのはまだ早い。
 神殿に入るには最大の難関を通らなければならないのだ。
 シャムたちは慎重に歩を進め正面に近づいた。
 正面奥には扉が見えるが、アプローチには左右に門柱がある。
 ふと見上げると右側の門柱の上に奇怪な風貌の怪物が座っている。

 シャムたちが一歩近づくとじろりと睨んだ。
 鋭い眼光でことさらぐりぐり睨め付ける。
 シャムたちは息を呑んだ。
 怪物は、ウチャギーナが言っていたとおり、肌が竜のような硬いウロコに覆われ、背中にはコウモリのような翼がある。
 どこからどう見ても醜怪な生物にしか見えず、シャムたちが日々戦ってきた魔物と何ら変わりがなかった。
 あの怪物が本当に『水』を司る神だと言うのだろうか。
 だが、よくよく観察してみると、今まで戦ってきた魔物とはどこか違う威厳と風格が備わっているように思えた。

 怪物は突然声をかけてきた。
 しわがれてはいるが威厳のある声だ。

ガーゴイル「この神殿に何のようだ?」

 シャムは物怖じせず堂々と答えた。

シャム「『鏡の盾』を探してやって来たんだ」
ガーゴイル「神器の1つである『鏡の盾』を手に入れてどうしようと言うのだ?」
シャム「邪神メドゥサオールを倒すためだ」
ガーゴイル「ほう、メドゥサオールを倒そうと言うのか? なかなか勇気のある男だ。もしやおまえがこの荒れ果てた大地を救わんとする勇者か?」
シャム「そうだよ~ん」
ガーゴイル「勇者の割りに軽いノリの男だな。まあそれは良いとして、私はこの神殿の番人ガーゴイルという」
エリカ「あなたが『水』を司る神ゴーガイルですね?」
ガーゴイル「神という者もいるが正確には神ではなく、この神殿の番人だ。して、おまえは?」
エリカ「私は水の精霊ウンディーネの女王エリカと申します」
ガーゴイル「ほほう、同じ水系か」

 会話を聞いていたアリサがイヴに近づき耳打ちをした。

アリサ「2人とも『お水系』だってええええ」
イヴ「しぃ~、『お水系』じゃなくて『水系』なの」

 ガーゴイルの質問に答えるエリカ。

エリカ「はい、同じ水系です。ところで唐突な質問をしますが、あなたは昔悪事を働いたため、全知全能の神ゼウスによって邪神として石に変えられてしまったのじゃなかったのですか?」
ガーゴイル「よく知っているな。私は天界で悪事を働き裁判に掛けられた。魔界に落とされるものと覚悟していたが、幸いにも『千年石の刑』で済んだ」
チルチル「あのぅ、『千年石の刑』って何でピョン♫?」
ガーゴイル「1000年の間、石に変えられてしまうが、その後100年間、真面目に神殿の守護をすれば天界に戻してもらえるのだ。なあ、とても軽い刑だと思うだろう?」
シャム「どひゃあ、どこが軽いのだ。おいらならとっくに死んでるよ」
エリカ「その辺が天界と地上界の違いなのでしょうね」
シャム「ふ~ん、そんなもん界」
ガーゴイル「一度魔界に落とされると二度と天界には戻れない。つまり『千年石の刑』の方がずっと軽いというわけだ」
チルチル「そんで、ガーゴイルさんはここを守っているわけでピョン♫?」
ガーゴイル「ガーゴイルさん……?」
イヴ「もう、チルチルちゃんたら~、気安く呼び過ぎだよ。この子はまだ世間知らずなもので、許してやってね」
ガーゴイル「はっはっは~、構わぬ! ところで、おまえたちはこの神殿に入りたいらしいが、そのためには私が出題する謎を解かなければならない」
アリサ「もし解けなければ、私たちは食べられちゃうのおおおお?」
ガーゴイル「はっはっは~、馬鹿げたことを。かりそめにも天界の水の神だったこの私が人間を喰らうと思っているのか? 私は人間を喰らったりはしない」
アリサ「ああ、良かった。じゃあ安心して答えられるねええええ」
ガーゴイル「ただし、もし謎解きができない場合は、おまえたちはここを去らなければならない」
ペペ「それならば一旦ここから去ったのち、近日もう一度来れば出題してくれますね?」
ガーゴイル「無理だ」
ペペ「では次回の出題まで、どれぐらいの期間がかかるのですか?」
ガーゴイル「1年だ」
シャム「どひゃ~~~! 1年も? それは困る!」
ガーゴイル「困ろうが困るまいが私の知ったことではない。この神殿の決まりなのだ」
イヴ「ふ~ん、そうなの。じゃあ絶対に正解しないといけないのね」
キュー「にゅう、何かすごいプレッシャーがかかるね。ねえ、ガーゴイル様、できるだけ簡単な謎を出してくださらない?」
アリサ「簡単な謎を出してくれたら私がチュウ~してあげるうううう!」
ガーゴイル「チュウ~?……ううっ……いやいや、私は神殿の番人だ。チュウ~は遠慮しておこう。さあ用意はいいか、今から出題するぞ」

 はたしてどんな謎が出題されるのか。
 張り詰めた緊張が森の樹々のようにびっしりと立ちこめた。



第22章「ペルセ・クエスト」第3話

ガーゴイル「謎掛けをする前にルールを説明しておこう。制限時間は10分。制限時間内に正解しなければ失格だ。解答は3回まで認める」
シャム「たった10分? 短いよ~。もう一声オマケを頼むよ~」
ガーゴイル「オマケだと? 神の規律にオマケなどない」
シャム「神様は申された。『オマケを与えなさい。そうすればあなたもオマケがもらえます』」
ガーゴイル「そんな神の言葉は聞いたことがないぞ。オマケはなし」
シャム「何だよ、ふん、ケチ」

 不貞腐れるシャム。

ガーゴイル「うん? 何か言ったか?」
イヴ「し~っ、シャム! いいえ、何も言ってません!」
ガーゴイル「では問うぞ」

 シャムたちは謎掛けに耳を凝らす。

ガーゴイル「それは、裸で抱き合ったり、足を絡め合わせたり、いろいろ体勢を変えながら行うものである。それを行なうと次第に息づかいが荒くなっていくことが多い。10秒も持たずに終わってしまうとすごく虚しい気持ちになるし、恥ずかしい気分にもなる。そうならないようにテクニックを磨かなければならない。しかしそれは本来、神聖な儀式だということを忘れてはならない。さて、『それ』とはいったい何か?」

 出題が終わると、ガーゴイルは自信ありげにゴホンとわざとらしい咳払いをした。

アリサ「にや~ん! そんな恥ずかしいなぞなぞを出すなんて、すごくエッチなガーゴイル様ああああ!」

 アリサだけではない、謎掛けを聞いた途端、女性陣は一様に顔を赤らめている。
 一方、女性陣とはうらはらに、シャムだけが高笑いをしている。

シャム「わっはっはっはっはっ~! 簡単すぎて面白くない~!」

ガーゴイル「ん? もう分かったのか?」
シャム「答えは『セックス』だもんね~!」
ガーゴイル「ふっふっふ、どうかな?」
シャム「裸で抱き合い、足を絡め合い、いろいろ体勢を変えるんだろう? それにしているうちに息づかいが荒くなるし、早くイクと恥ずかしいからな。それは『セックス』以外ないだろ~」

 シャムが解答すると、ガーゴイルはにやりと微笑んだ。

ガーゴイル「ブ~ッ、はずれ。これで権利1回終了。残りはあと2回」
シャム「え~~~!? 違うのか……? ありゃりゃ……」
イヴ「シャム! そんなに簡単に答えないでよ~! これで1回使ったじゃないの」

 シャムはしょんぼりと肩を落とす。

シャム「自信あったんだけどなあ」
キュー「にゅう、分かった~! 答えはね~!」
エリカ「キューさん、あと2回しか残っていないので慎重に頼みますよ」

 胸を張って自信満々に答えるキュー。

キュー「それは『チンヒール』! 神聖な儀式だし。ね、そうでしょう? ガーゴイルさん? 当たってるでしょう?」

 ガーゴイルはまるでクイズ番組でもったいぶってなかなか答を言わないどこかの司会者のように、答を焦らしている。
 ようやく重い口が開く。

 ガーゴイル「はずれ」

キュー「え~~~!? 違うの~~~?」
イヴ「もう、残りが少ないのに……」
キュー「だってさ、どう考えたってチンヒールしか思い浮かばないんだもの~」
ガーゴイル「ふっふっふ、さて、権利は残り1回だぞ」

 ガーゴイルがほくそ笑んでいる。

ウチャギーナ「ねえ、みんなでじっくりと考えようよ」
エリカ「そうですね。次が不正解だったら『鏡の盾』を断念しなければならないのですから」
シャム「よし! ここはひとつ円陣を組もう~!」

 絶体絶命の危機が訪れた。
 ここで失敗すればメドゥサオール打倒は困難となるだろう。
 次は背水の陣で臨まなければならない。

 シャムを中心に円陣を組む仲間たち。
 みんなで知恵を出し合えば、正しい答を導けるかもしれない。
 全員が肩を組み円を描く光景に、思わずアリサが吹き出した。

アリサ「ぷぷぷ、何か可笑しい~。まるで何かのスポーツみたいいいい」
エリカ「もうアリサさんたっら。みんなが真剣に考えているときに茶化すのはどうかと思いますよ」
シャム「ん? アリサ、今なんと? スポーツ……と言ったな?」
アリサ「うん、言ったよ、それが何かああああ?」
シャム「分かったぞ! ……んぐっ、ふんがふんがふんが!」

 シャムが叫びかけると、キューが敢然と口を押さえてきた。

シャム「く、苦しい……キュー、な、何をするっ!」
キュー「だってそんな大声で叫んで、ガーゴイルさんが3つ目の解答だと勘違いしたら終わりじゃないの~!」
シャム「ふう、苦しい、小さな声で話すから、おいらに喋らせろ」
キュー「じゃあガーゴイルさんに聞こえないように、蚊の鳴くようなち~さな声で教えて」
シャム「とにかくおいらの口から手を放せ」

 ようやくキューが手を放した。

ウチャギーナ「で、答えは何なの?」
シャム「はっはっは~!」
ウチャギーナ「笑ってないで早く教えてよ」
シャム「小さな声で話すから、みんな顔をもっと寄せて」

 一同がシャムを真ん中にして顔を思い切り接近させる。

イヴ「で、なになに?」
エリカ「答えは何ですか?」
アリサ「にゃんにゃん~、ワクワク~」
シャム「答は……」
チルチル「うんうん♫」
シャム「『レスリング』」
キュー「え~~~!? どうしてレスリングなの?」
ウチャギーナ「だいじょうぶ? 絶対に間違いないの?」
シャム「だって考えてみろよ。レスリングは裸で抱き合ったり、足を絡め合わせたり、いろいろな格好でやるだろう? で、試合が進むに連れてだんだんと息づかいが荒くなっていく。10秒足らずで直ぐにフォールされてしまうと格好悪いよなあ。だからテクニックを磨かないといけない。それと、レスリングは古代から神聖な儀式と言われてる」
エリカ「なるほど、頷けますね」
イヴ「シャム、さすがだわ」
アリサ「ついにやったああああ!!」
シャム「いやいや、喜ぶのはまだ早いぞ。ガーゴイルが『正解』と言ってくれるまではな」



第22章「ペルセ・クエスト」第4話

アリサ「言うよ言うよ! ガーゴイルおじさん絶対に正解って言うからああああ!」
ウチャギーナ「アリサちゃん、元神様におじさんなんて言ったらダメよ~」
アリサ「にゃんにゃん~、ごめんなさいいいい」
シャム「では答えるぞ~!」
エリカ「シャムさん、がんばってください」
チルチル「気合を入れてピョン♫」
シャルル「気合を入れても答えは変わらないと思うぞ」
チルチル「それもそうだピョン♫ きゃはは~」
イヴ「でも気持ちの込めようって大切だと思うわ」

 シャムは一歩前に進み出ると、ガーゴイルから視線を逸らすことなくじっと見つめた。

シャム「では答えるぞ」
ガーゴイル「今回が最後の機会だぞ。いいのだな。では答えるがよい」

 緊迫した空気が漂う。
 ガーゴイルは岩壁すら射貫くような鋭い視線でシャムを見つめる。
 静寂を破り声高らかに答えるシャム。

シャム「答は『レスリング』だ。レスリングは裸で抱き合ったり、足を絡め合わせたり、いろいろ体勢を変えながら行う。やっているうちにだんだん息づかいが激しくなっていく。短時間でフォールされると戦士は恥ずかしい気持ちになるし、虚しくなる。そうならないようにするにはテクニックを磨くことが大切だ。それとレスリングは本来、古代から神聖な儀式と言われてる……」

 シャムが答え終えた。だがガーゴイルの表情は変わらない。
 はたして正解なのか? それとも不正解なのか?
 重苦しい空気がシャムたちを包み込む。

 まもなくガーゴイルがにこりと笑みを浮かべた。

ガーゴイル「正解だ」

シャム「ま、ま、まじで正解なのか!?」
アリサ「にゃんにゃん~! やったああああ!」
ウチャギーナ「すごい~!」
イヴ「シャム、おめでとう~!」
エリカ「さすがシャムさんですね」
キュー「うにうに~、これで鏡の盾が手に入るね~!」
チルチル「ピョンピョンピョン~♫」
シャルル「やっぱりシャムは正真正銘の勇者だ」
ペペ「シャムさん、おめでとうございます」

シャム「神殿にはここから入ればいいのか?」

 シャムはそそくさと神殿内に進もうとした。

ガーゴイル「まあ、そう慌てるな。私が案内してやるから」
シャム「中には誰かいるのか?」
ガーゴイル「もちろんだ。あるお方が住んでいらっしゃる」
シャム「あるお方? ふ~ん、まあ、誰でもいいや。とにかく早く案内してくれよ」
ガーゴイル「はっはっは~、せっかちな男だなあ。では着いて来るが良い」

 ガーゴイルに従いシャムたちは神殿の中へと入っていった。
 回廊を通り抜け中庭までくると神殿特有の荘厳さから、まるで天界の庭園を彷彿とさせるような風景に一変した。

シャム「おおっ!」
キュー「わあっ、きれい~!」
エリカ「まあ、まるで春が訪れたみたいです!」

 ふだんは物静かなエリカであるが、中庭のあまりに美しさに思わず感嘆の声をあげてしまった。
 それもそのはず、広い中庭には色とりどりの花が植栽されていた。
 ラベンダー、アシュガ、メドー・セージ、ファセリア、ミントブッシュ、パンジー、ニコチアーナ、ローズ等……
 数え上げたらきりがないほど多くの花々が咲き乱れてる。

チルチル「きゃは~! きれいでピョン♫」
ウチャギーナ「ほんとだわ、ねえ、見て見て~。この青い花すごくきれい~」
キュー「うにうに~、うっとりしちゃうね~」
アリサ「それにすごくいい香りがするにゃああああ、ゴロゴロゴロ~」

 みんなが花々に見とれている中、イヴがガーゴイルに尋ねた。

イヴ「ねえ、あるお方ってどんな方なの?」
ガーゴイル「とても素敵なお方だ」
イヴ「女神様なの?」
ガーゴイル「いや違う。聖女様だ」
イヴ「聖女様? 聖女様と言えば、神の命により天上界から地上界へ舞い降りた天使に与えられし称号。と言うことは神殿のあるじは天使なの……?」 
ガーゴイル「そのとおりだ。よく知っておるではないか。詳しくはお会いしてから直接聞くがよい」

 イヴたちの会話に、好奇心旺盛な男が飛び込んできた。

シャム「で、その聖女って言うのは美人なのか?」
ガーゴイル「はっ……?」
イヴ「もうシャムったら~、そんなことを聞くのは失礼だよ~」
ガーゴイル「大変お美しい方だ。まあ、お会いすればすべて分かることだ」
シャム「もう、ガーゴイル君はもったいぶるんだから~」
ガーゴイル「ガーゴイル君……?」

 あまりの馴れ馴れしさに言葉を失うガーゴイル。

ウチャギーナ「ところで神殿の中に警護兵とか全然いないけど大丈夫なの?」
ガーゴイル「何を言うか、私がおれば十分ではないか。と言いたいところだが、実は敵が襲撃してきた時はこの花たちが聖女様を守ってくれることになっている」
ウチャギーナ「えっ? この花々が!? 花々が聖女様が守れるの?」
ガーゴイル「ふふふ、今はふつうの花だが、危機が迫れば一変する。パンジー、ちょっと手本を見せてやるがよい」

 ガーゴイルは中庭に群生するパンジーに声をかけた。
 するとパンジーのツルがするすると伸び、ウチャギーナの腕に絡みついた。

ウチャギーナ「きゃあ~~~~!」
アリサ「にゃはっ! まるで触手みたいいいい!」
ガーゴイル「失礼な。触手は魔界の生き物だ。この花たちは天界に育つ花たちなのだ」
チルチル「天界の花がここで育ってるのでピョン♫?」

ガーゴイル「とか何とか言ってるうちに着いたぞ。この扉を開ければ聖女様がおられる」

 シャムたちはガーゴイルと語り、中庭の花々に目を細めているうちに、いつの間にか聖女が待つ大広間に到着していた。



第22章「ペルセ・クエスト」第5話

 大広間も無数の花々で埋め尽くされている。
 中庭にも増して芳香に満ち溢れ、訪問者たちの心を和ませてくれる。

ガーゴイル「聖女様、見事に謎を解いた者たちをお連れしました」
マリア「ようこそ、ペルセ神殿へ。私が聖女のマリアです」

 大広間中央の玉座に鎮座していたのは、慈愛に満ち溢れた聖女マリアであった。
 その姿は息を呑むほど麗しくまさに大輪の華であり、瞳は深い泉のように青々と輝いていた。
 シャムは聖女のあまりの美しさに意識が飛ぶほどの衝撃を受けた。

シャム「(ぽ~っ……!)」
ウチャギーナ「あれ? シャムどうしたの? 固まってるじゃないの?」
イヴ「ウチャギーナちゃん、しばらく放っておいたほうがいいわ。シャムは超タイプの女性が現れると、固まってしまう傾向があるから」
ウチャギーナ「そ、そうなんだ……」
キュー「にゅう、出会った女性のほとんどに固まっているような気がするんだけど」
エリカ「きっと好みの幅が広いのでしょうね」
シャム「おいらのことはほっといてくれ!」

 ガーゴイルがシャムをたしなめた。

ガーゴイル「これこれ、大きな声を出すでない。聖女マリア様の御前だぞ」
シャム「(ぽ~っ……!)」
マリア「いえいえ、構いませんよ。みなさん、あの難しい謎をよく解きましたね」
シャム「エヘン、いやあ~、私にとっては大して難問ではなかったですよ~」
アリサ「にゃ? シャム、自分のことを『私』だって。ぷぷぷっ」
チルチル「可笑しいでピョン♫」
イヴ「もう気取っちゃって」

 マリアがシャムたちに尋ねる。

マリア「あなたたちはどのような目的でここに来たのですか?」
シャム「そりゃあもう~、超美人のマリア様に会いたかったからだよ~ん!」
マリア「まあ……」

 恥ずかしそうにほんのりと頬染めるマリア。

キュー「もうシャムったら~、ちゃんと本来の目的を言わなくちゃダメじゃない~」
シャム「あぁ、そうだった、えへへ、実は『鏡の盾』をもらいに来ました」
マリア「な~んだ。会いたかったというのは嘘ですか?」
シャム「いえいえ、決して嘘ではありません」
マリア「嘘はダメですよ。顔にちゃんと書いてますよ、嘘だって。おほほ」
シャム「どえ~~~っ! 顔に嘘だと書いてあるって? ねえ、イヴ、おいらの顔にそんな文字が浮かんでるのか?」
イヴ「バカね。そう言う意味ではなくて、表情に出てるって意味なのよ」
シャム「わははは~、そういうことか」

 マリアは眉をひそめながらポツリとつぶやいた。

マリア「ガーゴイル、本当にこの男性が解いたのですか?」
ガーゴイル「はい、解きました。人間の10倍のこの聴力で確認したので間違いありません」

 マリアは納得したようで大きくうなづいた。

マリア「そうですか、分かりました。シャムでしたね? では尋ねます。『鏡の盾』は神器と呼ばれ神様からお預かりした大切なものなのです。使用目的も聞かずにお渡しするわけにはいきません。したがってどのような目的で使用するのかを教えてください」
シャム「メドゥサオール打倒のため!」
マリア「ほほう! 呪われし邪神メドゥサオールの打倒のためだと? つまりシャムが噂の勇者であり、皆さんがそのお仲間ということですね?」
シャム「ゴホン、そのとおりだ」
マリア「そうでしたか。邪神メドゥサオールと言えば大魔王ルシファーの命を受け地上界に現れ災いをもたらしている邪神です。地上界平和のため必ず倒さなけれななりません。よく分かりました。どうぞ『鏡の盾』をお持ちになってください」

 マリアは祭壇に祀ってあった『鏡の盾』をシャムに手渡した。

 シャムたちは『鏡の盾』を手に入れた!

マリア「1つだけ注意をしておきます。『鏡の盾』はメドゥサオールのような石化魔法を得意とする魔物には効果絶大ですが、剣や槍などに対しての防御力は平凡なのです。強力な武器の攻撃を受けた場合、最悪壊れるかも知れません。そんなわけで出没する敵によってうまく使い分けなければなりません」
シャム「つまりメドゥサオールとの戦いの時だけ使えということだな? 分かった」
マリア「メドゥサオールは大変恐ろしい敵です。討伐に失敗すると石に変えられてしまいます。心して掛からなくてはなりません。私もいっしょにお供できれば良いのですが、神様からこの神殿の守護を委ねられているためそれがかないません。陰ながらあなたたちのご武運をお祈りしています」
ガーゴイル「マリア様……」
マリア「ガーゴイル、どうかしましたか?」
ガーゴイル「もしお許しをいただけるならば、私もメドゥサオール打倒のため、この者たちに同行したいのですが、お許しいただけませんか。と申しますのも、メドゥサオールは魔界でもトップクラスの邪神であり、その強さは天界にも鳴り響いています。そればかりか、メドゥサオールには魔界の切込み隊長と呼ばれるほど凄腕の参謀セルペンテがいますし、さらには3人の魔将軍がおります。つまり勇者シャムたちがいかに屈強であっても彼らに敗北を喫するおそれがあり……」
シャム「おいおい、ガーゴイルさんよ。よ~く聞いてたら、何だよ。まるでおいらたちがメドゥサオールたちに勝てないみたいじゃん~」
ガーゴイル「いやいや、決してそう意味ではなくて……」

 いきなりマリアが意を決したように顔を上げた。

マリア「シャム……ガーゴイル……」
シャム「ん?」
ガーゴイル「はい、マリア様」
マリア「魔物討伐隊として神から選ばれしシャムとその仲間たちは地上界ではおそらく最強だと思います。しかし、ガーゴイルが言うことももっともだと思います。そこで……シャムたちともに私が行くことにします」
ガーゴイル「えっ……マリア様ご自身が!? しかしマリア様は神から神殿の守護を命じられた御身です。神との約束を破ってもよろしいのでしょうか?」
マリア「確かにペルセ神殿の守護は大切なお役目です。しかし今、地上界は混沌に満ち、滅亡の危機を迎えようとしています。そんな時に魔物打倒に立ち向かったとして、はたして神がお怒りになられるでしょうか。もしもお怒りになられて私に天罰がくだったとしても私は構いません。今、勇者シャムたちとともに魔物と戦うことこそ、神の最も望まれることであると私は信じています」

 マリアは語り終えると、厳しい表情で立ち上がった。

ガーゴイル「マリア様の熱い想いが心に突き刺さりました」
マリア「私が留守の間、この神殿の守護を頼みますよ。なお門番はあなたの弟に任せたいと思いますが、いかがですか?」
ガーゴイル「マリア様不在中、大役ではありますが私が代理人としてこの神殿をお守りいたします。門番の件は弟に伝えておきます。マリア様におかれましては心置きなく魔物打倒にご尽力ください」
マリア「ありがとう、ガーゴイル。では弟とともにこの神殿の守護をよろしく頼みましたよ」

 マリアがシャムたちの仲間に加わった!



第22章「ペルセ・クエスト」第6話

シャム「くほ~っ! 俄然チンヒールを掛けたくなって来たぞ」
マリア「何ですか? そのチン……何とやらは?」
シャム「えへへ、その件は今夜ゆっくりと説明するとして、マリアちゃんよろしくな~!」
イヴ「マリアちゃん? いくら仲間になったからといっても急に馴れ馴れし過ぎるんじゃない? かりそめにも聖女様だよ」
マリア「いいではありませんか。仲間に『様』付けで呼ぶ方がむしろ変だと思いますよ。皆さんも仲良くしてくださいね」
チルチル「わ~い! マリア様が仲間になったでピョン♫」
アリサ「にゃう~ん、嬉しいにゃんにゃんにゃんんんん」
ウチャギーナ「マリアさん、どうぞよろしくね」
マリア「私のほうこそよろしく頼みます」

 エリカがマリアの職種についてたずねた。

エリカ「ところでマリア様……ではなくて、マリアさんはどんな武器を使うのですか?」
マリア「私の武器は杖だけなんです。しかも重い防具は装備できないのです」
エリカ「では魔導師ですか?」
マリア「いいえ、魔導師ではありません。魔法は治療系の魔法しか使えません。あまり役に立てなくてごめんなさいね」
イヴ「そんなことはないわ。メンバーで白魔法を使えるのはエリカさんと私だけなので、マリアさんが仲間に加わってくれると、エリカさんは黒魔法に専念できるし、私も攻撃に参加できます。つまりこのメンバーに真の『プリースト(僧侶)』がいなかったのでマリアさんが加わってくれると大助かりだわ」
キュー「同感だわ。治療専門の仲間がいると前陣の戦士も心置きなく戦えるので、すごく安心です」
ウチャギーナ「よし、思う存分戦えるぞ!」
ペペ「すごい気合ですね」

 メンバーからシシが去ったものの、それに代わって黒魔導師ウチャギーナと聖女マリアがメンバーに2枚加わったことでメンバーに一段と厚みがぐっと増した。

 戦力が強化されたことを喜ぶ仲間たちであったが、1人だけ浮かない表情の人物がいた。
 それはシャムであった。

ウチャギーナ「どうしたの、シャム? しょんぼりして」
シャム「だって治療のエキスパートが現れたんだから、おいらの役目がなくなるのではと……」
アリサ「にゃんにゃん~、そんなことないよ。アリサはチンヒールの治療が一番好きだからねええええ」
ウチャギーナ「ゴホン、私はまだチンヒールの経験がないので何ともいえないなあ」
キュー「ウチャギーナちゃん、早く試さなくては」
ウチャギーナ「や~ん、エッチ~」

 マリアは会話の意味が飲み込めず当惑している。

シャム「さあ『鏡の盾』の次はユマ姫を探しに行くぞ~!」
チルチル「えっ? 探すと言ってもどこにいるのか分からないでピョン♫」
シャム「ペルセ島のどこかに囚われているはずだ」
シャルル「一口にペルセ島といっても結構広いぞ。やみくもに探してもなあ」
マリア「ユマ姫? ほかにもまだ仲間がいるのですか?」

 仲間になったマリアには伝えておくべきだろう。
 イヴは、魔物が各地を荒らしまわっておりその元凶を討伐すべきこと、ムーンサルト城が魔物によって落城しユマ姫が連れ去られたこと、そのユマ姫を救出すべきこと等、旅の主な目的を詳しく語った。
 話を聞き終えたマリアは深くうなづいた。

マリア「なるほど、そうでしたか。きっとゼウス様は救世を勇者シャムに託されたのだと思います。そして勇者シャムとともに戦う皆さんは偶然勇者シャムと出会ったのではなく、すべてゼウス様のお導きだと思います」
イヴ「つまり偶然ではなく必然だと?」
マリア「はい、そうです。もちろん私が仲間になったこともゼウス様のご意思だと思います」
ウチャギーナ「そうなんだ。私たちってすごい星の下に生まれたのね」
アリサ「にゃご~、シャムと出会ったのは運命だったんだ。ルンルンするなああああ」

 何か決心したような鋭い眼差しで遠くを見つめるマリア。

マリア「メデューサを倒すことも重要ですが、私も勇者シャムと同様にユマ姫を救出することが先決だと思います」
シャム「おお、マリアも賛成してくれたか、じゃあユマ姫探しで決まりだ! マリアはユマ姫のこと、何か聞いてないか?」
マリア「この神殿からずっと北へ行くと『クリトビスの塔』と呼ばれる塔があるのですが……」
シャム「クリトリスの塔だって!? 早く行こう~~~! はぁはぁはぁ!」

 マリアは頬を赤らめながら困惑したような目つきでつぶやいた。

マリア「いいえ、『クリトビスの塔』です……」
イヴ「シャム~、耳の穴をよ~くほじって聞こうね~。クリトビスよ、クリトビス! いやん、語呂が何かとよく似てて言ってる私までが恥ずかしくなって来たわ……」
シャム「分かったから耳元で大声出すのはやめてくれ。ああ、耳が潰れそうだ」
マリア「数か月ほど経つでしょうか。エルフ村の住人から美しい姫が塔の中に連れて行かれるのを見たという話を聞いたことがあります。エルフ族は争いを好まず平和に暮らす種族ですから、火種になると困るのでそれ以上探ろうとはしなかったようです。争いに巻き込まれるのを怖れたのだと思います」
キュー「ユマ姫が塔の中に連れて行かれたって? じゃあ早く助けに行かなくては」
マリア「でもその美しい姫がユマ姫かどうかは分かりません。むやみに塔に入るのはいかがなものでしょうか。ここはもう少し情報を集めた方が賢明だと思いますが」
エリカ「賛成です。ユマ姫に危害が及ぶといけないのでもう少し調査した方が良いと思います」
ウチャギーナ「ユマ姫を見たと言うエルフに会いに行くのはどう?」
ペペ「いいですね」
マリア「じゃあ、先ずエルフ村に行きましょうか」
アリサ「にゃんにゃん~、エルフ村に行って美味しいもの食べよおおおお」
シャム「そういえばおいらもペコペコだ~」
マリア「では神殿で少し腹ごしらえをしてから出掛けることにしましょう。そうそう、皆さんにいい物を差し上げましょう」
一同「……?」

 マリアが手を叩くと、侍女のエンジェルが大きな箱を運んできた。

マリア「女性のみなさんには東洋伝来の『絹の白ショーツ』を差し上げます」
イヴ、アリサ、キュー、ウチャギーナ、エリカ、チルチル「わ~い、嬉しい!」
マリア「まだ見ぬユマ姫の分も入れておきますね」
シャム「で、男は?」
マリア「男性のみなさんには東洋伝来の『センブリドリンク』を差し上げます」
シャルル「なんだ?それは……」

 イヴ、アリサ、キュー、ウチャギーナ、エリカ、チルチルは『絹のショーツ』を手に入れた! 着用すると速さが10アップした!
 シャム、シャルル、ペペは『センブリドリンク』を手に入れた! 飲むと力がみなぎってきた! パワーが10アップした!

シャルル「苦い!」
ペペ「ゲボッ……強烈に苦いですね……」
シャム「これってもしかしら精力剤か……? 何か下腹部に異変が……」
マリア「勇者シャムだけ違う箇所がパワーアップしたかもしれませんね。オホホホ」

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