ファンタジー官能小説『セクスカリバー』

Shyrock 作



<第12章「ペルセ海峡」目次>

第12章「ペルセ海峡」 第1話
第12章「ペルセ海峡」 第2話
第12章「ペルセ海峡」 第3話
第12章「ペルセ海峡」 第4話
第12章「ペルセ海峡」 第5話
第12章「ペルセ海峡」 第6話
第12章「ペルセ海峡」 第7話
第12章「ペルセ海峡」 第8話
第12章「ペルセ海峡」 第9話
第12章「ペルセ海峡」 第10話



<メンバーの現在の体力>
シャム 勇者 HP 310/320 MP 0/0
イヴ 神官 HP 250/260 MP 240/250
モエモエ 魔導師 HP 200/210 MP 260/270
エリカ ウンディーネ女王 HP200/210 MP 280/290
ヒトミ 踊り子 HP 270/280 MP 0/0
スンダーラ ゴブリン族長 HP270/280 MP 90/90
チルチル 街少女 HP 140/140 MP 0/0
シャルル 漁師・レジスタンス運動指導者 HP350/360 MP0/0

アリサ 猫耳 HP 140/280 MP 0/0
シシ・フリューゲル 女海賊 HP150/300 MP0/0

⚔⚔⚔

第12章「ペルセ海峡」 第1話

 シャム、シャルル、ズンダーラが先陣を切り、ジャノバ兵を倒しながらアリサの捜索とシシの救出を目論む。
 二番手にはヒトミとイヴがつづき、エリカ、モエモエ、チルチルの三人が後方から援護する。
 また、シャルルの仲間であるレジスタンス軍も女性陣を守るように周囲を囲み、襲い来るジャノバ兵と激しく火花を散らす。

エリカ「久しぶりに水の魔法を使ってみます! 聖なる水の力よ! イル・ポテーレ・デルアクア・サンタ・グアリス・レ・フェリーテ!」
兵士「げっ! 水流が矢のようになって襲って来たぞ! うわあ~~~~~!!」

 エリカが呪文を唱えると、空気中の水分が一気に凝縮し大きな水流となってジャノバ兵を襲い海原に葬り去ってしまった。
 それを見たジャノバ兵は恐怖におののいている。

ヒトミ「今度は私が相手よ~! 必殺技をお見舞いしようかな? 秘技『フォールディングファン・キック』!」

 ヒトミは高く舞い上がると両脚を扇のように大きく開いた。
 その刹那踊り子の服の裾から覗いた純白のショーツにくっきりと浮かんだ縦線に目が止まった。

「おおっ! これは絶景だ!」

 ジャノバ兵にとってその刺激的な光景が冥途の土産となってしまった。
 強烈なハイキックを顔面に受け甲板に倒れ込んだジャノバ兵はついに起き上がることがなかった。

 シャムたちの弱点を突こうとした1人のジャノバ兵が、レジスタンス軍の隙間を狙ってチルチルに奇襲をかける。

ジャノバ兵「小娘から順番にあの世に送ってやる! 死ね~~~!」
チルチル「wわわわわわ~!」

 敏捷性に富んだチルチルはピョンと高く跳びあがってソードをかわすと、下りると同時に棍棒で兵士の頭を思い切り叩いた。

ジャノバ兵「ぎゃふん!」

 打ち所が悪かったようでジャノバ兵は口から泡を吹いて失神してしまった。

チルチル「wほっ! どんなもんだい♫」
シャム「チルチル、なかなかやるじゃないか! まるでウサギみたいだ! でも棍棒じゃ相手に致命傷を負わすことはできないぞ。ここはあまり無理をしないでおいらのそばにいるんだぞ! いいな」
チルチル「うん、分かったでピョン……wえっ!? シャムっ、敵が襲ってきたよ!」
シャム「なんの! どりゃあああ~~~!」
ジャノバ兵「ぐわぁ~~~!」
チルチル「wわ~い! さすがシャム、カッコいい~♫」

チルチルをシャムと二人で囲むようにズンダーラがやってきた。

ズンダーラ「ねえ、チルチルさん、私の剣さばきも格好良かったでしょう?」
チルチル「ん? 見てなかったのぉ……ごめんね」
ズンダーラ「クスン……」

 ズンダーラはがっくりと肩を落とした。

イヴ「アリサちゃん! どこにいるの? 早く助けなくては!」
モエモエ「たぶん船底だと思うの。探しに行こうよ! イヴさん」
レジタンス軍「俺たちもお供しますよ~! こんな美女たちといっしょなら例え火の中水の中~なんてね。さあ、行きましょう!」
イヴ「ありがとう! 心強いわ!」
モエモエ「よろしく頼むにゃん♪」

 イヴとモエモエがレジスタンス軍2人をともなって船底に向かおうとしたが、行く手を阻むように敵兵が現われる。

イヴ「あなたたち! アリサちゃんの居場所を知ってるでしょ!?」
ジャノバ兵「そんなこと知らねえな~! これでも食らえ!」

 ジャノバ兵が槍を突いて来たが、イヴは軽くかわすと敵の胸元に神官の剣を突き込んだ。

ジャノバ兵「ぐわ~~っ!」
ジャノバ兵「今度は俺たちが相手だ! 覚悟しろ、きれいなお嬢さんたちよ! それっ!」

モエモエ「セクツシヤモヲクア オノホイカアロエモロエモ! ファイア・ストーム!!」

 モエモエが呪文を唱えると手のひらから赤い火の玉が発射され、たちまちジャノバ兵が火に包まれた。

兵士「あちちちち~~~!!」
イヴ「魔法に一段と磨きが掛かってきたみたいね、モエモエちゃん!」
モエモエ「イヴさんの剣の腕前は戦士顔負けだね~♪」
イヴ「さあ、急ぎましょう!」
モエモエ「アリサちゃん!無事であってね♪」

 一方甲板では、シャムやシャルルが敵を倒しながら、ようやくシシが磔にされているマストの真下に辿りついた。
 いつの間にかシシの拘束場所はマストの上へと移動している。シシの場所まで優に8メートルはあると思われる。
 敵に襲われた際、容易に救出できないよう急いで上に移動させたのだろう。
 シャムは全裸で磔にされているシシを見上げて、鼻の下を伸ばしている。

シャム「うひょ~! こりゃ見晴らし最高~! 裸の女の子を真下から見上げるのもいいもんだな~! 割れ目ちゃんがバッチリじゃん!」
シシ「キャッ! スケベッ! あんたは誰!? 見上げて涎を垂らしている暇があったら、早く助けに来たらどうなの?」
シャルル「あんたがかの有名な女海賊シシか?」
シシ「有名かどうかは知らないけど、私がシシよ。あんたは?」
シャルル「俺はシャルルだ」
シャム「おいらはシャム」
シシ「シャルル? もしかしてレジスタンス軍指導者のシャルル?」
シャルル「知ってるのか? 光栄だぜ! あんたは海賊で俺はレジスタンス軍と立場は違うが、ジャノバの悪政を憎むことでは一致している。ここはお互い協力し合って戦おうぜ!」
シシ「望むところだわ!」
シャム「あのぅ……おいら、シャムというんだけど……」
シシ「あら、そう」
シャム「なんだかなあ。あのぉ、おいらには何も聞いてくれないの?」
シシ「そんなことより早くここから下ろしてよ! あんたたち!」
シャルル「心配するな! すぐ助けに行くぜ!」
シャム「助けるのはやぶさかではないんだけど、何だかなあ……」
シャルル「シャム、何をいじけてるんだよ。勇者らしくないぞ。一刻も早くシシを助けてやろうじゃないか!」
シャム「うん、それが先決だな! よし、シシ、待ってろよ~! おいらが助けてやるからな~! だけどマストの上に登るための縄梯子が切り落とされていて簡単にはいかないぞ。でもシシがすごく美人なので、おいらが必ず助けてあげます~!」
シャルル「あのな、シャム。この状況で、美人かどうかっていうのは、救出の判断材料にならないと思うんだけどなあ」
シャム「いやあ、なると思うんだけどなあ」
シャルル「チェッ、勝手にしろ」
ヒトミ「ちょっと待って、シャム。私が登るわ。素軽さならシャムより私の方が上だからね。途中敵が攻撃してきたら応援頼むね!」
シャム「援護は任せておけ! ヒトミ、気を付けてな!」



第12章「ペルセ海峡」 第2話

 はんとう棒を登る子供のようにスルスルとマストを登っていくヒトミ。

シャム「ほほう~! パンツが丸見えだ~!」
ズンダーラ「シャムどの! 今はスカートの中を覗いているときでありませんぞ! それより、またもや敵兵に取り囲まれましたぞ!」

 ジャノバの槍兵と弓兵の一団がシャムたちに攻撃を仕掛けてきた。
 迎え撃つのは、シャムのほか、シャルル、ズンダーラ、エリカ、チルチルたち5人だ。

ジャノバ弓兵「これでも食らえ~!」

 貨物の陰からジャノバ弓兵隊が矢を数本放つ。
 先頭のシャムは矢をかわすも、運悪くそのうちの1本が左上腕部をとらえた。

シャム「うぐっ!」

 うずくまるシャムに容赦なくジャノバ兵の槍が襲いかかる。

ジャノバ兵「死ね~~~!」
 
 紫電一閃、振り下ろされたソードは敵の槍を真っ二つにし、槍兵をも切り倒した。

ジャノバ兵「ぐわあ~~!」
チルチル「きゃあ~、大変っ! シャムがやられた!」
シャルル「シャム! 大丈夫かっ!? おのれ~~~ジャノバ兵め!!」

 シャルルは弓兵の元に走り寄り弓もろとも叩き切る。

ジャノバ弓兵「ぎゃあ~!!」
チルチル「シャム~~~! 死なないで~~~!」

 シャムの腕からポタポタと血が滴り落ち、甲板に赤い斑点を作った。
 チルチルは自身の衣服を引き裂きシャムの腕に巻きつけ止血する。

シャム「チルチル……おまえ、気が利くなあ……ううう……」
エリカ「シャム、しっかりして! すぐにヒール魔法を掛けますからね!」
シャム「うう……エリカ……頼む……」
エリカ「ウンディネス、ウンディネス、ポテンザ・アクア~~~!」

 エリカが呪文を唱えると、空気中に白い霧が現れシャムの身体を包み込む。
 まもなく白い霧が晴れるとシャムの傷が回復しみるみるうちに血色が戻っていった。

シャム「エリカ、すまない、助かったよ。それにチルチルもありがとな!」

 一方、シシ救出のためマストによじ登ったヒトミはようやくシシの足元付近まで近づいていた。

「シシさん……だよね? もうすぐ助けるからね! がんばって!」
「うう……ありがとう……あんた、名前は何というの?」
「私は踊り子のヒトミ! よろしくね!」
「あたしの方こそよろしくね」

 ヒトミがシシと会話を交わしている頃、彼女の背後に数本の触手が気配を消して忍び寄っていた。
 上だけを見つめ懸命に登っていたため自身の背後の異変には全く気づかない。
 マストの直下にいるシャムたちも敵の猛襲を受け必死に戦っているので、ヒトミたちに注意をはらう余裕がない。

 ヒトミに忍び寄る触手を最初に発見したのはシシであった。

シシ「あっ、ヒトミちゃん! 後ろから変なやつが近づいてるよ! 気をつけて!」
ヒトミ「ええっ! なんだって!? きゃあ~~~~~!」

 ヒトミが振り返ったときはすでに遅かった。
 数本の触手が下半身に巻きつき、そのうちの1本が鎌首をもたげショーツの中に潜り込もうとしている。

ヒトミ「きゃあ~~~! エッチ~~~! 気持ち悪いのが入って来たよ~! やだあ~~~!!
シシ「ヒトミちゃん、がんばって! せめてこのロープが解けたらいいのに」

 ヒトミは身体を支えるため両脚をマストに巻き付けているため閉じることができない。
 つまり尻を突き出した無防備な格好であるため、容易に触手に侵入されてしまった。
 奇怪にうごめきながら花園をうかがう触手。

ヒトミ「やだよ~~~! ヌメヌメした気持ち悪いものが割れ目に食い込んで来たよ~~~! きしょいよ~~~!」

 グチョグチョと淫靡な音がシシの耳に届いたがどうすることもできない。

ヒトミ「ぎゃあ~~~~~~! いやあ~~~~~~!」

 応戦したくても、マストに掴まっていて両手両足が使えないため手の打ちようがない。
 もし手足をマストから放せば、落下して甲板に叩きつけられてしまう。
 ヒトミの位置から床まで約6メートルあるが、ヒトミの身の軽さからすれば着地は決して困難ではないだろう。
 しかし真下ではシャムたちとジャノバ国が激しく攻防を繰広げており、落下した場合槍や剣の餌食になる可能性も十分考えられる。
 そのため飛び降りることもためらわれるヒトミであった。

 向かってくる敵を倒し小康状態になったとき、エリカがマストを見上げて叫んだ。

エリカ「シャムさん、大変です! 上を見てください! ヒトミちゃんの大事な場所に触手のようなものが侵入しています! 早く助けてあげなければなりません!」
シャム「ありゃ? ヒトミがニョロニョロしたやつにチンヒールをかけてもらってるのか?」
ズンダーラ「シャムどの。あれはチンヒールではないですよ!」
シャム「違うの? じゃあ、なんなの?」
ズンダーラ「あれは淫獣というエロい生物です。淫獣は女性のアソコが大好きなんです」
シャム「なんと! 女性のアソコが大好きならおいらといっしょじゃないか」
エリカ「かなり違うような気がしますが……。などと言っている場合ですか! 一刻も早く助けてあげないと大変なことになるわ!」
チルチル「ヒトミちゃ~ん! がんばって~~~!」



第12章「ペルセ海峡」 第3話

シャム「ヒトミ~~~! 耐えるんだぞ~~~! すぐに助けに行くからな~!」
シャルル「むむ! あの触手は大臣に成りすましたブラックシェイドだな。あの悪党め! 戦闘中なのに女蜜を吸って体力を増強するとは! 何と卑劣なやつだ!」

 マストの上では、間近で陵辱されているヒトミを助けることもできず、口惜しさに唇を震わせるシシ。

シシ「くっ、悔しい……。ヒトミちゃん、耐えるよの! そんなエロい魔物に負けちゃダメだよ!」
ヒトミ「あぁ……ああぁ~……シシさん……わ、わたし、もうダメだぁ……中を擦られてすごい気持ちになってるの……あっ、あっ……やだあ~……やめてよ~~~っ!」
シシ「ダメよ! 絶対にイッちゃダメだよ! イッてしまったら手足の力が抜けて、甲板に真っ逆さまに落ちてしまうからね! がんばるのよ!」
ヒトミ「うっうっうっ……私、がんばる……でも、でも、あああ~~~! そ、そんなに擦らないでよ~~~っ!」

 シシとヒトミを救出しようとして、レジスタンス軍と海賊の男たちがブラックシェイドとカノープスに戦いを挑むが、力の差は歴然でブラックシェイドたちにかすり傷一つ負わせることもできず屍を築いていく。

海賊D「カノープス! この裏切り者め!」
カノープス「ふん、おめえたちもいつまでもあんなとんまな首領の下で働いてねえで、ジャノバ国に食わせてもらったらどうだ? もっぱらおめえたちの腕なら無理かも知れねえがな!」
海賊D「言わせておけばいい気になりやがって!これでも食らえ!」

 鋭いアックスを軽くかわしたカノープスのソードは海賊の喉元を突き刺した。

海賊D「ぐわぁ~~~!!」
カノープス「ふん!俺様に敵うとでも思っているのか! それにしても大臣は余裕ですな~。小娘をいたぶりながらでも次々と敵をなぎ倒していくとは!」

ブラックシェイド「ふっふっふ、この程度の雑兵どもなら容易いことよ」
カノープス「で、小娘の蜜の味はどんなもんで?」
ブラックシェイド「ふっふっふ、なかなか美味じゃ」
カノープス「ブラックシェイド様にとって、女の蜜はエネルギーになるんでしょ?」
ブラックシェイド「そのとおりだ。我々淫獣は美女の蜜を飲んで生き長らえておる。たとえ怪我をしても女の蜜を少し啜ればすぐに元気さを取り戻せる。ふっふっふ、羨ましいか?」
カノープス「それは羨ましい限りで。俺たち人間の男が吸っても体力は全然増えねえのになあ。さて、そんじゃ今から勇者などと呼ばれて調子に乗ってやがる小僧を片付けて来ますぜ! ブラックシェイド様は少女の蜜をたらふく吸いながら高みの見物でもしててくださいな~。俺が小僧の首を取ってくる頃は、少女も吸われ過ぎて干からびてミイラみたいになってしまってるのでは?」
ブラックシェイド「カノープス、小僧とはいってもシャムという男を甘く見ると痛い目に遭うぞ。心して掛かるように」
カノープス「がっはっはっは~! そんな心配はご無用。あんな小僧なんて造作もねえですよ。では!」

 ヒトミとシシを救うためには何が何でもブラックシェイドを倒さなければならない。
 シャムたちがブラックシェイドに刃を向けると、そこにカノープスと数人のジャノバ兵に躍り出た。

カノープス「おおっと、ここからは通さねえぜ! 大臣は今お宅のお嬢さんの賞味中なんだよな。代わりにこのカノープス様がおめえたちの相手をしてやるぜ!」

シャルル「確かおまえは女海賊シシの片腕だった男。裏切ったな?」
カノープス「がっはっはっは~! 裏切ったとは人聞きが悪いな。転職したといっておこうかな?」
シャム「くだらんことを言ってないで早くそこを退け!」
カノープス「断る。どうしてもあの小娘を助けたければ俺を倒してから行きな。おまえの腕では俺様を倒すのは無理だろうけど」
シャム「無理かどうかこのソードを受けてみろ! とりゃ~~~!」
カノープス「なんの!」

 シャムの突きをカノープスは苦もなく受け止め、カノープスの鋭い切り込みもさらりとかわすシャム。
 お互いに一歩も譲らずにらみ合っている。

シャム「カノープスはおいらが引き受けるから、みんなは早くヒトミとシシを助けてやってくれ!」
エリカ「分かったわ! じゃあ、私はあのブラックシェイドをやっつけます!」
シャム「シャルル、ズンダーラ! おまえたちはエリカを援護してやってくれ! チルチル、おまえはおいらのそばにいろ!」
シャルル「シャム、じゃあここは任せたぞ!」
ズンダーラ「私もエリカ殿とともに戦います! ここは頼みましたぞ!」
チルチル「私はシャムといっしょに戦うもんね~♫」
カノープス「くっ! ジャノバ兵たちよ、大臣を援護してくれ~!」

ジャノバ兵「死ね!」
エリカ「私をただの魔法使いと思っているのですか? こんなこともできるのですよ!」

 エリカが頭上で湖水の杖を回転させると水のバリアが生じた。

ジャノバ兵「なんだ、こりゃっ! ソードが水の膜に跳ね返されてしまう!?」
シャルル「俺を忘れちゃ困るな~! おまえたちの敵はこの美人のお姉さんだけじゃないんだぜ!」

 シャルルのソードがジャノバ兵を貫く。

ジャノバ兵「ぐゎぁ~~~っ!」
ズンダーラ「それっ!」
ジャノバ兵「ぎゃぁ~~~!」
エリカ「さあ、早く助けに行きましょう!」

カノープス「くそ! 頼りにならない兵士どもめ。しかしおまえの仲間たちがいくら束になっても大臣には勝てぬわ! シャム! おまえは俺が料理をしてやるからな!」
シャム「そう簡単においらを料理できるかな? とりゃ~!」
カノープス「ふん!」

 カキンという金属が鳴り響くが、波の音にかき消されてしまう。

カノープス「くっ、おめえガキだとばかり思ってたが結構やるじゃねえか! これでどうだ~~~!」
シャム「とりゃあ~~~!」

 シャムのソードが空間を駆け抜けた。

カノープス「なんのこれしきり!」
シャム「とりゃぁ~~~!」



第12章「ペルセ海峡」 第4話

 甲板で激しい戦いが繰り広げられている頃、船底に囚われていたアリサと二人の少女はイヴとモエモエたちに無事救出されていた。
 アリサたちは少し衰弱していたが、イヴのヒール魔法と薬草の効果で今はすっかり元気さを取り戻している。

アリサ「にゃんにゃん~、イヴさん、モエモエちゃん、助けてくれてありがとおおおお~!」
ポニーテールの少女「まさか皆さんが来てくれるとは夢にも思っていませんでした! 私たちを助けてくれてありがとうございます! 辛い気持ちはアリサちゃんの明るさに励まされて何とか耐えられました!」
イヴ「みんな、とにかく無事で良かったわ」
モエモエ「久しぶりだね、アリサちゃん、また会えて嬉しいよ♪」
アリサ「モエモエちゃんに助けてもらうのは2度目だねええええ」
モエモエ「ドンマラの洞窟以来だね~。あっ! それはそうとアリサちゃん、全裸じゃないの!」
アリサ「プンニャンプンニャン! 捕まって服を全部脱がされてずっと裸だったのおおおお。ハ、ハ……ハクション!」
イヴ「道理で応援してくれたレジタンス軍の男性たちが遠慮してこっちに来ないと思っていたよ。裸のままじゃ拙いからせめてパンツぐらい穿いたらどうなの?」
アリサ「うん、でも番兵に奪われてしまったの。奪ったあと頭に被ったりしてふざけていたけど、どこに行ったのか分からないの。ねえ、イヴさんさんかモエモエちゃん? どちらかパンツを貸してくれない?」
モエモエ「私、パンツ貸すのはいやだよ~。お母さんがお金とパンツは絶対に人に貸してはダメって言ってたもん♪」
イヴ「鞄に穿き替えのショーツが入っているので、あとで貸してあげるよ」

 その時、裸の少女たちがいるため接近することを差し控えていたレジスタンス軍の若い兵士が興味深いことを口にした。

レジスタンス軍の若い兵士「船底に宝箱があったので開けてみたら、なんと『水兵のデカパン』が10枚入っていました。男物ですが使いますか?」

 両手で胸を当てがいながらアリサが即答した。

アリサ「男物でも何でもいいから早く欲しいよおおおお!」
ショートカットの少女「あのぉ、それって新品ですか……?」
レジスタンス軍の若い兵士「はい、一応新品のようですがそちらにお持ちしましょうか?」
ポニーテールの少女「はい、お願いします。3人とも素っ裸なので、悪いけど目を瞑って持ってきてもらえませんか」
レジスタンス軍の若い兵士「あ……はい……分かりました」

 レジスタンス軍の兵士はきまり悪そうに返事をすると、左手で目を押さえ右手に『水兵のデカパン』を持ちアリサたちに手渡した。

アリサ「あっ!指の間から目が見えた! レジスタンスさん、目を開けてるうううう!」
レジスタンス軍の若い兵士「いえっ!僕は決して目なんか開けてません!」
アリサ「いいえ、開けてたああああ」
イヴ「まあまあ、いいじゃないの。皆さん、アリサちゃんたちの救出のためにがんばってくれたんだから。ねっ、アリサちゃん?」

 イヴがアリサをなだめる。

アリサ「うん、分かったああああ。そうだ! いっしょに捕まっていた仲間を紹介するねええええ。このポニーの子が……」
イヴ「紹介は後でいいわ。上でシャムたちが戦っているので応援に行かなくては! アリサちゃん、戦える?」
アリサ「にゃあ~! 任せておいてええええ! 私、パワーアップしたのおおおお! あのエロい触手怪物をやっつけてやるうううう!」
モエモエ「エロい? 触手? 何のこと?」
アリサ「サンジェルマン大臣とか言ってたけど、本当は淫獣なのおおおお。みんなも気をつけてねええええ」
イヴ「その前に、早くパンツを穿かないと」
アリサ「あ!そうだった!」

 アリサと少女たちは『水兵のデカパン』を穿いた。
 サイズがかなり大きめなので足ぐりの部分が大きく開いてしまっている。

 アリサと二人の少女は防御力が10アップした!スピードが5増した!

アリサ「まあ、何も穿かないよりましか」
ポニーテールの少女「こんなデカパンでも何も穿かないよりはましだよ」
ショートカットの少女「私たちもいっしょに戦うわ」
アリサ「あなたたちは私の後ろにいて。無理しちゃだめええええ」
モエモエ「じゃあ、急ぎましょう!」

⚔⚔⚔

ズンダーラ「貴様がニセの大臣ブラックシェイドか!? 正義の刃を受けて見ろ~! え~い!!」
ブラックシェイド「ふん、ゴブリンか? おまえなどにこの私が倒せるものか! 愚か者め~! 死ね~っ!!」

 ブラックシェイドの放った触手は鞭のようにしなり、ズンダーラを甲板に叩きつけた。

ズンダーラ「うわ~っ!」
エリカ「あ、族長! しっかりして! ウンディネス、ウンディネス、ポテンザ・アクア~~~!」

 白い霧が現れズンダーラをやさしく包み込む。
 まもなくズンダーラのダメージが回復し元気さを取り戻した。

ブラックシェイド「ほほう、白魔法を使えるのか? ちょっとばかり面倒だな? ではおまえから死んでもらおうか? それっ!」
エリカ「きゃあ~~~!」



第12章「ペルセ海峡」 第5話

 数本の触手がエリカの胴体や手足に巻きつきグイグイと絞めつける。

エリカ「ううっ……く、苦しい……」
シャルル「エリカ! 大丈夫か!? このジャノバの疫病神め! 俺のソードを食らってみろ!」
ブラックシェイド「うぎゃ~~~!」

 シャルルのソードはエリカの胴体に巻きついた触手をとらえた。
 1本の触手がポタリと甲板に落ちる。

エリカ「ふう……シャルルさん、ありがとうございます……助かりました」
ブラックシェイド「くっくっくっ……シャルルというのか。見事な腕前だな、誉めてやるぞ。しかし、残念だが私の触手はいくら切り落としても、しばらくすると再生するんだよ。わっはっはっは~~~!」
シャルル「なに? 再生するのか? 少々厄介なやつだなあ。ではおまえの胴体はどうだ!? えい~~~っ!」
ブラックシェイド「ふん!甘いわ! シャァ~~~!」

 突然伸びた数本の触手はまるで生き物のようにシャルルの腕に絡みつき彼の自由を奪った。

シャルル「くそ! ソードが使えない!」
ブラックシェイド「では、そろそろ死んでもらおうか」

⚔⚔⚔

 イヴたちはアリサと二人の少女を船底から救い出し、戦闘の火花が散っている甲板へと躍り出た。

イヴ「うわっ! シャムたちが強そうなヤツと戦っているわ!」
モエモエ「その隣では身体から蛇が生えたような変な魔物とシャルルさんたちが戦っているよ!なんか苦戦しているみたい!」
アリサ「えっ、いったい何がどうなってるの!? マストの上では裸のお姉さんが縛られているし、その真下ではマストに掴まってる女の子がいやらしいことをされているよおおおお!」

 見知らぬ顔ぶれに戸惑いを見せるアリサ。

イヴ「むむ……どこから順番に応援をすればいいのやら?」
モエモエ「手分けをするのはどうかな?♪」

 カノープスと激しく戦闘を繰り広げているシャムが、イヴたちの姿を確認して大いに喜んだ。

シャム「おお~っ! アリサか~! 久しぶりだな~!」
アリサ「にゃんにゃんにゃん~! シャム~~~、会いたかったよおおおお~! 助けに来てくれてありがとおおおお~~~!」
チルチル「wわ~い♫ イヴさんとモエモエちゃんが戻ってきたので元気100倍だ~! 横にいる子が噂の猫の子なのかな?♫」
アリサ「猫の子じゃないよ~、私はネコ耳なのおおおお」

 アリサの帰還に喜びを隠しきれないシャム。
 そんな余裕を見せるシャムにカノープスは面白くないようだ。

カノープス「ふん、俺との戦いなどそっちのけでカワイ子ちゃんと会話をしやがって……」
シャム「忘れてはいないぞ。さあ再開だ!」

イヴ「シャム、手伝おうか?」
シャム「いや、ここはおいらとチルチルで充分だ! それよりマストの上にいる二人を早く助けてやってくれ! エリカ、シャルル、ズンダーラを応援してやってくれ!」
モエモエ「じゃあ、私たちは向こうへ行くよ!」
カノープス「ふんっ、俺もいたく安く見積もられたものだな~。後でほえ面をかくなよ! 死ね~~~!」
シャム「なんの!」

アリサ「それじゃ、私がマストに登って二人を助けるよおおおお! でも水兵のデカパンなので隙間からアソコを見られない?」
イヴ「今はそんなことを言っている場合じゃないよ~! 早く助けてあげて!」
アリサ「そうだね、じゃあ行くねええええ~!」
モエモエ「頼むね、アリサちゃん♪ 触手が接近したら私が魔法でやっつけるから安心してにゃん♪」

 その頃、ブラックシェイドと激戦を繰り広げるエリカたちはかなりの苦戦を強いられていた。
 シャルルとズンダーラのソードが彼をとらえかけても、触手が鞭のように唸りをあげてなぎ倒されてしまう。
 エリカもヒール魔法を掛けたり薬草を手渡したりと忙しく、なかなか攻撃にまで手が廻らない。
 MPの消耗も激しく法力草を食べても追いつかない程だ。

エリカ「ああ、困った。法力草が底を尽いてきたわ。かといって青キノコを使ってMPを回復する余裕なんてないし」

 そんな苦境の最中、救世主のように現われたのがイヴとモエモエであった。

イヴ「エリカさん! ヒール魔法は私に任せておいて~!」
エリカ「まあ、イヴさんとモエモエちゃんが戻ってきてくれたのですね! MPが減ってしまって困っていたところなのでとても心強いです!」
イヴ「ヒール魔法は私に任せて! エリカさんは今のうちに青キノコを使ってMPを回復してね」
エリカ「おほほ、ちょっと恥かしいけど使ってみようかしら」

 エリカは貨物の陰でうずくまると、ポーチから青キノコを取り出した。

エリカ「皆さん、こちらを見ないでくださいね」
モエモエ「きっと大丈夫だと思うよ♪ シャルルやスンダーラも今見ている余裕なんてないと思うから♪」
エリカ「それもそうですね」

 恥じらいを見せながらも衣装の裾から青キノコをそっと挿し込むエリカ。

エリカ「あぁ……」

 顎をあげエリカの頬が官能的に上気していく。



第12章「ペルセ海峡」 第6話

 青い霧がエリカを包み込み、みるみるうちにMPが回復していった。

モエモエ「ブラックシェイド! ファイアストームであんたを焼き尽くしてあげるよ~! 覚悟しなさい~♪」
ブラックシェイド「ふん! 小賢しいわ! そんな魔法で私を倒せると思っているのか? 愚か者め!」
モエモエ「ダノスクツヤヲクア ヨオノホ! ファイアスト~ム!」

 呪文を唱えるモエモの手のひらに赤い炎が現れブラックシェイドに襲いかかる。
 ブラックシェイドの胸元から1本の触手が茎のように生え、蛇行しながらモエモエへと向かっていった。

⚔⚔⚔

 さすがに半猫族らしく俊敏な動きでマストを掛け上がっていくアリサ。

アリサ「にゃにゃにゃ~! すごくエロいことになってるうううう! 二人とも助けてあげたいけど、とりあえず先に触手に襲われている女の子から助けよう!」

 アリサはヒトミのショーツ内に食い込んでいる触手めがけてガブリと噛みついた。

ブラックシェイド「げぇ~~~!!」

 鋭い歯がいとも簡単に触手を噛み切ってしまった。
 対峙するモエモエに気を取られていたこともあって、アリサの存在に気づかなかったブラックシェイド。
 苦痛に顔が歪んでいる。

アリサ「もう大丈夫だよ! エッチな触手はやっつけたからねええええ」
ヒトミ「もしかして、あなたがアリサちゃんなの?」
アリサ「にゃんにゃん、そうだよお、私がアリサだよおおおお」
ヒトミ「私はヒトミ。助けてくれてありがとう。ずっとマストに掴まってたので握力がだんだん抜けていくし、アソコには気持ち悪いのが入ってくるし最悪だったわ」
アリサ「早く降りて下で治療してねええええ」
ヒトミ「でも、上にいるシシ船長を早く助けなくてはいけないの」
アリサ「にゃんにゃん、その身体じゃちょっと無理だよおおおお。あのお姉さんは私に任せておいてええええ」
ヒトミ「じゃあ、頼んでもいい?」
アリサ「うん、いいよおおおお」

 ヒトミが甲板に降り始めると、アリサは磔にされているシシの救出にとりかかった。

アリサ「にゃ~ん、女海賊のおね~さん、大丈夫? ロープを解いてあげるから待っててねええええ」
シシ「ありがとう……ふう、助かったよ。ところであなた名前は何というの?」
アリサ「私は、ネコ耳のアリサだよおおおお。以前、シャムといっしょに旅をしてたんだけど訳があってしばらく離れてたのおおおお」
シシ「そうなんだ。うふ、とても個性的な話し方をする可愛いネコ耳さんね?」
アリサ「わ~い! 誉めてくれてありがとおおおお!(ガリガリガリ!)」

 シシを束縛していたロープはアリサの鋭い歯で次々と解かれていく。

⚔⚔⚔

 宿敵ブラックシェイドと対峙するエリカたち。
 最初のうちは劣勢を強いられていたが、イヴとモエモエが加わると一気に戦力アップし、ほぼ互角に戦えるところまで漕ぎつけていた。
 前衛にはシャルルとズンダーラがソードを振るい、後方からはエリカとモエモエが魔法攻撃を仕掛けた。
 さらに最後方からは、負傷した戦士にヒール魔法を唱え援護した。

 底知れない体力を誇るブラックシェイドだが、エリカたちの度重なる攻撃の前に次第にHPを消失していった。
 ブラックシェイドの場合、ヒール魔法等の能力は備えていないが、それに代わる特殊な能力があった。
 それが触手による愛液吸蜜である。
 つまり女性の愛液を貪ることで自身の体力を回復するという実に不思議な能力を保持していた。
 そのため戦闘中であっても容赦なく女性に性的な攻撃を加えてくるのだ。

エリカ「不気味ですわ。太腿に巻き付いた触手がさらに上に這い上がって来ました! きゃあ~~~!」
モエモエ「いや~! どうして戦闘中に女の子の股間ばかりを狙うの!? 気持ち悪いよ~~~!」

シャルル「ど、どうしたんだ!? 触手から離れろ!」
イヴ「エリカさん、モエモエちゃん! 触手がいやらしいことをしようとしてるわ! 早く逃げて!」
ズンダーラ「淫獣と言うヤツは女性の愛液を飲むことで生きながらえていると聞いたことがありますぞ! 2人とも触手から早く逃げて下さい!」
エリカ「あああ~ダメなんです!逃げたくても逃げられないのです! いや~ん、ショーツの中に入ってきたわ!」
モエモエ「うわわわわ~! 割れ目をこじ開けてねっとりしたものが入ってきたよ~~~! ぎゃあ~~~!」

ブラックシェイド「ふっふっふっ、これは美味だ。女戦士が多いパーティーは栄養分の宝庫といえる。おまえたちと戦闘したお陰で消耗していた体力もかなり回復したぞ。触手でたっぷりと擦ってやるからたっぷり擦ってやるから感じまくっていっぱい愛蜜を溢れさせるのだぞ! これでどうだ~!」
エリカ「きゃあ~! どうしたのでしょう? だんだん力が抜けていく……ま、魔法が使えません!」
モエモエ「ひぃ~~~っ! や、やめてっ! そんなに擦るとイッちゃうじゃないの~!お願い、擦らないで!」

シャルル「く、くそ~! 女性たちに変なことはやめろ~! きえ~!」
ズンダーラ「今度こそこのソードで串刺しにしてやるわ~! え~い!」
ブラックシェイド「小賢しいヤツラめ! 男どもには用はないわ! それ~っ!」

 数本の触手がシャルルとズンダーラの胴体に巻きつきグイグイと締め上げていく。

シャルル「うぐぐ……苦しい……」
ズンダーラ「ううっ……息ができない……」



第12章「ペルセ海峡」 第7話

イヴ「大変だわ! みんなのHPがだんだん減っていってる! 白魔法ヒール~~~! もう1回、ヒール!」

 エリカのHPが50回復した。
 モエモエのHPが50回復した。

イヴ「ああ、これじゃ追っつかないわ! シャルル、ズンダーラ、薬草渡すよ~!」

 シャルルとズンダーラのHPがそれぞれ50回復した。

 その隣では、カノープスに対しシャムが一騎打ちを挑んでいた。
 シャムから後方で待機するように指示されたチルチルが棍棒を片手に声援を送っている。

カノープス「ふうふうふう、シャム、おまえ、思ったより強いな……。それよりピンクヘアの小娘が目障りなんだよ! お嬢ちゃん、おまえから先に始末してやるぜ! どりゃあ~!」

 シャムの後方を狙って廻りこんだカノープスのソードがチルチルを襲った。

シャム「危ないっ! チルチル、ジャンプするんだ!!」
チルチル「wわ~!」

 チルチルは高く跳び上がり辛くもカノープスのソードをかわした。
 その瞬間、ポーチに入れていた手鏡がポトリと落ちた。
 甲板に落ちた手鏡に太陽光が反射した。

カノープス「うっ、まぶしい……!」

 カノープスはほんの一瞬何も見えなくなってしまった。
 シャムはその瞬間を逃さなかった。

シャム「今だ! とりゃあ~~~!」
カノープス「うぎゃあ~~~!!」

 ソードはカノープスを捉え、絶叫とともに巨体は甲板に崩れ落ちた。

シャムたちは『望遠鏡』を手に入れた!
シャムたちは『ロードストーン』を手に入れた!

⚔⚔⚔

 ようやく自由の身になったシシが、マストの梁につかまり、下に飛び降りるチャンスを窺っていた。

シシ「うわ~、ブカブカだ~。これ、水夫のデカパンっていうの? アリサちゃん、ありがとう、助かったよ」
アリサ「ごめんにゃ。こんな男物しか用意できなくてええええ」
シシ「ううん、全裸より断然ましだよ。ところでアリサちゃん?」
アリサ「なに?」
シシ「みんな、あの触手野郎にかなり手を焼いているようね。アリサちゃんはソードを持っていない?」
アリサ「ソードは持っていないけど、ここに登ってくる途中で敵から奪った短剣ならあるよおおおお。一体どうするの?」
シシ「短剣で十分よ。実はね、さっきからずっと甲板の戦いを眺めているんだけど、みんなのソードや魔法は的確に触手野郎にヒットしているのよ。ところが触手は再生するようだしヤツの本体もあまりダメージを受けていないようなの」
アリサ「ええっ!? それじゃあの触手野郎は不死身ってことなのおおおお?」
シシ「不死身じゃないわ。どんな生物にも命がある。命には始まりがあって必ず終わりがある。あの触手野郎だって同じはずよ」
アリサ「でも魔界から来たらしいよ」
シシ「神様でもない限り無限の命なんてあり得ないわ」
アリサ「うんうん、なっとくうううう」
シシ「私、あの触手野郎の急所を見つけたのよ」
アリサ「いや~んんんん」

 アリサはそっと股間を押さえた。

シシ「うふ、その急所じゃないよ」
アリサ「違うの? ブラックシェイドの急所はどこおおおお?」
シシ「頭よ」
アリサ「どうして頭が急所って分かったのおおおお?」
シシ「みんなが攻撃を仕掛けた時、あの触手野郎は必ず使っていない触手を頭にあてがって防御しているのよ」
アリサ「じゃあ、下で戦っているモエモエちゃんたちはまだそれに気づいていないんだねええええ?」
シシ「おそらくね」
アリサ「じゃあ、私がみんなに教えてこようかああああ?」
シシ「それはダメ。みんなにアリサちゃんと会話をする余裕はないわ。このままじゃ消耗戦になってみんなが危険だわ。後方支援の女の子がヒール魔法を掛けてるようだけど魔力がなくなったら終わり……」
アリサ「それじゃ、一か八か私がジャンプ攻撃するうううう!」
シシ「いいえ、ここは私に任せておいて。こんなこと言っちゃ何だけどあなたはネコ耳、そして私は海賊。私の方が剣には慣れているはずよ」
アリサ「にゃんにゃん、確かにそうかも。でも気をつけて」
シシ「もしも私が失敗したら、たぶん……生きていないと思う」
アリサ「そんなああああ! 死んじゃダメだよ! きっと成功するよおおおお!」
シシ「それはやってみなければ分からないよ。もしも私がやられたら、アリサちゃん、あなたにブラックシェイド打倒を託したいの。だってヒトミちゃんも下に降りてしまってるし、触手野郎の頭を狙えるのは、この位置にいるアリサちゃんしかいないわ。頼んだからね、アリサちゃん」
アリサ「にゃん、分かったああああ。もしもシシさんが倒されたら私がブラックシェイドをやっつけるうううう!」
シシ「じゃあ、行くね!」
アリサ「にゃあ……シシさん、死なないで……きっと成功するよおおおお……」
シシ「アリサちゃん、さようなら!」

 シシはマストの上からブラックシェイド目掛けて飛び降りた。
 両手で短剣をしっかりと抱え、まるで飛込み競技の選手のように真っ逆さまに。

⚔⚔⚔

 触手を鞭のようにしならせ、甲板に倒れこんだシャルルとズンダーラに追撃を加え、エリカとモエモエには女蜜を狙った卑猥な攻撃を繰り返している。
 マストから降りて参戦したヒトミだが反撃を食らって気絶してしまったようだ。
 難敵カノープスを倒した後シャルルたちの応援に加わろうとしたシャムとチルチルは大勢のジャノバ兵に取り囲まれて仲間の元に辿り着けない。

シャルル「うぐぐ……くそっ……」
エリカ「ああ~、いや~ん! こんな触手にイカされるなんて嫌ですよ~! でもでもでも……あああ~!」
モエモエ「ひゃあ~、やめてよ~、そんなに吸わないで~~~!」
ズンダーラ「ううう……この命尽きてもヤツは必ず倒して見せる……だが立ち上がれない……ううっ……」
イヴ「あぁ、困ったわ……MPも薬草も底を尽いて来たし、かといって青キノコを注入している暇などないし。ここはもう私が直接攻撃をするしかないようね」

 イヴは腰に携えた神官の剣に手を添える。
 神官戦士としての誇りを胸に、命を賭しての聖戦に挑もうとしていた。

「神様、我に力を……、我に幸運を……」



第12章「ペルセ海峡」 第8話

 神官の剣を構えるイヴ。

(複数の相手と同時に戦えるブラックシェイドは恐るべき敵……しかし弱点は必ずあるはず。弱点がない魔物などあり得ないと父上が教えてくれた……やつの弱点はおそらく頭……)

 ブラックシェイドの頭部目掛けて一直線に突き進む。

ブッラックシェイド「おのれ! まだ来るか!? 食らえ!」

 触手がいち早くイヴの腕に絡みついた。

ブラックシェイド「ふっふっふ、また女戦士か? おまえの蜜もたっぷりと吸ってやるからな」
イヴ「は、放せ! うっ……腕の自由が奪われて剣が使えない」

 シュルシュルと音を立てて2本目の触手がイヴの太腿に絡みついたその瞬間、形勢を一気に逆転する出来事が起こった。

ブラックシェイド「ぐゎあ~~~~~!!」

 天から何者かが舞い降りて、鋭い刃でブラックシェイドの脳天をグサリと突き刺したのだ。
 ブラックシェイドの脳天からは緑色の血飛沫が溢れ出し、身体をブルブルと痙攣させている。
 懸命に堪えながら、最後の悪あがきとも言える触手攻撃を繰り出してきた。

ブラックシェイド「うぐぐ……よ、よくもこの私を……おまえたちも死ね~~~~~!」

 見事にブラックシェイドの脳天に短剣を突き立てたシシであったが、彼の頭上に逆立ちをしたような姿では触手攻撃をかわす事ができない。
 触手は鞭のようにしなりシシの身体を叩きつけた。

シシ「きゃあ~~~!!」

 激しく甲板に叩きつけられてしまったシシ。
 触手から解き放たれたシャルル、ズンダーラ、イヴが一斉にブラックシェイドに対して猛攻を仕掛ける。
 すでに深手を負ったブラックシェイドは攻撃から逃れることができず、断末魔の叫びとともに息絶えた。

シャムたちは『漆黒の爪』を手に入れた! 『漆黒の爪』はアリサが装備した! 攻撃力が10上がった!
シャムたちは『漆黒の盾』を手に入れた! 『漆黒の盾』はシャルルが装備した! シャルルの守備力が10上がった!

シャルル「シシ、だいじょうぶか!?」
イヴ「ヒールを掛けてあげたいけどMPがなくなったの……あぁ、困った」
エリカ「ごめんなさい。私もMPの残量がゼロになってしまって……青キノコでMPを補充して間に合うかしら……」

シャム「みんな、無事か~!?」
チルチル「かかってきた敵は全部やっつけたピョン♪」
イヴ「シャム、遅いじゃないの。難敵ブラックシェイドはシシさんが倒してくれたよ!」

 シャムたちをはじめシャルル率いるレジたタンス軍やシシ率いる海賊の一団は、武器を握った手を上げ勝利のかちどきを上げ、拍手喝采が巻き起こった。
 わずかに生き残ったジャノバ兵は、大臣が倒されたことで戦意を挫かれたのか、剣を捨てて降伏の意思を示している。

「ジャノバに勝ったぞ!」
「仲間をもっと集めてジャノバ城に攻め込もう!」
「革命を起こし自由を取り戻すのだ!」
「ジャノバの悪政を滅ぼすまで俺たちは海賊をやめないぞ!」

 レジスタンス軍と海賊たちは口々にその勝利を喜び合った。
 しかし海賊たちは頭領であるシシがぐったりと横たわっているのを見て心配そうに駆け寄った。

海賊A「おかしら~! 死んじゃダメですぜ!」
海賊B「首領、しっかりしてくださいよ! おおっ! 首領の裸を見るのは初めてだ。(ゴクリ)」
海賊C「バカ、何をゴクリと唾を呑みこんでいるんだ。今はそんな場合か!? おい、ここに医者はいないのか!? 薬草はもうないし、こりゃ困ったな~」

 シシが瀕死の重傷を負っているが薬草も底を尽き手当ができず海賊たちは途方に暮れている。

シャム「オイラに任せろ」
海賊C「あんたは医者かい?」
シャム「いや、違う。でもおいらなら治せる」
海賊A「医者か白魔法使いでないと信用できないな」
イヴ「あなたたち、彼に任せて。ちょっと刺激的な方法なんだけど必ず治せるから、しばらくの間、目を瞑ってて」
海賊B「なにかよく分からないが、首領が元気になるならあんたたちに任せるぜ」
シャム「じゃあ、始めるぞ」

 シャムは全裸に近い姿で甲板に倒れているシシのそばに行き耳元で囁いた。

シャム「シシ、今からおまえを治療してやる。ちょっとだけエロいことをするけど我慢しろよ」
シシ「ううっ……何をする気なの……?」

 シャムはシシに覆いかぶさると唇を重ね、豊かな乳房を揉み始めた。

シシ「やだぁ、変なことはやめてよ……」
シャム「これは治療だって!」

 満身創痍のシシだが、渾身の力を込めてシャムを振り払おうとしている。

海賊A「やい、てめえ! うちのおかしらに何をする気だ! 妙なことをしたら許さないぞ!」
モエモエ「あなたたち! シシ船長の命が大事だなら余計な口出しはやめて。これがシャムの治療法なの。すべて彼に任せておいて~♪」
アリサ「にゃんにゃん~! わ~い、チンヒールだああああ! 次は私の番かなああああ?」
ヒトミ「ありさちゃん? 私のHPの方が減っているから次は私だよ~」
エリカ「シャムだって激しい戦闘の後でかなり体力を消耗しているので、今は1人が限界だと思いますよ。女性陣はキノコ類で治療しましょう」
アリサ「残念だにゃああああ」
ヒトミ「ヒトミ的には1本打って欲しいんだけどね」
チルチル「ねえ、シャルル? シャムとシシさん、二人がくっ付いているけど、あれがチンヒールなのでピョン?♫」
ズンダーラ「うわっ! 最前列でチルチルちゃんが見ているじゃないですか! チルチルちゃんは見ちゃダメ~! もっと大人になってからですよ~」
チルチル「もう! 族長ったら~! 目を隠したら見えないでピョン~!」

 目を皿のようにしてシシの治療場面を覗きこむチルチル。
 ズンダーラがあわてて両手でチルチルの目を塞いでしまったため、チルチルがブリブリと怒っている。



第12章「ペルセ海峡」 第9話

エリカ「族長、目隠しなどしないでチルチルちゃんにすべてを見せてあげるべきです。近い将来のためにね」
ズンダーラ「なるほど。エリカ殿がそこまでいうのなら仕方がありませんね」

シャルル「ほほう、あれが噂のチンヒールか。ふうむ、俺にはごく普通のセックスにしか見えないんだけどな。シャムの特殊能力が羨ましいぜ」
イヴ「チンヒールの現場を見ていると身体が火照ってくるわ。今のシャムの体力だとシシさん1人が限界だろうから、自分で青キノコ治療しようかな。エリカさんもいかが?」
エリカ「おほほ、そうですね。MPが空っぽになっているので補充しないといけませんね。敵は全部倒したけど不測の事態に備えておかないとね。ここじゃなんだし船室に行きましょうか?」
モエモエ「くしゅん……シャム、チンヒールは無理かなあ。つまんないな~。ムラムラするんだけどな~。それじゃ私も青キノコを使おうかにゃ~?♪」
アリサ「これが青キノコなの? へえ~、エッチな形をしてるねええええ。私も初キノコ試してみたいなああああ」
モエモエ「アリサちゃんは魔法使いじゃないから青キノコではなくて緑キノコだにゃん♪ 青キノコは魔力回復の薬で、緑キノコはHP回復の薬だよ♪」
アリサ「そうなんだ。じゃあ緑ちょうだい? ところでこれってどう使うの?食べればいいのおおおお?」
モエモエ「食べて効果があるのは男性だけ。女性はね、この先っぽの傘の部分をお股に向けて……」
エリカ「モエモエちゃん? ここは殿方がいるから実演は拙いですよ。ほら、皆さんがこっちを見てるでしょ?」

 モエモエは顔を上げて周囲を見渡した。
 するとレジスタンス軍と海賊の猛者たちの視線がモエモエに突き刺さった。

モエモエ「や~だ~、男性陣がこっちを見てるわ。恥かしいにゃ、早く船室に行こうよ♪」

 シャムとシシのチンヒール場面も見逃せないが、かわいい女性陣の自慰行為にも興味津々というのが男たちの本音なのだろう。

 一方、チルチルは女性陣の会話に混じることなく、シャムとシシの治療場面を真剣な表情で見つめている。

チルチル「wわ~! すごい~! まるでママから聞いたセックスの仕方みたい~♫」
ヒトミ「どひゃっ! チルチルちゃんのお母さんってすごいことを教えてくれるんだ~!」

 シャムはシシにかぶさり腰をせわしく動かしている。
 シシとすれば、ちょっとだけエロい方法で治療をするとは聞いてはいたが、まさかセックスに及ぶとは思いもよらず慌てふためくばかりであった。
 解きたくてもがっちりと体勢を固められているので、簡単には解けそうもない。
 普段の元気なシシならシャムをはねのけていたかも知れないが、今の彼女にそんな体力は残っていない。

シシ「あっ……ああっ……シャム……? これがチンヒールなの? ああん、なんかセックスをしているような……」
シャム「限りなくセックスに近いけど、セックスじゃないもんな~。これは治療だからもう少しだけ我慢しろよ~。はぁはぁはぁ~」

 チンヒールを見ていた海賊の1人が突然切れてしまい、シャムの背後から飛びかかろうとしたが、周囲の男たちに取り押さえられ事なきを得た。

海賊A「くそ! 俺はもう我慢できねえ! おかしらにいやらしいことをするんじゃねえよ~!」
海賊B「馬鹿野郎! おかしらは今治療してもらってんだぞ! 邪魔をするんじゃねえ!」
海賊A「治療とか何とか言ってるけど、おかしらは騙されているだけだ~!」

 シャムは腰の動きを止めることはなかったが、厳しい視線で海賊Aを睨みつけキッパリと告げた。

シャム「治療の最中につべこべ言うな~! 結果を見てから言ってくれ~! もし首領が元気にならなければ、その時はいくらでもおいらに文句を言ってくれ~!」
海賊A「分かったよ……そこまで言うならあんたに任せるよ。しかし万が一の時は……」
シャム「くどい! おいらに二言はないぞ! 気が散るから黙ってろ!」
海賊A「……」

シャルル「シャム、そこまできつく言わなくても。彼も首領が心配で言ってるんだから」
イヴ「いいえ、シャムはシシさんを助けたい一心なのよ。今は声をかけないで」
モエモエ「そうだよ~、シャムは必ずシシさんを治すにゃん♪」
シャルル「うっ、何という信頼感。仲間の厚い信頼が勇者シャムを支えているわけか……」

 他人と会話をしながらのチンヒールであっても、肉柱が萎えることはなかった。
 恐るべき硬さのシャム棒が抽送を繰り返すたびに、シシは歓喜に包まれ次第に血色がよくなっていく。

シシ「あぁん~、あっ……そ、そんなに激しく突かないで……そんなに突いたら壊れちゃう~」
シャム「ここはどうだ?」
シシ「くわぁ~、そこをあんまり擦らないで~。あぁん、私、あぁ、おかしくなっちゃいそう~」
シャム「それそれそれ!」
シシ「うふ~、あぁん、身体の痛みより気持ちよさが増していくぅ……」
シャム「もう少しだ。それそれそれ!」
シシ「あぁ、もうダメ~! もうイキそう、くわぁ~、わ、私イキそう~!」
シャム「うっ……おいらもちょっとやばくなってきた」

 シシのよく引締まった腰を海老のように折り曲げると深く突き込むシャム。
 フィニッシュは屈曲位で攻めようとしている。

シシ「あぁん! もうダメェ~! ふわぁ~、ひぁあ~! あぁん、うぐ、うう、い、い、イク~~~~~っ!」
シャム「くふっ! おいらももう出そうだ! 最近ちょっとご無沙汰だったし」
シシ「そ、そんなこと私の知ったことか……あぁん~!」
シャム「ううっ! 出る~~~! うぉおおお~~~!!」

 猛獣のように吠えるシャム。それに呼応し声を引きつらせるシシ。
 体内に大量の液体が注ぎ込まれたシシの体力は見る見るうちに回復していった。
 役目を終え、シシから離れようとするシャムをシシは引き留めた。

シシ「あぁん、せっかちな勇者ね。もうちょっとこのまま抱いてて……」
シャム「え? おいら、忙しいんだけどな」
シシ「女はね、イッた後はしばらく余韻に浸りたいものなのよ」
シャム「そんなものなのか?」
シシ「あなたはまだ若いものね。そのうち分かるわ」
シャム「あのぉ、あんたと3つしか変わらないんだけどな」
シシ「いくらたくさんセックスをしても人は成長しないわ、たくさん恋をしなさい」
シャム「なんだよ、姉貴ぶって。でもシシのいうとおりかもな。は~い」



第12章「ペルセ海峡」 第10話

シシ「チンヒールって薬草より効くのね。身体中に力がみなぎってきたよ」
シャム「もう1回したいか?」
シシ「調子に乗るんじゃねえよぉ」
シャム「「ブルブル、女海賊の凄みが漂ってる。ところで、シシ、ちょっと聞きたいんだけど」
シシ「(ガクン)突然話を変えるかな~? なに?」
シャム「おまえのクリトリスって生まれた時から光ってたのか?」
シシ「物心がついた頃はすでに光ってたと思う。それがどうしたの?」
シャム「うん、実はここにいる他の子たちのクリトリスもシシと同じように光ってるんだ」
シシ「他の子も? クリトリスって光っているものだと思ってた。他の子のクリトリスって見る機会がないからよく知らないんだけど」
シャム「ほとんどの女性は光ってなくてサーモンピンクカラーなんだ」
シシ「シャムって女の子の身体にやたら詳しいのね。光ってる子と光ってない子がいるってどんな理由かしら?」
シャム「実はおいらも分からないんだ。いつかはこの謎を解き明かそうと思ってる」
シシ「うふ、面白そうね~。ねえ、もし良かったら私も仲間に入れてくれない?」
シャム「おおっ、大歓迎だ~!」

 チンヒールが終わって二人はまどろんでいたが、シャムが両手を上げた瞬間、挿し込まれていた肉柱が音を立ててスポッと抜けた。

シシ「へ~、やっぱりチンヒールってすごいんだね~! 私のHPが完全に回復してるよ。元気もりもりだわ~!」

 シャムはムクッと起き上がり、仲間たちに向かって宣言した。

シャム「今日から女海賊シシが仲間になった。みんな、頼むぞ~!」
モエモエ「シャム、ちょっと言いにくいんだけど……」
シャム「なんだ?」
モエモエ「あのぅ、前を隠した方がいいと思うんだけど。ブラブラされると気になるので……」
シャム「ん? あ、そうだったな。あははは、ズボン上げるのを忘れてた~」
モエモエ「そんなの忘れるか……」

 シシがシャム達の仲間になった!!

 護送船内から『プラチナの剣』が見つかった! シャムが『プラチナの剣』を装備した! 強さが10アップした!
 護送船内から『革命の剣』が見つかった! シャルルが『革命の剣』を装備した! 強さが20アップした!
 護送船内から『竜の鱗でできた杖』が2本見つかった! エリカとモエモエが『竜の鱗でできた杖』を装備した! 強さが10アップした!
 護送船内から『ナイトメアのバトン』が見つかった! チルチルが『ナイトメアのバトン』を装備した! 強さが10アップした!
 護送船内から『穴の開いたパンティ』が見つかった! だが誰も装備しようとしなかった……

 シャムが物珍しそうに手に取って眺めている。

シャム「これ、誰も穿かないのか?穿いたままチンヒールができるぞ?」
女性たち(シーン……)
イヴ「だってそれを穿いたら防御力が下がりそうだもの」
ヒトミ「魔物に大事なところを突かれそうだから要らないよ
ズンダーラ「道具屋に売ればいいのではありませんか? 今後の資金になると思いますので」

 船底から青キノコ20本、緑キノコ20本、法力草100本、薬草100個が見つかった!
 シャムたち、レジスタンス軍、海賊の中で傷ついた者が使用し、残りは山分けすることになった。

 激戦を乗り越えたメンバー全員の経験値が大幅に上昇した!!

⚔⚔⚔

シャルル「ようやくブラックシェイドを倒したが、我々レジスタンス軍の戦いはまだ終わっていない。ペルセ島では多くの罪もない人々が捕まり奴隷として強制労働に耐えている。何とか彼らを解放してやりたいんだ。もし良かったら手伝ってくれないか? シャム」
シャム「いいとも。人々が自由を取り戻すため、ともに戦おう!」
シャルル「シャムたちが加わってくれるととても心強いぞ! 人々を解放し、シャムたちが求めている『鏡の盾』を探しに行こう!」
シャム「うん、おまえが応援してくれたら百人力だ! メドゥサオールを倒して一刻も早くユマ姫を助けたいんだ」
シャルル「互いの目的は違うけど、平和と自由を奪還するため力を合わせてがんばろう!」
シャム「おおっ!」

チルチル「ねえ、今からペルセ島に向かうんでしょう? どんな島なのかな~♫ 白い砂浜、透き通った海、青い珊瑚礁、星降る夜、ああ、楽しみだピョ~ン♪」
モエモエ「チルチルちゃん、あなた何か勘違いしていない? ペルセ島はそんなロマンチックなところじゃないよ。罪も無い人がたくさん捕まって奴隷として働かされているの。だから、その人たちを助けに行くのよ。分かって?」
チルチル「wわっ! そうなんだ! じゃあ、私、がんばるぅ~♫」
イヴ「シシさん、あなたは島の内部に詳しいのでしょう?」
シシ「そうね。島の大部分は分かるけど、砦の周辺は警備がかなり厳しいので一度も入ったことがないの」
エリカ「シシさん、ここにペルセ島の地図があるのですが、分かる範囲で地名や目印を書き足してもらえませんか?」
シシ「ざっくりなら描けると思うわ。え~と、中央に高い山があるの。それがペルセ山で、その北側にクリトビスの塔があって、この辺りかな。島の南側にはジャノバの砦があるの……」

 シシは島内を思い出しながら、ペルセ島の地図に地名や特徴を記し始めた。
 みんながシシの描く地図を眺めていると、空から一羽のハトが飛んできて、ヒトミの肩に止まった。

ヒトミ「あら、鳩が……? 何だろう? あれ? 鳩の足に筒が付いているわ」

 ヒトミが筒を調べてみると中に手紙が入っていた。

『ヒトミちゃんへ。旅の一座が何者かに襲われて座長が亡くなった。弔うので至急戻られたし。スズラン』

ヒトミ「ま、まさか……!?」
シャム「ヒトミ、どうしたんだ?」
ズンダーラ「ヒトミさん、何が書いてあったのですか?」
ヒトミ「ううう……嘘よ……」
イヴ「ヒトミちゃん、どうしたの!?」
ヒトミ「座長が……父親替わりになって私を育ててくれた旅の一座の座長が殺されたのよ~!」
モエモエ「え? なんだって!?」
エリカ「そ、そんな酷い……」
ヒトミ「うっうっうっ……嘘よ、絶対に……どうして座長が殺されなきゃいけないの……シクシクシク……」
シャルル「それで一体誰が座長を殺したんだ?」
ヒトミ「シクシクシク……それは書いてないの……弔うので至急帰れって……」
シャム「ヒトミ、すぐに帰れ!」
ヒトミ「でも、いよいよこれからという時に……」
シャム「いる者で何とかやっていくからおいらたちのことは気にするな」
ヒトミ「でも……」
シシ「ヒトミちゃん、私も仲間に加わったことだし、わずかながら力になれると思うの。だから早く帰ってあげて」
アリサ「私も咥えた、じゃなくて加わったから安心してええええ。ヒトミちゃん、こちらは任せておいて。ねえ、みんな?」
チルチル「私もがんばるでピョン♫」
イヴ「みんなが力を合わせればきっとうまくいくわ。だから早く帰ってあげて」
シャム「みんなそう言ってる。ヒトミ、直ぐに支度しろ。シャルル、小船を出せるか?」
シャルル「任せておけ!」
シシ「私の船で送らせるわ。手下を何人か付けるから安心して」
シャム「それはいい! シシがそう言ってくれてるから、ヒトミ、そうしろ」
ヒトミ「うん、分かった。ありがとう、シャム。ありがとう、シシさん。ありがとう、みんな。それじゃ一度戻るね。きっとまた帰ってくるからね。みんな、がんばってね!」
モエモエ「ヒトミちゃん……♪」
エリカ「ヒトミさん、元気でね」

⚔⚔⚔

シシ「船の準備が整ったよ。ヒトミちゃん、手下は信頼できる男たちだから安心してね」
ヒトミ「ありがとう、シシさん。じゃあ、シャム、みんな、さようなら……」
シャム「餞別のチンヒールって訳にはいかないけど、しばし別れのキスだ」

 そっと唇を寄せるシャムにヒトミは応えた。

シャム「戻ってきたらまたチンヒールを掛けてやるからな~」
ヒトミ「うん! 楽しみにしているわ。だってあの治療、気持ちいいんだもん」
シャム「それじゃ元気でな!」
一同「ヒトミちゃん、気をつけて~!」
ヒトミ「シャム、みんな、さようなら! また会おうね~!」

 ヒトミは器用に梯子を伝って海賊船に乗り込んだ。
 手を振るヒトミの目頭には大粒の涙が光っている。

一同「さようなら~、ヒトミちゃん~!また会おうね~!」
ヒトミ「必ず戻って来るからね~!」

 海賊船が次第に小さくなって行く。
 やがて水平線の向こうに消えて見えなくなってしまった。



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