![]() ファンタジー官能小説『セクスカリバー』 Shyrock 作 |
<シャムたちの現在の体力&魔力データ>
シャム 勇者 HP 260/260 MP 0/0
イヴ 神官 HP 130/210 MP 10/210
モエモエ 魔導師 HP 100/160 MP 40/230
キュー ワルキューレ+? HP90/250 MP 60/60
エリカ ウンディーネ女王 HP180/180 MP 240/240
ヒトミ 踊り子 HP 230/230 MP 0/0
スンダーラ ゴブリン族長 HP220/220 MP 60/60
⚔⚔⚔
キューの熱心なフェラチオとエリカの献身的な愛撫の助けもあって、シャムは三度、硬さを取り戻していた。
エリカは満足そうに笑みを浮かべている。
「おほほ、本当にシャムさんって愛撫のし甲斐のある男子ですね。早くも反り返っているではないですか。でもキューさんがまだ濡れていないのかな?」
「にゅう、そんなことはないよ。フェラチオをしているうちに私ももう濡れ濡れ~」
「キューさんってヒトミさんに負けないくらい感度がいいのですね」
「にゃっ、エリカさんには負けるよ~」
「まあ、キューさんったら。おほほほほ」
元気さを取り戻したシャムはキューの肩に手を置きやさしくささやいた。
「キュー、それじゃ入れるぞ。浴場の縁に片足を乗せて」
「にゃ? 片足を縁に乗せるの? じゃあ、端っこに行くね」
キューは浴槽の端まで歩み寄り、片足を湯から出し縁に乗せた。
足を『逆L字型』に開いたことで、若草の陰に潜むピンク色の亀裂がチラリと覗く。
シャムは覗き込みながら指を伸ばした。
「キュー、割れ目ちゃんが覗いているぞ~。さて、ちょっと穴をほじってみようかな?」
「にゃっ、恥ずかしいな~」
すでに充分な潤いをみせていた花弁に、シャムの中指は容易に収まった。
「あうっ……」
第2関節まで収まった中指は、キューの中でまるで別の生命体のように激しく蠢動している。
「にゅう、いい、いい……あ、でも、そんなに擦らないで~」
「ふふふ、こすりこすり~」
「はふ~ん……気持ちよすぎるぅ~」
「キュー、もうボトボトになってるぞ、ほら」
シャムは指を引き抜きキューに見せた。
指先はキラキラとキューの愛液で光り輝いている。
「や~ん、そんなの見たくないよ~」
キューは顔を背けてしまった。
「それじゃチンヒールをかけるぞ」
「にゃっ、うん……」
色っぽく瞳を潤ませるキューは小さくうなずいた。
シャムはキューをギュッと抱きしめ唇を重ねた。
女性たちは固唾を呑んでその光景を見守っている。
ズニュッ!
「あぁん……」
ズンズンズン……
「あんあんあん……」
それにしてもシャムの底知れないスタミナには舌を巻くばかり。
つい先ほど2回発射して休憩なしにこの回復力。
硬く、大きく、そして勃起角度は女性あこがれの67.5度以上を保っている。
もちろんシャムをこれほどまでに興奮させたのは、女性陣が魅力的あることに他ならない。
「にゅう、気持ちいいよ~、身体が回復していくのが分かる~」
片足上げ対面立位の体位でシャムが激しくキューを突きまくる。
身体が柔らかく身体能力の高いキューはシャムの注文に容易に対応する。
ピストンの合間に時折見せるスクリュー技もキューを大いに感じさせた。
「あっ、あっ……シャム~、いいよ~いいよ~いいよ~」
「おいらももうかなりやばそうだ~」
「にゃっ、ああん、シャム~! あぁん、来て~来て~来てぇ~~~!!」
「おお、おお、うぉ~~~~~!!」
ズピュ~ン!
キューの体力が100%回復した!
すぐに賢者の時間に突入してしまうシャムに対して、余韻に浸るキューは立ったまままどろんでいる。
そこは男の女の肉体的な違いといえる。
「キュー、終わったぞ~」
「にゅう、しばらくこのままがいいなあ……でも次の子が待ってるから代わるね」
名残惜しそうにしているキューの頬に、シャムはやさしくキスをするとドボンと湯に浸かった。
しばしの休息といったところだろう。
「ん……? なんだこれは……?」
シャムの足元から梅の花のような形をした結晶が6つ出てきた。
エリカが微笑んでいる。
「まあ、幸運ですわ。それは『湯の花』ですね。ときどき温泉で見つかることがあるんですよ」
「これって役に立つのか?」
「はい、解毒剤になるんです。毒攻撃を受けたときや、毒を持つ生物と遭遇したときに役立ちます」
「へえ、そうなんだ」
「乾かせてカバンに入れておけばいつか役に立つと思います」
「いいものを見つけたな」
「はい、運が向いてきたようですね」
シャムたちは『湯の花』を6つ手に入れた!
「さあ、次はモエモエの番だな!」
「は~い♪」
指名されたモエモエは大きな瞳を輝かせてシャムのもとに飛んできた。
「シャム、少し休憩したほうがいいんじゃない?」
「おいらは女の子たちがフェラチオをしてくれてる間に休憩できているんだ」
「まさか! フェラチオで体力が戻るの?」
「HPは変わらないんだけどな、女の子がフェラチオをしてくれると、すーっと身体が軽くなっていく感じがするんだ」
「不思議だね~♪」
ヒトミがつぶやいた。
「もしかしてここにいる女の子たちには、男性を回復させる特殊な能力があるのかも知れないね。根拠もないんだけど何となくそう思うの」
それに対してイヴが意見を述べた。
「私は特殊能力とは違うと思うの。シャムの並外れた精力は言うに及ばないけど、それに加えて女の子たちの魅力、相性、そして何よりも女性たちのシャムへの愛情が大きいと思うの。どうかしら?」
エリカがすぐに反応した。
「私もそう思います。私たちのシャムへの想いがフェラチオという行為を通して彼の中に送り込まれているように思うんです」
キューもうなずいている。
「にゅう、なるほど。説得力があるね~」
この時、モエモエがシャムの近くに歩み寄り高らかに告げた。
「じゃあ今から私もシャムに『想』を送り込むよ~♪」
ひざまずいて肉柱をしっかりと掴むモエモエ。
イヴとヒトミも加勢しシャムの身体を愛撫する。
「うはぁ~! ハーレムモード突入か~~~!?」
モエモエはすでに怒張している肉柱には目もくれず、せっせと玉袋に舌を這わせる。
小さな口で夢中になって玉袋を舐めている光景はかなり扇情的だ。
玉袋を口に含む。
舌で転がすように舐めている。
「くほ~!モエモエ、それ効くよ~」
「ここ気落ちいいの? じゃあもっといっぱい舐めてあげるよ~♪」
玉袋を舐めた後、モエモエは肉柱を口いっぱいに頬張った。
肉柱がモエモエの口の奥のほうまで入ったときには、シャムは何故かモエモエと早くもセックスをしているような錯覚に襲われた。
「くぅ~~~っ! 気持ちいい~~~!」
シャムの背後ではイヴとヒトミが惜しみない愛撫を送っている。
「じゃあ、次はモエモエが気持ちよくなる番だ」
シャムは屈み込むと、湯の中で仁王立ちしているモエモエの花弁に顔を近づけた。
ペチョ……
「うわ~、もうこんなに濡れてる~」
「やぁん、大きな声で言わないで♪」
ベチョベチョベチョ……
「あれ? クリトリスをもうこんなに硬くしちゃって」
「あぁん、そんなに舐められたらぁ……」
ベチョベチョベチョ……
「あぁん~、シャ、シャム~、早くチンヒールを掛けてぇ……♪」
「じゃあ、イヴとヒトミはモエモエの前に回って支えてくれる?」
「うん、いいよ」「どんな格好でするのかな?」
モエモエは前方のイヴとヒトミに支えられ前屈みになった。
大浴場の中央でもできる立ちバックというわけだ。
「モエモエは後ろからが好きだろう?」
「そうなの、よく憶えているね♪」
「そりゃ、それぞれの女の子の好みを覚えておくのも大切なことだからな」
「シャムって大雑把なイメージがあったけど、意外に繊細なんだ」
「さあ、どうだかな?」
シャムはそうつぶやくと、背面立位の体勢でモエモエの割れ目に、肉柱をゆっくり挿入していった。
濡れ光るモエモエの美唇が怒張した肉柱を熱く包み込んでいく。
シャムは早速速度を上げていく。
時折、うっ、うっ、という唸り声をあげながら、その行為は突くたびに力強さを増していく。
モエモエのうっとりとした表情を無言で見つめる支え役のイヴとヒトミ。
チンヒールとはいえ、目前に男女の熱い交わりを見せつけられて平常心を維持できるはずがない。
イヴとヒトミの心もまた高鳴った。
「あっ……あっ……やっ……」
どうしようもなく熱く、溶けてしまいそうな錯覚がモエモエを包みこむ。
額やうなじにおびただしい汗が滴り落ちる。
バック特有の打撃音が鳴り響く。
両腕を引かれ、苦悶の表情を浮かべるモエモエ。
「あっ……あぁぁぁ~……」
ピストンが突然スクリュー攻撃に切り替わった。
「えっ……!? あぁぁぁぁ~~~、あぁん、すんごい!いやぁ~~~ん♪」
傍観者のエリカとキューは立ちバックスクリューにただ呆然としている。
グリュングリュングリュン……
膣内をかき回され、モエモエの感情は一気にヒートアップする。
「あっ、あっ、あっ……あああ……すごくすごく気持ちいいよぉ~~~♪」
「おお、おお、おいらもヤバそうだ~」
「あっ、あっ、ちょっと、ちょっと……もうちょっとがんばって! 私……登山でいうところの九合目まで来てる感じで……あっ!もうだめぇ~~~!」
「ヒトミちゃん、モエモエちゃんの九合目という解説、分かりやすいね」
「うんうん、すごく分かりやすい~」
「イヴさんも、ヒトミちゃんも、この忙しい時に、そんなこと言ってからかわないでよ~♪」
「からかってないよ。モエモエオちゃん、がんばって!」「モエモエちゃん、ファイト!」
「あぁん! すごくいい! いい、いい、いい、いい! あぁん! もうイッちゃう~~~!」
「おいらももう出そうだ~。おっ、おっ、おおお~~~っ!」
イヴとヒトミは二人の絶頂姿を眺めながら語り合っている。
「すごい迫力。ヒトミ的には他人のエッチをこんなそばで見るのは初めて。あぁん、またチンヒールをかけて欲しくなってきた。イヴさん、次だね。いいなあ」
「何を言ってるのよ。ヒトミちゃんはもう終わったでしょう? 私はこんなに待ちぼうけを食らってるんだから~」
「ってことはもしかしてアソコはびしょ濡れ?」
ヒトミはそうつぶやくとイヴの股間を覗き込んだ。
「もう、ヒトミちゃんたら、エッチね。でも正解だよ。愛撫なんていらないくらいビショ濡れ~」
立ちバック姿でアクメを迎えたモエモエは、イヴとヒトミの支えがなくては歩けないほどふらついている。
「私、腰がもうガクガク……次はイヴさんの番だね、がんばってね♪」
「モエモエちゃん、ゆっくり休んでね」
湯をかき分けシャムのもとへと前進するイヴ。
湯にぐっしょりと濡れた下腹部の黄金草がきらきらと輝きを見せる。
シャムが両手を掲げイヴを迎え入れた。
「いつも元気なシャムも、5人連続はさすがに疲れたでしょう?」
「ははははは、おいらは元気っだよ~! イヴのその麗しい裸体を見てると、またムラムラしてきたよ~」
「そうなの? 嬉しいことを言ってくれるのね」
イヴは近づくとすぐにシャムの唇にそっとキスをした。
すぐさま抱き寄せて濃厚なキスを返すシャム。
シャムの左手は早くもイヴの股間に滑り込む。
クチュ……
「あぁっ……そんなすぐに……」
「もうこんなにヌレヌレになってるじゃん?」
グチョグチョグチョ
「は~ん……だって刺激的な場面を4回も見せられて、濡れない女の子なんていないよ~」
「興奮するなと言うのが無茶だよな。よし、締めくくりは『水上位』で行っとこうか~」
「『水上位』? なに、それ?」
「水の上でやる正常位だよ」」
「水の上で? そんなことできるの? 私、沈んじゃうわ」
「それが大丈夫なんだよな~。でも、他の子の手助けが必要なんだ」
「??」
「キュー? ヒトミ? ちょっと手伝ってくれる? イヴの肩を左右から支えてくれるかな?」
「にゃっ」
「は~い」
イヴの背後からキューは右肩を、ヒトミは左肩をそれぞれ支えた。
シャムの意図が今一つ呑み込めなくて戸惑いを見せるイヴ。
「イヴ、じゃあ、始めるぞ~」
シャムはイヴの下半身に割り込み、内腿をグイッと広げた。
「恥ずかしい」
キューとヒトミも緊張の表情を浮かべ状況を見守っている。
シャムはイヴの花弁に唇をつけた。
ジュルジュルジュル……
「あぁぁぁぁ……」
早くも背中を反りかえらせ身悶えするイヴ。
なにかを掴もうともがくが、なにも掴めなくて空を切っている。
シャムの巧みな舌技で花芯はすでにおびただしい甘蜜を溢れさせていた。
「じゃあ、入れるぞ~」
淡々とした口調で挿入を宣告するシャム。
5人目だというのに、肉柱は恐ろしく怒張している。
シャムは花弁を少しだけ指で広げ、肉柱をあてがった。
ズリュン……
「あぁん!」
ズニュズニュズニュ……
「ああぁ……あぁ~ん……はぅ~……ひゃあ~、ああぁ~……」
キューとヒトミに悶えるイヴを支えながら、その視線はしっかりと結合部を見つめている。
、その表情は真剣そのものだ。
ズンズンズン
シャムは内腿に回した手を握り直して、体勢をイヴに寄せた。
フィニッシュの気配が高まる。
シャムの腰の回転が次第に速度を増していく。
「きゃあ~~~……あぁ~……す、すごい……来るよぉ~来るよぉ~……あああぁ~~~……」
「うぉ~~~! おいら、もうイキそうだ~!」
「あぁ、あぁ、もうダメ……イッちゃいそう~……あぁん……イキそう!」
「おおお~、出る、出る、出る~~~!」
「あぁん! イクぅぅぅ~~~~~~~!」
ドピュン!
ついに白濁色の液体はイヴの中に発射された。
同時に絶頂に達したイヴは激しく痙攣を繰り返し、勢い余ってキューとヒトミを振りほどいてしまった。
ドボ~ン!
「うぷっ! ゲボ!」
湯の中に顔を沈めてしまったイヴ。
「うわっ! 大変だ! イヴが沈んじゃった!」
キューとヒトミが急いでイヴを湯から引っ張り上げる。
「ゲボゲボゲボ……」
「にゃっ、イヴさん、ごめんなさい」
「イヴさん、だいじょうぶ? ごめんね」
「うううっ……もう、あなたたち、しっかり支えててよ~。もうちょっとで溺れ死ぬところだったじゃないの。グェホッ……」
「だいじょうだよ。イヴは少々水に溺れても簡単に死ぬような子じゃないよ~」
「もう、シャムったら。それってどう言う意味?」
「うわ~! イヴが怒った! こわい~」
「もう、シャムったらあ~」
「怒んないでよ~、これで全員、体力と魔力が回復したんだから」
「そうなんだけど、何か腹が立つ……」
イヴは釈然としない表情をしている。
エリカとモエモエは顔を見合わせて言葉を交わした。
「シャムさんはやっぱり只者じゃないですね。女の子5人にチンヒールをした直後だというのに、お湯の中で元気に走り回ってるんだから。我らが勇者はたのもしや~。益々信頼が増しました」
「本当にすごいよね♪ 私もあのスタミナで一晩中攻められてみたいかも~♪」
かくして5人の女性たちは、体力、魔力ともに回復したのであった!
⚔⚔⚔
チーンヒールの最中、見張りをしてくれたスンダーラにシャムが声をかけた。
「スンダーラ族長、すまなかったな!」
「皆さんの治療は無事に終わりましたか?」
「うん、おかげでみんな元気さになったよ~」
「それは良かったです。それからシャムどの、先ほど屋敷の中を調べたのですが、あのバリキンソンの悪事がまたもや朗かになりました」
「バリキンソンの悪事だって? まだ悪いことをしていたのか?」
「はい、ヤツの倉庫から大量の法力草が見つかりました」
「なに? あのウマズラ野郎が隠していたのか? 何と卑劣な」
「はい、魔法を武器としているウンディーネたちを困らせるのが目的だったのでしょう。それにしても姑息な男ですね」
「まったくだ。でも見つかって良かったな。これでこの地区の人たちも一安心だ」
シャムたちは法力草を1000本手に入れた!
ただしすべて村に返却することにした!(のちに村から謝礼として30本を受け取った)
シャムたちはバリキンソンの収納箱を見つけた。
シャムたちは『蹄鉄でできた盾』を2つ手に入れた!
シャムとキューが装備した。
シャムたちは宝の鍵を3本手に入れた!
ヒトミとスンダーラが仲間に加わった!
屋敷を出る直前モエモエが奥の部屋から宝箱を発見したので、早速宝のカギを使ってみることにした。
宝箱の中から『鉄の鎧』『革の鎧』『魔法の鞄』が出てきた。
シャムがみんなに聞いたみた。
「鉄の鎧と革の鎧が出てきたけど装備したい者はいる?」
イヴがいぶかしげな表情をしている。
「シャムは以前から鎧をつけないけどどうして? 防御力が増すのに」
「鎧をつけるとスピードが鈍るから嫌なんだ」
「でも今後はもっと強い敵も出てくると思うので、防御力を上げておいた方がいいと思うの」
「うん、イヴがいうとおりかもな。でもできるだけ軽くしたいので、同じつけるなら革の鎧にしておくよ」
「何もつけないよりはいいと思うよ」
シャムは『革の鎧』を装備した!
「鉄の鎧をつけたい者はいるか?」
「ワルキューレ族は代々白いチェニックを着るのが習わしなの。だから私はいらないわ」
「ゴブリンの私は体重が軽いので重い装備は合わないのです。鉄の鎧は遠慮しておきます」
イヴ、モエモエ、エリカ、ヒトミの4人も鉄の鎧はふさわしくない職種という理由から辞退した。現時点で鉄の鎧は不用ということになる。
シャムが提案した。
「鉄の鎧は道具屋で売ってお金に換えるとするか」
「にゃっ、ところでこの魔法の鞄って何なの?」
魔法学に詳しいモエモエが解説した。
「どんな重い物でもこの鞄に入れると重さが軽減できるの。今は使わないけど将来使うかもというアイテムはここにいれておけば良いわけ。ただし最大10個までと決まっているの。今なら物品が少ないので鉄の鎧を入れておくと良いと思う♪ 鞄の中身が増えてきたら適宜売ればいいと思うよ♪」
「すごく便利なものね。魔法の鞄はモエモエちゃんに持っててもらおうかな」
イヴがモエモエに『魔法の鞄』の保管を頼んだ。
「うん、いいよ♪」
体力や魔力が回復したシャムたちはウンディーネの城を目指すことにした。
いよいよエリカから『ペルセのエンブレム』を受け取ることができる。
城に向かう途中、数々の敵が現れたが仲間が増えたこともあり容易に倒すことができた。
エリカはシャムたちに言った。
「それにしても、私がバリキンソン男爵宅に行かずおとなしく城で過ごしていれば、もっと早く『ペルセのエンブレム』をお渡しできたのに、皆さんには大変ご迷惑を掛けてしまいましたね。ごめんなさいね」
「いやあ、謝らないでくれよ。どの道、悪魔の手先のバリキンソンとは戦っていたと思うよ。それよりエリカは本当に酷い目にあったね」
「はい……でも私はもう大丈夫です。皆さんのお陰で助かったし、嫌なことは早く忘れることにします」
「それが一番だな」
⚔⚔⚔
まもなく一行の行く手に、爽やかな水色の美しい城が見えてきた。
エリカは微笑みながら語りかけた。
「皆さん、今夜はお城でゆっくりと寛いでくださいね。美味しいものもたっぷりとご馳走しますので」
キューが即座に反応した。
「にゃ! ご馳走が出るの? わ~いわ~い!」
つづいてモエモエとヒトミも反応する。
「私はフルーツを沢山食べたいな~♪」
「ヒトミ的には、ピリリと辛いエスニック料理がいいな~」
イヴはカフェに行きたいようだ。
「私はダーク・モカ・チップ・フラペチーノがいいな~」
シャムがなにげない表情で口を挟んだ。
「おいおい、みんな食べることばかりじゃん、太るぞ~」
女性陣は一斉にシャムに詰め寄った。
とりわけ両脇でイヴとキューが目を吊り上げている。
「今、何か言ったぁ?」
「にゅう、もう一度言ってみて~?」
「うへ~! 悪気があって言ったんじゃないんだけど。好きなものをたらふく食べてくれ~! ところでスンダーラは砦に連絡しておかなくていいのか? みんな心配していると思うよ」
「心配はいりません。さきほど伝書バトを飛ばして私の無事を伝えておきましたので」
⚔⚔⚔
城に到着した一行はエリカ自慢のアフターヌーンティーでひとときの寛ぎを得た。
お茶を飲み一行が一息ついた頃、エリカはシャムに『ペルセのエンブレム』を渡した。
シャムたちは『ペルセのエンブレム』を手に入れた!
「エリカ、ありがとう! 恩にきるよ。これでペルセ山に登ることができるよ!」
「いよいよ『鏡の盾』を手に入れて、あの忌まわしい敵を倒すのですね。ぜひ私にも協力させてください」
「え? エリカも協力してくれるの? それはありがたい!」
「もちろんですわ。世界にあだなす悪い者たちを倒すために骨身は惜しみませんわ」
「ありがとう! エリカ!」
「エリカさん、よろしくお願いします!」
「エリカさん、よろしくね~♪」
「にゃっ、これは頼もしい人が加わったね~」
「ヒトミ的にも嬉しい~!」
「我々の部族も応援を惜しみません!」
「皆さんにそう言ってもらえてすごく嬉しいですわ。さあ皆さん、お食事の準備が整ったようなのでまいりましょう。今宵はこの城でごゆるりと旅の疲れを癒してくださいね」
「ありがとう、エリカさん!」「嬉しいな~♪」「にゃっ、やった~!」「いただいます~!」「では遠慮なくご馳走になります」
一行は戦いに明け暮れる過酷な日々を片時忘れて、楽しく飲み、食べ、そして語り合った。
当然ながらエッチトークに花が咲き、パーティーはたいそう盛り上がったのであった。
「エリカ、こんなに盛大にもてなししてくれてありがとう! すごく楽しかったよ~」
「とんでもありません。私を助けてくださったせめてものお礼の気持ちです」
「にゃっ、こんなにいっぱいご馳走を食べたのは久しぶりだなあ」
「私もよ~♪」
「皆さんに喜んでもらえて嬉しいですわ。本当はもっとゆっくりして行って欲しいのですが、そうもいきませんからね。大望達成のあかつきにはまたこうしてみんなで賑やかにやりましょうね」
「ヒトミ的に考えて、先ずはペルセ山に登って『鏡の盾』を手に入れる必要があるね」
イヴが神妙な表情で投げかけた。
「ヒトミちゃん、その前に大事なことが残っているわ」
「それはどんな?」
「陥落したムーンサルト城に行ってユマ姫の消息を尋ねたいの」
「へえ~、三国一美人だと評判のユマ姫様のこと!? 誰か知り合いなの? ムーンサルト城はそんなに遠くないよ」
「おいらの幼馴染なんだ」
「え~~~! シャムの幼馴染なの? 釣り合いがとれないような気が……」
「ちぇっ、ごあいさつだなあ」
「ごめんごめん。で、シャムはユマ姫様とエッチ経験あるの?」
「してないよ~。だって最後に会ったのが13歳だったんだから~」
「そうなの? てへっ」
「昔、私も一度戴冠式でユマ姫に会ったことがあるんだけど、まだ幼かったから顔を思い出せないの♪ ところでペルセ山ってどこにあるの? ここから近いの?」
エリカが詳しい場所をモエモエたちに説明した。
「いいえ、海を渡らないといけません。ムーンサルト城から東に行ったところにジャノバと言う港があります。そこから2時間ほど船に乗ることになります」
イヴが即座に反応する。
「そういえば向かい側に島が小さく見えているね」
「おそらくそれがペルセ島です」
「ペルセ島に人は住んでいるの?」
「いいえ、神の島と崇められていますが人は住んでいません。怪物がいるからです」
スンダーラが話に加わってきた。
「かなり手強い怪物がいると聞いていますよ」
シャムが凛々しい表情で告げた。
「おいらたちの進路は決まったぞ。明日はムーンサルト城に行こう。その後、東に進みジャノバ港から船に乗ってペルセ島に向かうのだ!」
「どんな冒険が待ちうけているか分からないけど、行くしかないわね」
「うん、ユマ姫のことが気になるわ♪元気であってほしい♪」
「にゃっ、早く『鏡の盾』を手に入れて蛇女を倒さなくては」
「私のハイキックがどこまで通用するか楽しみだわ」
「皆さん、頼もしいですね。でも、あの女は心してかからないと、失敗すると石に変えられますわ」
「ひぇ~、ハイキック試すのやめておこうかな……」
「でも『鏡の盾』があればきっと倒せるはずだ」
そのとき一羽の鳩が飛んできてキューの肩に止まった。
「にゃ? 私の故郷の鳩だよ。何の用だろう?」
キューは伝書鳩の足に結んである手紙を広げると、がっくりと落胆の表情を浮かべた。
様子を見ていたイヴが尋ねる。
「キューちゃん、どうしたの? 顔色を変えて」
「にゅう、私、一度帰らないといけないの……」
「いったいどうしたの?」
「にゃっ、ワルキューレ族もいよいよ本格的に魔獣や怪物を倒すため本格的に動き出したみたいなの。そのため私の人形作りの技術が必要なんだって」
「そういえばキューさんはゴーレムを作れるって言ってましたね」
「にゃっ、そうなの。まだまだ未熟だけどね」
「ゴーレムが仲間に加わってくれると戦力が増しますからね」
シャムが悩んでいるキューの背中を後押しした。
「ワルキューレ族の一大事じゃないか。すぐに行ってやれよ」
「でも……」
「おいらたちのことなら心配いらないぞ。エリカ、ヒトミ、それにスンダーラが仲間に加わったし」
「にゃっ、じゃあ行く。ごめんね、途中で抜けてしまって。でも必ず帰って来るからね」
「キューちゃん、必ず帰ってきてね。待ってるよ♪」
イヴ、モエモエ、エリカが励ました。
「うん、みんな、ありがとう」
「キュー、泣くな。おまえらしくないぞ」
「にゅう、泣かないよ、シャム。ワ~~~ン!」
キューは泣かないと言った尻から泣き始め、シャムの胸でわんわんと泣き崩れた。
「やっぱり泣いてしまったな~。それじゃ最後に涙を止めるおまじないをしてあげようかな?」
「にゃっ、涙を止めるおまじない?」
「うん」
シャムの手がキューのスカートの中に潜り込むと、ショーツの隙間から指がそろりと忍び込んだ。
「にゃっ? あぁぁぁ……、こ、これっておまじないなの? さっきチンヒールをしてもらったばかりなのに……シャム、そこはぁ……はふ~ん……」
「はい、おしまい! おまじないが終わったぞ。ほら涙が止まったろう?」
「にゃっ、本当だ、止まった! ありがとう、シャム~!」
キュー以外の女性たちが狐につままれたような表情をしている。
しばし沈黙のあとエリカが会話の口火を切った。
「シャムさんはそんな特殊な技も持ってるのですね。益々あなたが気に入りました。今度私が泣いたときぜひおまじないをお願いします」
モエモエも負けてはいない。
「それなら、私、しょっちゅう泣こうかな~♪」
「あぁん、クリにヒットミーしたら余計に泣いちゃいそう」
キューが手を振って別れを告げた。
「にゅう、それじゃ、みんな、元気でね! 必ず戻ってくるから私を忘れないでね~!」
イヴの目にきらりと涙が光っている。
「忘れるはずないじゃないの。じゃあ、キューちゃん、気をつけてね!」
スンダーラも名残惜しそうにしている。
「ゴーレムを召喚できるようになったらぜひ披露してくださいね!」
「にゃっ、今はまだ未熟だけど、きっとみんなの役に立てるようになるから楽しみにしててね!」
「最後においらからも一言。チンヒールが恋しくなったらいつでも戻ってこいよ~」
イヴ、エリカ、モエモエ、ヒトミが一斉にシャムを睨みつける。
「いや、あのぉ……そのぉ……えへへへ……」
女性たちから冷たい視線を浴びてシャムはしどろもどろになっている。
三つ編みにした亜麻色の髪、肩に小さなリュック、腰に携えたロングソード。
何度も振り返り手を振るキューの後姿が次第に小さくなっていく。
シャムたちもキューが豆粒のようになるまで手を休めなかった。
「あっ、しまった!」
突然エリカが声を上げた。
どうしたのだとシャムが尋ねる。
「キューちゃんに『トリップドア』を教えてあげるのを忘れてました」
「何だそりゃ?」
「世界各地に『トリップドア』というものがあって、そのトリップドアまで行くといつでも一度行った場所に戻ることができるのです」
「ほえ~! それは便利だな~。じゃあマロンクリーム神殿にも、ムッヒ宮殿にも戻れるってことか?」
「その美味しそうな名前の場所はどこにあるのですか? それらは知りませんが、あなたたちが一度行った場所でかつトリップドアがあれば戻ることができるのです」
モエモエはらんらんと目を輝かせている。
「そのストリップドアってどこにあるの?♪」
「いいえ、ストリップドアではなくて『トリップドア』ですよ」
「えへへ、ちょっと違ったか。『トリップドア』ってことは『旅の扉』って意味かな?♪」
「さすがモエモエさん、解釈が早いですね。意味は合っていますが、『旅の扉』という表現はとあるRPGで使用されているので、ここでは使わないこととします。で、話は戻りますが、ここから一番近い扉はムーンサルト城の郊外にあります」
イヴも興味津々のようだ。
「ムーンサルト城ならこのあと行く予定なので『トリップドア』もぜひ見つけたいわ。ところでエリカさん、さきほど言ってたマロンクリーム神殿とムッヒ宮殿だけど、ここからずっと南の方角にあるの。マロンクリーム神殿にはとても美しい女神様が住んでいて、ムッヒ宮殿には賢者のムッヒ様住んでいるの。いつかエリカさんも会うことになると思うわ」、
「そうなのですか。どんなお二人かお会いするのが楽しみですわ」
エリカの顔合わせをシャムも期待しているようだ。
「エリカならきっと気に入られると思う」
「一度お会いしたいです」
「今はムーンサルト城でユマ姫の安否を確かめることが先だから、女神や賢者と会うのは少し先になるな」
ヒトミが腹を抑えてエリカに訴えた。
「エリカさん、おなかが……」
「おなかが痛いのですか?」
「そうじゃなくて、おなかが空いたの」
「オホホ、それはそれは、ごめんなさいね。それではお食事にしましょう。たくさん召し上がってくださいね」
「わ~い!」
「ウンディーネ城の料理が楽しみだわ」
「湖の魚がたくさん食べられるのかな♪」
「ヒトミ的にはジビエ料理の予感」
「クレスピン地区は美味いものが多い土地ですぞ」
⚔⚔⚔
まもなくシャムたちは美しく花で飾られた部屋に案内された。
綺麗に彩られた料理が次から次へとテーブルの上に並べられていく。
「ようこそ、ウンディーネ城へ! 何もお構いできませんがごゆるりとお過ごしください」
豪華で美味な食事がシャムたちを大いに堪能させた。
⚔⚔⚔
「ああ、美味しかった♪ それじゃ今夜はこのお城でお泊りして、明日出発だね~♪」
「ふう、食べ過ぎて苦しい……最近野宿が多いのでベッドで寝られるのは嬉しいな~」
エリカがみんなに声をかけた。
「皆さん~、夜も更けて来たことですし、今日はそろそろ休みませんか? 床の準備は整っていますので~」
シャムが尋ねた。
「男女、同じ部屋なの?」
「いいえ、今夜は男子の部屋と女子の部屋を分けました~」
「なんだ、つまらない」
「でも部屋は向かい合わせなのですが」
「わ~い!」
イヴが眉をゆがめた。
「何でわ~いなの?」
「気軽に遊びに行けるかなと思って」
「夜這いはダメ!」
「ヒトミ的には、シャムさえ良かったら女子部屋にくれば、と言いたいかも」
一行が廊下の中央で解散した。
「それじゃ、みんな、おやすみ~!」
「おやすみなさい~」
澄み切った夜空に月が昇ってウンディーネ城を煌々と照らした。
クレスピンの穏やかな湖面にはウンディーネ城がクッキリと映し出されていた。