第18話
「そのうち見るって?そりゃ楽しみだな~!はっはっはっ~!・・・ん?あのぅ、今笑ってる場合じゃないんだけど。俺、一生ネコの姿のままじゃんか」 「まあ、諦めるんだにゃ」 「チェッ、簡単に言ってくるなあ」 俺はがっくりと肩を落とした。 ネコから人間に戻れなくなってしまった俺は毎日悲嘆に暮れていたが、やがてあこがれの静と一つ屋根の下で暮らせることの喜びが、人間への未練を次第に薄れさせていった。静から意外なあの一言を聞くまでは・・・ その日、静は学校から帰った後、ソファにもたれて大好物のコーヒーを飲んでいた。 ピアノレッスン前にはよく見る光景である。 静がミニスカートからスラリと伸びたしなやかな脚を組むポーズは実に絵になる。 その姿は女子高生であることも忘れてしまうほど色っぽい。 緊張が緩む自宅とあって、少々大胆な格好になるのも仕方無いだろう。 脚を組む変える時にチラリと覗く白いものは、男の、いや、オスネコの気持ちを昂ぶらせるには充分過ぎると言える。 つい目がふとももに釘付けになってしまう。 「ねぇ、レオぉ、聞いてよぉ」 「にゃあ~(なんだ?)」 「この前さぁ、レオに話したでしょ?ある人が好きになったってぇ」 「にゃあにゃあ~(そういえば言ってたなあ。確か静の片想いだって言ってたよなあ。いったいそれがどうしたって言うんだ?)」 「実はね、その人さぁ、静のこと、好きでも何でもないと静は思ってたんだけどさぁ、それがとんだ思い違いだってことが分かったのよぉ。だからめちゃ嬉しいのぅ」 「にゃあ~ご~!(な、なんだって!?静の片想いじゃなくて相手も好きだってか?こりゃ大変なことになってきたぞ~!で、相手は誰なんだ!?)」 「その人ねぇ、私のこと以前からずっと好きだったんだってぇ。アハ。でもねぇ、言い出せなかったらしいのぉ・・・今日、告白されちゃったぁ、アハ」 「にゃ~・・・(ま、まじで・・・!?)」
次回が最終回となります
17/FIN
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