第2話
「おおっと、ちょっと待った!神戸牛キャットフードをやる替わりに必ず交代させるんだぞ?」 「いいよ~、何なら今からでもいいにゃ~」 「現金なネコ・・・」 「にゃんか言ったかにゃ?」 「いやいや、ありがとう。恩に着るよ。じゃあ、俺早速お前の家に行って来るよ~」 「静お嬢様は今学校から帰ったばかりだにゃ。くれぐれも言っとくが変なことだけはするにゃよ~。あ、それから、夜中の0時までに必ず戻って来るようににゃ~。0時を過ぎるとお前、人間に戻れなくなるからにゃ~」 「判った判った~。ありがとう~、レオ~。じゃあ、神戸牛キャットフードをたっぷりと愉しんでな」 「ゴロゴロ~」 俺が静家に行くと静はピアノの練習が終わったようで、背の低いガラス椅子に腰をかけコーヒーで寛いでいた。 見つからないだろうか? 俺は恐る恐る静に近づいた。 ミニスカートにル-ズソックスがお似合いだ。 紺のブレザ-、チェックのスカ-ト、赤のネクタイと白のカッタ-シャツという組み合わせも結構静に似合ってる。 校章も外すことなくちゃんとつけている。 「ん?レオ、他の子達はどこに行ったのぉ~?姿が見えないんだけどぉ」 (他の子?そんなこと俺が知ってるはずないじゃないか。でもこんな時はネコって便利だ。とにかくにゃあにゃあ言っておけばいいんだから。ウッシッシ~) 「にゃ~お~」 「そう、あなた知らないのぉ~?」 (誰も知らないなんて言ってないんだけどなあ。それはそうと、こうして見ると静って本当にかわいいな~。こんな間近で見るの初めてだ。レオに変わってもらって本当に良かった~) 「にゃ~ご~」 俺は静に甘える振りをした。 そうすれば静はきっと俺を可愛がってくれるだろうから。 あんのじょう静は俺の頭を撫でながら、何やらつぶやいた。
1/ 3
|