第3話

 その日メルモが着けていたブラジャーはフロントホックだった。
 フロントホックはバックホックと比べて種類が少なくサイズの修正ができない等の欠点はあるものの、金具が前面にあることから付け外しが簡単なのが何よりもありがたい。
 扱い方の知らない彼氏でも容易に外せるメリットはあるが、望まぬ相手に遭遇したときは反対にデメリットになってしまう。
 教官の俊太も当然その一人であった。
 俊太がにっこりと笑ってホックを外すと、見事に完全な半球を描いた美しい一対の乳房が現れた。
 俊太は鷲掴みにして激しく揉みしだく。

「だ、だめです……やめてください……」

 さらにもう一方の休めていた手でパンティの中をまさぐる。

(クチョクチョクチョ……クチョクチョクチョ……)

「いやぁ……やめてください……運転できないです……」
「どんな状況でも運転に集中できるようにならなきゃ」
「そんなの無茶です……事故起こしますよ……」
「大丈夫だって。いざとなったらこちらのブレーキ踏むから。ははははは~」

(クチョクチョクチョ……クチョクチョクチョ……)

「あぁぁぁぁ……だ、だめですぅ……」
「こうして練習すればメキメキ上達するから」
「そんな訳が…あぁぁ……いやぁ~……」

 俊太の執拗な攻めにじっと耐えていたメルモだったが、いつの間にか秘所はぐっしょりと潤いを見せていた。
 そんなメルモの様子をつぶさに察知した俊太は口元に淫靡な笑みを浮かべる。

「ほう、かなり湿ってるじゃないか」
「そんなこと……」
「そんなことあるよ。ほら、これだけ湿ってるんだから」
「言わないで……」
「それともこの湿ってるのがおしっこ漏らしだって言うの?」
「そんなの絶対違います」
「おしっこじゃなかったら愛液しかないじゃない」
「恥ずかしい……」

(ヌッチョヌッチョヌッチョヌッチョ……)

「すごく濡れてきたよ」
「……」

 メルモは顔を真っ赤にしんがらもハンドルはしっかり握っている。
 徐行と言えるほどのスピードしか出ていないが、それでも運転中には変わりがない。

「そんなに気持ちいいの?」
「気持ちよくなんかありません……」
「嘘はダメだよ」
「……」

(グチョグチョグチョ……グチョグチョグチョ……)

「こんなにいい音がしてるよ」

 俊太はわざとメルモの耳元でささやく。

「恥ずかしいこと言わないで……」

 秘所をもてあそぶ手がさらに活動を増していく。

(グッチョ、グッチョ、グッチョ……グッチョ、グッチョ、グッチョ……)

「いやぁ……や…やめ…て……くだ…あぁぁぁ~い……」

 もう言葉になっていない。

(グッチョ、グッチョ、グッチョ……グッチョ、グッチョ、グッチョ……)

 俊太の指はクリトリスを摘み激しく擦りあげている。
 メルモは涙目になりながら運転を続けている。

(クリュンクリュンクリュン……クリュンクリュンクリュン……)

「だ、だめぇ……事故るから止めてください……お願い……」

 俊太はメルモの握るハンドルに自身の左手を副え、ブレーキのぺダルに爪先を置いている。
 いつでもクルマを停止できる態勢と言える。

 指先はクリトリスから再び亀裂へと戻った。
 溝をこそぐように指は上下に往復する。

「くぅ~……はぁ……あぁぁぁ~……」

(グッチョ、グッチョ、グッチョ……グッチョ、グッチョ、グッチョ……)

◇◇◇

 メルモたちはいつしか教習所の敷地を出て一般道からコースを外れ近くの雑木林へと入っていた。
 ゆっくりとエンジンを停止する。
 俊太はメルモの座席を倒すと猛然とその上にのしかかった。

「やめて!やめてください!人を呼びますよ!」
「呼べるものなら呼んでみれば?車内でいくら叫んだって無駄だから。ふふふ……」

 俊太の狼狽しない落ち着き払った態度にメルモは意気消沈してしまった。

「ここなら外からは見えないよ。さあ脱いじゃおうか」
「そんなこと……」
「ここなら君を脱がせることだってできる。でも無理やり脱がすと服を破いちゃうかもしれないし……」
「……」

 俊太は後々強姦されたと告げられることを避けるため、メルモ自身で衣服を脱ぐように仕向けた。
 たとえ女性が自ら衣服を脱いだとしても、その行為を検察が『強要』だと判断すれば結果は同じなのだが、現時点で俊太は「メルモが自分の意思で脱いだ」ことにすることが安全だと考えた。

 メルモはためらいながらも自ら服を脱ぎブラジャーも外した。

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