官能小説『惠 絶頂感』

Shyrock作




第5話「不浄なものまで愛されて」

「ふ……冬場なら……伸びてることもあります……」
「じゃあ、冬も楽しませてもらうね」

 ようやく期待の乳首に移動した。
 やはり祥太よりも丹念に、細かく、まろやかな舌使いで乳首を交互に攻めてくる。
 惠の心の中に浮かんだ言葉は『上手』の二文字であった。

 乳首を攻めつつ、俊介の指先は惠の茂みへ。

「最近はパイパンにする女性も増えているらしいけど、僕は陰毛があるほうがエロく感じられて好きなんだ。すでにたっぷりと濡れてるね」
「そんなこと、言わないで……あぁ……しゅ……しゅんすけ……さん……」

 俊介の指は割れ目に沿って上下に撫で続けていたが、花園の中までは入ることはなく、まるで周囲に潤いを塗りつけているようだ。
 その所作は、ちょっとじれったくて……焦らされるように感じられる。

 惠の潤いは性器全体から、股間の後ろに至るまで、もうたっぷりと濡れそぼっていた。
 そこで初めて、俊介の指が敏感な蕾に触れてきた。
 その時の歓喜は、もう言葉にならなかった。
 あえて言うなら『やっと触ってくれた』であろうか。

「あああああああっ……!」

 羞恥心もかなぐり捨て声をあげる惠。
 すると俊介は……

「こういうの……ご主人はしてくれる?」

 と耳元でささやくと、次の瞬間、ズブリと惠の後ろの穴に指を突き立てた。

「あっ!……そ、そこは……だめ……です……」

 最初の一瞬だけ痛みを感じたが、自身でも驚くほどすんなりと俊介の中指は根元まで没入してしまった。
 そして中でクネクネと動く指。

「どう? これ? したことある?」
「な、ないです……こんなの……こんなの初めてぇっ!」

 惠は思いがけず大声を出してしまった。
 今度もまた初めて体験する甘美で不思議な感覚であった。

「ご主人はこういうのしないの?」
「し、しません、うちの人……潔癖だから、絶対にこんなのしません」
「そう……ところで……どうかな? この感触は……」

 指は肛門の中で動き続けている。
 まるで蛇が迷路に迷い込んだように。

「いい……信じられない……いい……こんなの……あぁぁっ!」

 やがて俊介は菊門に指を入れたまま、初めての時と同じように、惠の陰部の匂いを嗅ぎ始めた。
 ある程度の覚悟はしていたが、いざとなるとやはり恥ずかしいものだ。

「だめ……嗅がないで」

 反射的に拒絶の言葉を発してしまった。
 しかし俊介は……

「いいよ……すごくいい匂い……頭がクラクラして夢中になっちゃうよ」
「いや……」
「嫌ならやめるよ……指も抜く……今日はここまでにするよ……」

 などと意地悪な言葉をつぶやく。
 惠は涙が出そうになった。

「どうしてダメなの? ねぇ……」
「だって……汚れてるし……くさいから……」
「そうかなぁ……」

 そう言うと俊介は肛門の指を引き抜くと、惠の目の前でその指の匂いを嗅いでみせた。

「ほら、全然だいじょうぶだよ……こんなこともできる」

 あろうことか俊介は、惠の肛門に入っていた自身の指をしゃぶり始めたのだ。

「えっ!?……うそ……!」

 強烈な羞恥心で顔を朱色に染める惠。
 身体が熱くなるのを抑えることができなかった。

 自分の最も不浄なものまで愛してくれるこの男性の驚くべき行為に、異常なほど興奮してしまったのだ。
 歯科医の三男として育った祥太は、清潔ということに強いこだわりを持ち、女性の陰部も舐めたがらない男性である。
 それに比べて俊介は不浄なものまで愛おしそうに味わってくれる。
 その時、惠の心に浮かんだ言葉は、『俊介を……この人を愛している……何でもしてあげたい』であった。

 すると初めての時に無理やり言わされてしまった言葉が、すんなり口を突いて出てきた。

「わ、私の……く……臭い所を……舐めてください……」

 惠は俊介に命じられるまま、逆の体勢になり俊介の顔をまたぎ、すべてを眼前にさらしてしまった。
 いわゆるシックスナインの体勢である。
 結婚前に経験はあったが、祥太とは一度もしたことがない。
 惠は目の前に隆々とそそり立っている肉柱に自然とくちづけた。
 その大きさは祥太のものと、それほど違いはない。
 だけど、硬さと『傘』の張りは断然違った。
 硬く、そして重さを感じさせる肉柱。
 祥太は惠の陰部は舐めたがらないのに、自身の肉柱はしゃぶらせたがる男であった。
 惠としては、そんな得手勝手な態度が好きになれなかったが、いつも仕方なくフェラチオによる奉仕をつづけていた。
 だが今は違う。
 俊介の肉柱は『進んで口に含みたい』といった気持ちになっていた。
 心の中で『素敵』と『愛してる』を反芻しながら、夢中で俊介の肉柱に舌を絡め、唇を動かしつづけた。

 もちろん俊介もシャワーを浴びていない。
 男性の陰部の臭気がわずかだが鼻を突く。
 女性ほどではないが、男性の陰部だってシャワーを浴びていなければ匂うことがある。
 しかし、それさえも惠にとっては興奮材料になっていた。
 そして……
 いつもオーデコロンの香りが漂う夫のシンボルが、なんだか貧相に思えた。
 惠は俊介の肉柱に『雄』を感じ、自分も『雌』になっていくように感じるのであった。



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