第5話「濡らす振動」

 惠は反射的にビクンと身体を仰け反らせました。
 痛いのは当然でしょう。
 だって少々ゼリーを塗ったと言っても、膣が全く濡れていない状態で、こんなに太いものを挿入されるのですから。
 少し濡らせてから挿入すればよかったのでしょうが、これはあくまで医療行為ですからそういう訳にもいきません。

「大丈夫、大丈夫、痛いのは最初だけですからね」

 私は惠が少しでも安心する言葉を選びました。
 そして握っていた太目のプローブにいっそう握力を加えました。
 円柱体は惠の狭い肉道に少しずつ没入し、その姿が見えなくなっていきます。

「うっ……」

 惠はまたもや痛かったようで、わずかなうめき声を漏らしました。
 恋人同士のセックスであれば、痛いときは素直に痛いと伝えるのが常でしょう。
 でもこれは検査なのですから、ある程度は我慢しなければなりません。

 私は挿入箇所と彼女の表情を交互に覗き込みました。

(こんな太いものがよく入るものだなあ……)

 医療に従事する身でありながら、女体の身体に秘められたその不思議さに私は改めて驚嘆しました。
 喉が渇いてきました。
 口内はもうからからになっています。

 私は少し加虐的な気持ちも湧いて来て、握ったものをさらに奥まで捻り込みました。

「あっ……」

 そして取っ手に付いているスイッチを入れました。
 鈍い振動音が響き出しました。

(ブイ~ン~~~)

「ええっ!?なに?」

 急激な振動に惠は驚いたのでしょう。思わず身体を仰け反らせ声をあげました。

「ああっ!先生……そ、その検査機って……な、何か変なんですけど……」
「どのように変なんですか?これは単なる検査機なんですけどね」
「奥のほうで何か動いていて……す、すごい振動で……はっ……あっ……」
「どうしたんですか?」
「あっ……あのぅ……ま、まるで、あのぅ……まるで、バイブみたいなんですけど」
「バイブ?ほう~、バイブの感触と似ているんですか?」
「はい、いえ、恐らくこんな感じじゃないかと……」
「ってことは、あなたはバイブを挿入された経験があるのですね?」

 私は単刀直入に尋ねました。

「そ、そんな経験、ありません!」

 惠はむきになって否定しました。
 質問内容が余程恥ずかしかったのか、顔を真っ赤に染めました。

「そうですか。じゃあ、その違いは分からないと思いますが、当然これはバイブなんかじゃないですよ。膣壁を揉みほぐすために先端が動いているだけなので、あまり気にしないでくださいね」
「揉む……?どうして揉みほぐさないといけないのですか?」
「膣内はレントゲンが写り難い傾向があるんですよ。揉みほぐすことによって写りが鮮明になるんですよ」

 間違ってもそんなことはあり得ません。
 しかし、私は出任せにまことしやかに理由を告げました。

「そうなんですか?あっ、ああっ! でも何かすごいことに……ああっ!」
「あのぅ……失礼なことを聞きますが、もしかして感じてらっしゃるのでは?」
「そ、そんな! そんなこと絶対にありません!」

 惠は吐き捨てるような言葉ではっきりと否定しました。

 「そうですか。それは失礼を……」

 私は形ばかりの謝罪を述べたあと、振動のランクをさらに上げることにしました。

(ブィ~~~ン!)

 目盛りは3段階に刻まれていて、先程はの『2』から一気に『3』まで上げました。

(ふふふ、さあ、これでどうなるかな?日々憧れている惠のあえぎ顔を目の当たりにできるとは。ふっふっふ、何と言う幸運だろうか。ふっふっふっ……)

「ひゃあ~~~!! ああっ! 先生! ダメです! 強過ぎます!! いやん! やめて~!!」

 プローブのランクをトップに上げた瞬間から、惠は髪を振り乱し激しく喘ぎはじめました。
 惠の内股を見ると、歓喜に咽び滴らせた愛液でべっとりと濡れています。
 私はその隠微な光景を見て止めることのできないほどの強い昂ぶりを覚えました。
 プローブを挿し込んだまま放置して、私は急いでズボンを下ろしました。
 面倒だったので下に穿いていたトランクスもいっしょにずらしました。
 私のイチブツは自分でも驚くほど逞しく変化しています。

 私は惠に挿し込んだプローブを慌しく抜き取ると、自身の怒張したイチブツを挿入しました。

「ええっ!? うそっ!? 先生! そんなあ~~~!!」

 惠は挿入されたものが何か直ぐに悟ったようでしたが、もう後の祭りです。
 私のちっぽけな理性などもうどこかに吹き飛んでしまったようです。
 私は本能のままに行動しました。
 惠を後から抱きしめ、私は下腹部を惠の臀部にピッタリと密着させました。


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