第4話「再び湯煙に揺れながら」
惠は言い逃れを試みたがしどろもどろになってしまい、余計に俊介に疑心を抱かせることとなり執拗な追及を浴びた。
結局嘘がばれてしまい 惠は混浴温泉での出来事を白状することになってしまった。
俊介は無言で惠の腕をひっぱり、先ほど惠が不貞を働いた場所へと連れていった。
混浴温泉に到着するといきなり惠に抱き愛撫を始めようとする俊介に惠は戸惑いをみせる。
「だめよ、こんなところで」
「よく言うよ、さっき知らない男とここでいやらしいことをしたんだろう?」
「……」
「知らない男とできて、夫の僕とできないはずがないだろう?」
俊介の言うことはもっともだ。
もっともなのだが、惠には何故かためらいがあった。
俊介はうなじを撫でながらやさしいキスを繰り返すと、惠は、
「誰か来るかもしれないから」
と拒もうとする。
強引に俊介が唇を奪うと、消極的だった惠も次第にうっとりと瞳を潤ませて自ら唇を薄く開き俊介の舌を招き入れていた。
もとより何ひとつ身に付けていない生まれたままの姿、俊介はなんのためらいもなく惠の鎖骨に唇を寄せた。
手が形を確かめるようにそっと胸元を撫でる。
その先端で刺激を求める突起を軽く摘まれるとお湯でほんのり染まった肌が更に火照った。
触れられる度にピクンと小さく震え敏感に反応するそこへ俊介は唇を寄せ舌を伸ばす。
「…んっ、あ…はぁ…あ、あ…っ」
思わず声を漏らす惠。
俊介は惠の腰に手を回し、もう片方の手が惠の股間に入り込んできた。
指先は茂みをかき分け亀裂を撫でるようにクニクニとうごめく。
「こういう風にいじられたのか?」
「そんなぁ……んっ、や……んん」
惠の反応を楽しむように指は亀裂の上部でわずかに硬さを持ち始めた肉豆に狙いを定める。
女性の身体の中で最も鋭敏といわれている性感帯を撫でられると思わず身体がびくびくと跳ねて息が荒くなった。
「だめよ、お願いやめてよ……」
小声でそうつぶやくが、俊介は意に介さず指を動かしつづけそっと撫でたり押し潰したりと巧みに刺激して惠を追い詰める。
現在温泉には惠たちのほか誰も入浴していないが、一晩中入浴可能なのでいつ誰が入ってきてもおかしくない。
「はぁ…っ! んぅ、や…あんっ」
爪の先でやさしくコリコリと肉豆を摘ままれると、抗えない快感の電流が身体の中心を駆け抜ける。
声を殺そうと身体を強こわばらせて耐えるものの予測できない指の動きにどんどん息が荒くなり額から汗が滲み出した。
「んあぁっ……や、そこ、だめ……」
それまで執拗に肉豆をもてあそんでいた指がぐちゅと水音を立てて亀裂に埋められる。
湯の中であるにも関わらずすでにぬめっていたそこは何の抵抗もなく指を深くまで咥えこむ。
ヌルヌルだ、と俊介は嬉しそうに呟きながら二本目の指を根本まで挿入し最も感じる一点をクイクイ押し上げ刺激してくる。
「いや、ぁ……いやぁぁ、そこ、そんな、しちゃダメぇ……」
懸命に声を抑えながら俊介の手を掴んで抵抗をみせるが、彼は構うことなく指を暴れさせる。
「はぁ……あ、あ、あっ……あぁ、もう……お願い、もう……」
俊介は、目を潤ませ太腿をピクピク震わせる惠の頬にチュ、と軽いキスをすると腕を掴んで彼女を立たせ、湯船の縁に腰を掛けさせる。
「や、何をする気……?」
声をひそめて話しかける惠に、俊介は「気持ちいいことする気」といたずらっぽく笑って惠の脚を思い切り広げる。
「くぅ……んんっ! っはぁ、あ……」
広げられた脚の間に、おもむろに顔を近づけた次の瞬間、ジュルと音を立ててそこに吸い付かれ惠は思わずのけ反って嬌声を漏らす。
ヒクヒクと震え勃起した肉豆をちゅうちゅうと吸いながら舌で転がす俊介。
周囲に誰もいないという安心感から普段では考えられないような嬌声を上げてしまう惠。
「んんっ……そこ、すごくいいっ……!」
執拗に肉豆を吸いながら花芯をまんべんなくかき回されて惠は俊介の頭を強く抱きかかえながら身体をぶるぶると震わせる。
すぐに絶頂に達しそうなほどの快感の波に飲まれた惠を焦らすように俊介は愛撫を緩めると、硬く反り返った彼自身を疼く亀裂にあてがった。
「もう我慢できなくて……挿れるよ?」
「うん……っ、早く挿れて……」