第8話「眩いほどの光景」

 惠にそう言われたリョウは、しばらく惠と繋がったまま横たわっていた。
 速いピッチで心臓が脈を刻んでいるのが分かる。
 愛し合ったあと込み上げてくる愛おしさ。
 二人は何度もキスを交わした。

 キスを交わしているうちに、ふたたびリョウの下半身に精気がみなぎってきた。

「わっ! またこんなに大きくなってる……」
「そんなに驚かなくても。惠が可愛いから、すぐにデッカクなるんだよ」
「そんなこと言って喜ばせても、何もしてあげないよ」
「何もしなくていいよ。オレの上に乗ってくれるだけでいい」
「やんっ、騎乗位でするの?」

 惠からかすかな笑みがこぼれた。

「騎乗位が好きなの?」
「うん、好き」
「どうして?」
「よく分からない。でもすごく気持ちいいの」
「ひえ~、すごくおませな台詞だ」
「おませにさせたのは誰?」
「おいおい、オレのせいにするなよ」
「だってぇリョウがしたもん……」
「つべこべ言ってないで早く乗ってこいよ」
「フェラしなくていいの?」
「もう十分デカクなってるからいらない。ゴムくれる?」
「ゴムなしでしよう」
「だいじょうぶか?」
「うん、生理前だから」
「もしできちゃったらオレ責任取るから」
「十七歳の男子が責任とるなんて無理っしょ」
「うん、まあな」
「あっさり、うなずかないで」

 天井を睨みつけている肉柱の上にゆっくりとまたがる惠。

「あっ……ああんっ……」
「惠、気持ちいいのか?」
「あんっ……、ああっ、いいっ……」

 リョウの上にまたがり、惠は背筋をまっすぐに伸ばした。
 両手をリョウの引き締まった腹の上に置き、心地よさを確認するように、腰を前後に揺らす。

「あんっ……、はんっ……」

 少し蒸し暑いせいか、それとも上気しているのか、惠の額に、汗の滴が浮かんでいる。
 リョウの両手が惠の乳房に伸びていく。
 撫でるようにその膨らみを刺激し、そして激しく揉みしだく。
 惠の肢体が震え、リョウの手を思わず掴んだ。

「いやんっ……、あんっ、リョウ……」
「惠の中、すげえ気持ちいい」
「あんっ……わたしも……ああっ、気持ちいいっ……」

 リョウの言葉に導かれるように、惠は正直な想いを口にする。
 まるで生き物のようなその太い肉柱は、秘孔の奥に音を立てて進入していく。

「あんっ……、あうっ……」

 惠の声は小さく、しかし、女子高生らしからぬつややかなものであった。
 肉柱との密着度を高めたいのか、惠がみずから腰を振り、両足を屈伸させいる。
 コンドームを装着していないことで一段と感度が高まっているようだ。

「惠、俺からも動こうか」

 リョウが腹上の惠を見つめ、そっとささやく。
 床から腰を浮かせるほどに、リョウは力強い運動を与え、惠の裸体に快楽を伝えようとしている。

「ああっ……、ああっ、しないでっ、リョウ……」

 リョウの腰の動きは小刻みなものであった。
 肢体を小さく震わせ、惠が声を漏らす。

「もっと強く突こうか?」

 リョウの手が惠の腰の曲線を掴む。
 仰向けで寝たまま膝を曲げ、リョウは尻を浮かせる。
 そのまま激しく腰を振り、惠の花芯をさらに濡らしていく。

「あっ!……、あんっ!……」

 リョウの強靭な肉柱に下方から貫かれるたびに、惠は身体の奥から濃厚な声を漏らし、裸体を少しずつ前傾させていく。
 倒れてしまうのを避けるように、惠はリョウの顔の横に両手を突く。
 再び四つん這いになるような格好で、惠は下からの突き上げ行為に肢体を何度も反らせる。

「はんっ……、ああんっ!……」
「おおっ、気持ちいいよ……惠……」
「ああっ!……、あんっ!……」
 
 佳境に入ってきたようで、惠の嬌声はさらに高まっていく。

「惠、キスしたい……」

 倒れこむように上半身を前傾させていた惠は、リョウにせがまれると、その唇を移動させる。
 唾液を交換するほどのキスを交わし、惠の喉奥から吐息が漏れる。

「ううんっ……、はんっ……」
「惠っ……かわいい……」
「リョウ……」

 惠の唇を吸いながら、リョウは力強く上半身を起こす。
 完全に床に座り直し、惠の両膝を抱えあげる。
 惠の裸体を持ち上げ、怒張した肉柱に落下させる。

「あんっ……、すごいっ……」
「どうだ?これ……奥まで入るだろう?……」
「ああっ、いいっ……、ああんっ、リョウ!……」

 リョウの肉柱が濡れて光っている。
 快感に包まれた惠の奥から大量に湧き出す蜜だけでなく、そこにはリョウから漏れた液体も混じっているに違いない。
 美脚をM字に広げられた惠の肉体が、何度もリョウの上に沈みこむ。
 その都度、惠は首を振り、あごを反らし、噛みしめていた唇をだらしなく開けてしまう。

「あっ!……、あんっ!……、あんっ!……」
 
 リョウの唇が惠の乳首をとらえ、音を立ててしゃぶりあげる。
 惠の両手がリョウの頭を抱え込み、広げられた太腿を閉じてリョウの胴を挟み込もうとする。

 そんな淫らな姿を、かつて惠が演じたことがあっただろうか。
 ゆっくりと大人への階段をのぼっていく惠。
 それはリョウにとって眩いほどの煌めきに満ちた光景であった。






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