第10話「傭兵ニコロ」

「あぁ、やめてぇ……」

 女陰は蠢動し肉柱を絞り込む。

「うわぁ~、こりゃ強烈だ!グイグイと締めやがる~!」

 肉柱を包み込んで、ピクピクとうごめく肉襞は、耐えがたいほどの快感をマルコに与える。
 若いマルコは懸命に堪えているが発射は時間の問題だろう。
 最後の反撃とばかりに、がっしりと双臀を抱きかかえ亀頭を肉襞に擦りつける。

「あぁっ、ダメぇ……」

 抑圧されていた感情の堤防が突然イヴの中で決壊した。
 決壊したと思った瞬間に欲望が滾り出した。
 マルコもまた皐丸が縮まるような凄まじい快感が込み上げてきた。

「ううぅっ……うはぁ……もうダメだ……」

 マルコは唸り立てて、イヴの肉道の奥深くへ熱い液体を注ぎ込んだ。
 射精はしたが、抜いた肉柱はまだ硬さを保っている。
 肉柱を抜くと同時にイヴの楕円形に広がった谷間から、白濁色のどろりとした粘液が溢れ出た。
 その汚液は、女陰の直下に息づく菊門へと流れ落ちる。

◇◇◇

 壁の向こうでは肉柱が離脱したことでイヴがほっと安堵のためいきをついた。

◇◇◇

 しかし安堵したのも束の間、イヴに新手の戦士が挑んできた。
 マルコが果てるのを首を長くして待ち詫びていたピエトロだ。
 目前の女陰を眺めながら自身を弄っていたのですでに大きく膨張している。
 ピエトロはすぐさまイヴの双臀を抱え挑もうとすると、残っていた粘液がまたもやどろりと流れ出た。

「きったねぇ~!マルコのものがまだ残ってるじゃねえか!」
「つべこべ言うなら俺が連続でやったって構わないんだぞ!」
「そりゃダメだよ」

 ピエトロはぶつぶつ言いながら、クリトリスを弄っている。
 
「俺がたっぷりと濡らしておいてやったから、クリを弄らなくても滑りがいいんじゃねえ?」
「放っておいてくれ。クリ弄ってから致すのが俺の流儀なんだから」
「ふん、じゃあ、勝手にしろ」

 ピエトロはマルコとの会話はほどほどに、イヴへのピストンを開始する。

◇◇◇

 クリトリスを弄られ、再び肉柱が挿入されたから、たまったもんじゃない。
 火が消えかけた快感の炎にふたたび火が点った。

「あぁああ……!」

◇◇◇

 ピエトロの場合は、マルコとは異なりクリトリスを撫でながらイヴに挑んだ。
 イヴとしては不快な肛門なぶりとは打って変わってかなり気持ちがいい。
 特にクリトリスが敏感なイヴは、ピエトロが軽く撫でるだけで、膣内がギュッと収縮してしまう。
 収縮感覚はすぐにピエトロにも伝わってきた。

「うううっ、締めつけがきつい!こりゃ堪らない!」

 ピエトロは執拗にクリトリスを刺激しながら軽快に腰を動かす。

◇◇◇

 顔も見えない相手に感じてしまうとは……イヴは口惜しくてならなかった。

(顔が見えないのに……誰だか分からないのに、感じてしまうなんて……)

 肉柱は激しく抽送を繰り返した。
 数分が経ち、イヴは膣道で肉柱が膨張するのを感じた。

◇◇◇

「うっ、うっ……もうダメだ……で、出そう……」

 その言葉とともにピエトロの肉柱から勢いよく迸った液体が、イヴの膣内に注ぎ込まれた。

「あ、あああああ~~~っ!」

◇◇◇

「あ……あ…っ!いやぁああ!!!」

 イヴは何が起きたのかを理解し、絶叫した。

◇◇◇

 精を放出したマルコとピエトロは満足そうに暗い夜道に消えていった。
 そんな少年たちの様子を建物の陰でじっと見つめている一人の男がいた。
 鍔の広い黒のポークパイハットを深く被り、目元には黒いマスクを着けていて、見るからに怪しい。
 彼の名前はニコロ。傭兵である。
 ニコロは状況を確認するとその場から急いで立ち去った。

 ニコロが到着したのはギャバン軍務大臣の屋敷であった。

「壁の女は以上のような状況でした」
「なるほど。チンピラどもは壁尻をもてあそんだだけで危害を加えなかったか。神官イヴめ、運のよい女じゃ。だが悠長なことは言ってられん。もう時間が無いぞ」
「はい、桃晒しの刑は午前六時五十九分で終了します」
「何者かがイヴに危害を加える可能性はもう少ないのでは?」
「はい、この時刻ですので大きな期待はできないでしょう……」
「このままだとイヴは無罪放免となってしまうではないか」
「その可能性は高いかと思います」
「絶対にイヴを生かして国に帰すな。イヴが帰れば両国間の同盟が成立することになるだろう。同盟が成立すればミシェールの思うがままとなり、私の立場が悪くなってしまう。ふふふ……ニコロよ、この先は言わなくても分かっておるな……?」
「はい、承知しております。必ずやイヴを抹殺してご覧に入れます」
「しくじるなよ」
「腕が立つ女とは聞いていますが、相手は壁に尻を埋め込まれ動けない状態。仕留めるのはハエを落とすより簡単です」
「見張りの執行官はだいじょうぶか?」
「はい、そちらへの手はずはすでに整えておりますのでどうかご安心ください」
「そうか、任せたぞ」
「はい、必ずやよきご報告をいたしますので、楽しみにお待ちください」


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