第9話「壁越し結合」

 看板には『いかなる行為も一切不問に付す』と記載してあるわけだから、性欲盛んで悪戯好きな彼らにとっては千載一遇の機会が訪れたと言っても過言では無いだろう。

「ここは俺が先に食っちゃうけど文句ないな?」

 同い年と言うのにマルコが兄貴風を吹かせてる。

「いやいや、ここはコイントスで決めよう」

 ピエトロも簡単には引き下がらない。

「ダメダメ、俺の方が三か月早く生まれたんだから俺が人生の先輩。こういう時は先輩を立てるものだ」

 結局ピエトロは口の立つマルコにいとも簡単に言いくるめられてしまった。

 マルコは秘所への指いじりを簡単に済ませ、まるで腹を空かせた犬のようにぺろぺろと舌を這わせた。

◇◇◇

 突然何者かにクンニリングスをされて驚いたのは、壁の向こうのイヴであった。

「ちょっと!ダメ……やめて~~~っ!」

 にわかに騒ぎ出したイヴの様子に、執行官たちも色めき立った。

「どうした!?」
「何をされたのだ!」
「誰かが舐めてる~~~!気持ち悪いよ~~~!」

 我慢強く常に冷静なイヴが、意外なことに理性を失って感情をむき出しにしている。
 刑罰が長時間に及ぶことによって、想像以上に精神的圧迫を加えているのかも知れない。

◇◇◇ 

 必死でもがいても、腰ががっちりと壁に固定されているため、マルコの舌から逃れられない。
 回廊側に響くぴちゃぴちゃといういやらしい音は当然ながらイヴの耳には届かない。
 マルコはただがむしゃらに舐めるだけでテクニックの欠片もない。
 やがてクンニリングスもほどほどに、マルコはよだれまみれになった唇を手で拭うと、おもむろにズボンを下ろした。

 赤黒くそそり立った肉柱が現れた。
 窓辺の執行官たちも声を殺してその様子を見つめている。
 マルコはイヴの肉裂に照準を合すと、そそり立ったままの肉柱を押し当てた。
 ただならぬ気配を感じたイヴは姿を見せない加害者に怯えている。
 マルコは壁尻をがっちりと押さえつけると、グイと腰を突き出した。

◇◇◇ 

「えっ……!?あ……っ!いや~~~ぁ!痛いっ!」

◇◇◇ 

 さきほどのクンニリングスでわずかには濡れていたが、それはマルコの唾液のせいであって決してイヴが滲ませた愛液ではなかった。
 唾液を付けた程度で滑らかになるはずもなく、イヴとしては苦痛でしかなかった。
 そんなイヴの心の内を知るはずもないマルコは己の欲望に任せて腰を押し込んで行く。
 いきなり硬くなった身体が、粘膜を割ったせいか亀裂が軋む。

「あ……っ!痛いぃぃ!いやぁ……!」
「唾を付けてやったのにスムーズに入らないなあ……」

 激しく奥を突きぬくように、肉柱が打ち込まれた。
 色素の薄い桜色の媚肉は、すぐに押し入ってくるものになじんだ。
 脈うったマルコの肉柱が深く埋め込まれ、ぬぷり、ぬぷりと抜き差しされる。
 だがマルコとしてはイヴの膣内は反応が乏しくて味気がなかった。
 女性が感じてくれば収縮も脈動もして具合が良くなるものだが、それも相手が愛する男に限られる。
 ましてやマルコはいきなり犯している。
 到底絶頂を共有できるわけがない。
 マルコは右手の人差し指に唾をタップリと塗すと尻の狭間に伸ばした。
 菊門の肉皺に指を宛がうと、人差し指を第一関節まで埋め込んだ。
 それが割れ目を締める結果となった。

 二人の執行官は固唾を飲んでなりゆきを見守っている。
 どのような結果になろうとも、中断してはならない決まりがあるからだ。

◇◇◇ 

 菊門を指で貫かれたイヴは膣に肉柱を挿入された時以上に大声を張り上げた。

「ひぇ~~~~~~っ!」

◇◇◇

 指を菊門に挿入したまま奇妙な体勢で壁尻に挑むマルコ。
 ピエトロは口をあんぐりと開けてその様子を眺めている。
 マルコはゆっくり膣の中を肉棒でこね、菊門に入れた指で、薄い肉壁を隔てた裏側を押した。
 ふつうなら女性の反応をつぶさに窺えるのだが、壁に遮られて様子が全く分からない。
 マルコはその点を不満に感じながらも、腰の動きは一向に止めない。
 膣の締りが実によく自身がかなり感じてきたからだ。

◇◇◇

「いやぁ~~~!もうやめて~~~!」

 イヴも同様であった。
 マルコに突きまくられ予想外の刺激が発生し、イヴの中で何かが折れて、確かに感じ始めていた。
 もしかしたら異常な中での性交は、異常な反応を生み出すのかも知れない。
 貫かれている秘肉が爛れたように火照っていくのを感じられた。

「あぁぁぁっ……」

 イヴは執行官にも分かるほどの悶えを見せていた。
 肉棒と指が、肉壁ごしにかすかに触れ合う。
 そのたびに子宮を突き上げてくるものを、じわじわと締めつけて、脈動を開始した。

◇◇◇

「おっ!この女、最初は無反応だったけど次第に反応してきたぞ!?」

 マルコが嬉しそうにほくそ笑むと、覗き込んでいるピエトロが早く交代しろと催促する。

「バカなことを言うな。これからいいところじゃねえか」

 ピエトロの催促を一蹴する。
 無反応だった膣が、マルコのモノを包み込み、しっかりと食い締める。

「おおっ、こりゃすげえぞ~」



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