第2話「魔女の容疑」

 正面にどっかと腰を掛けて冷酷な笑みを浮かべているのはギャバン軍務大臣であった。
 彼は平和推進派の国務大臣ミシェールを疎ましく思い、常に彼の転落を画策していた。
 ミュール国の使者イヴを『魔女』と位置づけることにより、ミシェール国務大臣が悪魔と手を組んで謀反を働いた……となじり、彼の失脚を計る……それが大きな狙いであった。
 そのためには、どんな理由を付けてでも、イヴを魔女に仕立て上げなければならなかった。

「魔女の印はどこだ?どこに隠しておるのだ」

 イヴの足が閉じられないことを良いことに、検査官の無遠慮な指が肉裂の中に挿し込まれ、乱暴にかき回し始めた。

(グチョグチョグチョ……)

「い、痛い!やめろ!やめろと言うに!私に魔女の印などあるはずがない!」

 テーブルの上で膝を広げられ、恥ずかしい個所を晒すイヴの肉裂に容赦のない指責めが見舞われた。

「この狭い肉のほこらに“魔女の印”を隠しているのではないのか?そうだろっ?魔女であることを白状すれば検査は許してやってもよいぞ。どうじゃ?白状するか?」
「白状するも何もないっ!私は魔女などではない!」

 検査官の笑みが消え、次第に憤怒の表情に変わった。

「おのれ、強情なやつめ。よし、これを見舞ってやる」

 検査官の指先がキラリと光った。
 親指と人差指の間に針のようなものが覗いている。
 さすがのイヴもそれを見て驚愕した。
 検査官はイヴの乳首を揉みながら、ニヤリと笑って囁いた。

「早く白状すれば痛い目に遭わなくて済むんだぞ。さあ、吐け」
「私は魔女なんかじゃない」
「そうか……。では仕方がないな」

 針がイヴの乳首を捉えた。

「ぐぐっ!痛いっ!」
「痛いだと?…嘘をつけ。痛くないはずだ」

 そういいながら、もう一方の乳首にも針をズブリと突き刺した。

「ぐぐぐっ……、いくら私の身体を責めても嘘は言わないぞ!私は魔女ではない!」

 イヴは、痛みに耐えながら、検査官を睨み付けて言い放った。

「おのれ!まだ白を切るか!よし、では3本目はここだ。おい、貴様たち、この女の豆を剥き出しにしろ!」
「承知しました!」

 左右から二人の兵士が手際よく、薄い繁みをかきあげ、実を覆う包皮を広げ始めた。

「や、やめろ!何をするのだっ!」

 手荒に広げられた包皮は兵士の指で押さえつけられ、ピンク色の真珠が剥き出しになってしまった。
 検査官の指が伸び、剥き出しの真珠をギュッとつねった。

「痛いっ!」
「痛いだと?演技がうまい女だな。ふふふ……では、この可愛らしい豆に太い針を突き刺してやろう。ぐっふっふっふ……」

 さすがの気丈夫なイヴも、信じられないような場所への責めに驚愕した。

「白状しろ…、今なら突き刺すのは許してやる。どうだ?」

(ペッ!)

 イヴは検査官を睨みつけ、彼に向って唾を飛ばした。
 彼の頬に唾がベットリと付着し、表情が見る見るうちに険しくなった。

「くそっ……甘やかすといい気になりおって……。もう許さん。これでどうだっ!」

(ズブリッ…)

「ぐわっ!」

 検査官は針を女の最も鋭敏な場所に突き立てた。
 強い電流のような衝撃がイヴの身体を駆け抜けた。
 検査官は針を刺し込んだまま、苦痛に耐えるイヴの表情を見てニヤリと笑った。

「ふふふ、どうだ?大事な場所に針を突き立てられた気分は?さぞや気持ちがいいだろう?ぐふふ……」
「うっ、うっ、うっ……、い、痛い……く、くそっ……」

 ピンク色の真珠から一筋の赤い潮が滲んでいる。
 潮は狭い肉裂に流れ込んだ。

 検査官の指が肉裂を無遠慮にこじ開ける。

「くうっ!触るなっ!」
「ふっふっふ、全く濡れてないじゃないか?魔女はここが濡れないのか?」
「無抵抗な女をこのように辱めて……、こんなことをして愉しいのか!?貴様たちこそ悪魔だっ!」

 先ほどからのイヴの罵声を気にも留めなかったギャバン軍務大臣が『悪魔』と呼ばれた瞬間から表情が一変した。

「なんだと?私が悪魔だと?ほほう、面白い。魔女に言われたら世話が無いわ。おい、検査官、そんな楽にテーブルにいつまで座らせておくんだ。すぐに三角木馬に座らせろ。できるだけ鋭利な木馬を選んでな。ぐっふっふっふ……」
「はい、軍務大臣!すぐに準備に掛かります。三角木馬であれば、減らず口も叩かなくなるでしょう」
「さあ、どうだろうな?こやつは魔女ゆえ平気かも知れぬ。とにかくすぐに乗せろ」

 早速三角木馬が準備された。
 三角木馬とは女性用拷問具の一つであり、頂上部分が尖った跳び箱のような形をしており、敵方の女性をその頂上部をまたぐように座らせ責め苦を与えるものである。
 二人の兵士がイヴを担ぎ上げ、拒絶するイヴの両膝を強引に開かせ、木馬に座らせてしまった。

「くう~っ!い、痛いっ!や、やめろ!ここから降ろせっ!」



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