第十一話 “屈辱に耐えながら”

「しっかり咥えろ。噛んだりしたらただじゃすまねえからな」
「……」

 押し寄せる嫌悪感に耐えながらありさは不潔な肉棒の先端を咥え込んだ。

「もっと深く咥えねえか!」

 弥平はありさの総髪の髷を引っ張りむりやり押し込む。

「うぐぐ」

 呻き声を漏らしながらありさは先程よりも深く咥えた。

「おお、いいぞ」
「うごっ、ごほん……」

 亀頭が喉奥に触れると、肉棒を咥えたまま軽く咳き込む。

「へへへ、その調子だ、もっとしゃぶれ」

 髷を掴んで揺さぶる。

「うっ、うう……」

 ありさは屈辱感に苛まれ、口惜し涙が頬を伝う。
 しかしめそめそと泣いたところで、許してくれる輩ではない。
 ここは気持ちを押し殺してでも男たちに従う方が、彼らの油断を誘い後に脱出の機会が生まれるかも知れない。
 ありさは口惜しさを胸に収め、肉棒を呑み込んでいく。

 その時、後方の平吉がありさの尻を平手で打った。

「おい、もっと尻を振らねえか!」
「うっ……」

 力を込めた平手打ちではなかったので、それほど痛くはなかったが、尻を打たれるとは何という屈辱だ。

(むむっ…耐えなければ……)

「もっと足を開くんだ」
「……」
「返事できねえのか?」
「はい……」

 ありさは左足をわずかに外側に移動させた。
 右足も同様に動かせる。
 陰裂が少しだけ広がり、その分だけ膣肉が露出する。

「もっと拡げろ」
「くっ……はい……」

 ありさはさらに両足の間隔を開けた。
 自ら拡げるのは、彼らに無理やり広げられるよりも屈辱だ。

 膝と膝の距離が肩幅よりもさらに広がると、平吉はそこでようやく満足し、肉棒を深く挿し込み激しく攻め立てた。

「あああっ……!」
「おお、いいぞ!もっと腰を振れ!そうだ、その調子だ!」
「おい、こっちもしっかりとしゃぶらねえか!」
「は、はい……」

(ズンズンズン!ズンズンズン!)
(ジュパジュパジュパ!ジュパジュパジュパ!)

 男たちは相当溜まっていたようで、二人の男たちはほぼ同時にありさの口と膣へ精液を大量に注ぎ込み、あえなく絶えてしまった。
 弥平が空かさずありさに催促をする。

「全部呑むんだ。吐き出したら承知しねえぞ!」
「うぐ…ぐぐ…(ゴクン、ゴクン!)」

 この世に生を受けて十八年、ありさが今まで口にしたものの中で、これほど不味いものはなかったろう。
 呑み終わった後、あまりの不快感に気分が悪くなってしまったありさは、すぐさま水を求めた。

「水を……水をくだされ……」
「ほれ、水だ。飲むがよい」

 ありさの求めに応じて水の入った柄杓を差し出したのが武士くずれの捨蔵であった。

「水が欲しいか。飲むがよい」
「ありがたい……」

 ありさが手を伸ばした瞬間、水は柄杓から零れ落ちた。

「…………」
「おっと、手が滑ってしまった。貴重な水ゆえ悪いが床を舐めてもらおうか?」
「何と……」

 わざと床に零しておいて、その水を舐めろと言う捨蔵に、ありさは憎悪の念を煮えたぎらせた。

「いや、無理にとは言わぬぞ。飲みたければの話じゃ」
「…………」

 ありさは捨蔵を睨みつけながら、無言で床に零れた水を舌で舐め始めた。

「ははははは~、まるで餌に飢えた犬のようじゃな」

 床に這いつくばり床を舐めるありさの哀れな姿を見て男たちは一斉に嘲笑した。

「さて、それがしの番のようじゃな」
「……」
「娘、四つん這いで水を舐めた褒美じゃ。仰向けに寝ることを許すぞ」
「くっ…誰が貴様などと……」

 捨蔵は床に這いつくばるありさの前で仁王立ちした。
 肉棒は天井を向いてそそりたっている。

「激しいまぐわいを見せつけられてこの通りじゃ。娘、足を拡げよ」
「断る」

 水の入った柄杓を目前で零されたことが相当ありさの癇に障ったのだろう。
 つい先ほど『屈辱に耐えて彼らに従う』と自身に誓ったが、捨蔵の行動だけは許せなかった。

「何?断るだと?」
「……」
「ははははは~、断ることなどできると思っているのか」

 両横から弥平と平吉が飛び出し、ありさを仰向けに寝かすと足首を握り左右に拡げ始めた。

「や、やめて!やめてください!」

 足を拡げた瞬間、陰裂から白く濁った液が滲みだした。
 徳太郎と平吉の体液が混在したものであろう。
 捨蔵がにやりと笑う。

「ははは、唾で濡らす手間が省けたようじゃな。さあ、それがしの太竿をしっかりと味わうがよい」

 そういうと捨蔵は一気に怒張した肉棒を突き刺した。
 
「ひぃっ!あっぅ!」 

 肉の凶器から逃れようと身体を捩ってみるが、弥平と平吉ががっちりと太腿を押さえていて微動だにしない。

「ううぐっ!」
「さすが生娘、なかなか締まりがよいではないか」

 粘膜が擦れ合う湿った音が次第に速さを増していく。
 その加速度に比例して確実にありさの身体が反応していく。

(ああっ、拒んでいるのに……どうして身体がこんなに熱くなってくるの……?)

 それは膣壁に付着したずいきの成分のせいであったが、当然ありさは知る由もなかった。

「ああっぅ、はあっぅ~~~……ひゃぁ~~~……」

 幾度となくのけぞり、汗が肢体をひからせ、振り乱した男装束の髷が妙になまめかしく映る。

「ううっ……うあっ~……もう許してぇ~……」

 短い感嘆とともに、捨蔵は果てた。
 捨蔵がわずかに萎えた肉棒を引き抜くと、陰裂から白い半透明な愛液と混ざり合った体液がドロリと会陰を伝って溢れ出た。






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