第5話「背徳の契り」

 歴戦のつわものをうかがわせる黒光りした肉太の硬竿を思わず凝視するありさ。
 見つめていると再び花芯が疼いてくる。
 それは紛れもなく父親の肉柱に、娘の子宮が反応を示した証だった。
 ありさの肉体が本能的に伸を求めているのだ。
 仁王立ちした伸は痛々しいほどに勃起した肉柱をありさに見せつけ、低い声でささやいた。

「さあ、しゃぶってくれ。うまくできたらもっといいことをしてやるから」

 と唇に亀頭を軽く押しつけた。

「……もっといいことって……?」

 ありさは疑問をぶつけたが、高まる興奮を抑えて恐る恐る鈴口からにじむ我慢汁を舌先でぬぐってみる。
「うっ……」と言う微かな唸りとともに身体をびくつかせる伸。
 ほのかにしょっぱいが最高に美味な父親のカウパー腺液を味わいながら裏筋に沿って数回舐め上げると、さらにねじり下半身を武者震いさせる伸。
 自ら繰り出す愛撫で愛しい父親がこんなにも感じてくれているのを見て快然とした気持ちで満たされる。

「どう…? お父さん……気持ちいい……?」
「うううっ……、あぁっ…いい、ありさ……すごくいいぞ……」

 眉間にしわを寄せ快感に浸る伸を見て、

(もっとお父さんを気持ちよくしてあげたい……)

 と言う願望が芽生えるのは当然のことだった。
 ねっとりとした唇を亀頭に被せ、咥えこんでみた。
 しかし先端だけで口内はたやすく塞がれてしまう。
 それでも懸命に舌を動かし、亀頭に舌を絡ませ、口の中で縦横無尽に舌を走らせた。

 じゅぷじゅぷじゅぷ……という卑猥な水音がなぜか心地よく聞こえる。
 ゆっくりと喉奥まで肉柱を咥え込み夢中で吸い立てるありさ。
 最大限の快感を捧げるためにできるだけ唇をすぼめ、なおかつ頬の内側を肉柱に密着させもぎゅもぎゅと扱きながら吸う。
 鼻で呼吸をしながらただひたすら肉柱を愛撫していると、まるで巨木を相手に奉仕している錯覚に陥った。
 呼吸を整えるために一旦口を外すと、唾液にまみれぬらぬらと黒光りする伸の肉柱がひときわ力を漲らせていた。
 うっとりとした表情でありさは問う。

「気持ち……いい……? ちゃんと……できてる?」
「あぁ……いいぞ……」

 伸は足元でひざまずき従順に奉仕するありさにねぎらいの言葉をかけた。

「本当に……? じゃあもっといいことしてくれる……?」

 目をきらきらと輝かせて喜ぶありさは、この先のさらなる展開に胸を躍らせて期待する。

「まだだ……もっと気持ちよくできたら、いいことしてやるぞ……」

 お預けを食らってしまったありさは、突として張り切ってひときわ激しくしゃぶり出した。

「おおっ……! おおおっ! そこそこっ!」

 まるで軟体動物のようにカリ首に絡みつく舌に、ありさの絶妙な口戯に伸は悶絶し、膝をわなわな震わせながら快感に打ちひしがれた。
 迫り来る暴発感を必死に堪えながらも、危うくフェラチオで達してしまいそうになる。

「も、もういい! 尻をこっちに向けて!」

 暴発寸前で肉柱を引き抜き、ありさに再び四つん這いの体勢をとらせた。
 愛蜜にまみれた花芯は先ほどよりも遥かに潤いを増していた。
 伸の肉柱を咥えている間も、ずっと愛液を漏らし続けていたのだ。
 谷間に顔を埋め、舌先を伸ばし濡れた花弁にチロチロと這わせると尻を振って歓ぶありさ。
 愛蜜は淫味を倍増させ、粘度も増していた。

「もう……だめぇ……お父さぁん……」

 今にも泣きだしそうな顔で振り返るありさ。
 執拗な愛撫に、もはや身も心も限界寸前にまで達していた。
 その女淫は陰唇をヒクヒクと収縮させ、淫汁のよだれは糸を引き、まだかまだかと父親の肉柱をおねだりしているのだ。

 伸とありさの欲望は完全に一つとなり、後はその行為を残すのみとなっていた。

 自らクイッと一段と高く突き出してきたありさの腰をつかむと、火傷しそうなほど熱く膨張した亀頭を花芯にあてがう伸。
 ニチョニチョと先端を擦りつけると、焦らす余裕もなくありさの中に浅く埋め込む。
 肉柱を半ばまでゆっくり埋めた後、力一杯一突きに挿入した。

「あっ、あっあっ……あっあっあああぁ……んぁあっ!!」
「うおぉぉっ!!」

 下界から遮断された密室のベッドの上。
 淫臭を充満させたこの部屋で、ついに父娘の禁宴が始まった。

 静かな夜更けに、娘の歓喜の声と父親の興奮の呻きが響き渡る。
 血の繋がった実の父娘ではあるが、もはやそこに背徳による罪意識などは微塵も残っていなかった。
 ただ欲情に溺れた一組の男女の交歓が存在するだけだ。

 伸が後背位で肉柱を突き立てると、花芯は愛蜜をほとばしらせながらずっぽりと肉柱を咥えこんだ。
 ようやく果たされた積年の切望に膣肉までもが歓びの感情を示し、幾千もの襞が父親の肉柱を締めつけていた。
 しばらくの間、埋め込んだまま静止していた伸であったが、ゆっくりと出し入れを始めると、ヌブヌブヌブと花芯までもが歓喜の声をあげる。
 おもむろに速度を上げていくと、呼応するようにありさの喘ぎもその声量を上げていった。

「んぁぁっ、はぅっ、お父さん、すごいっ! お父さん、好きぃっ……! もっとっ…あぁぁん、はぁっ、もっとぉ突いてぇ~~~……!!」



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