Shyrock作







第6話

 熱き膣道と氷の肉棒…この淫猥で不似合いな結合は、時空の狭間が生み出した悪魔のいたずらなのだろうか。そしてありさはその時空の狭間に迷い込んでしまったのだろうか。
 それとも魔界から妖鬼が現れ、ありさは捕食されようとしているのであろうか。
 相手の正体も理由も分からないが、ありさが今人生最大のピンチを迎えていることは確かであった。

 後方からの突き込みが一層激しいものに変わっていく。
 突かれるたびに大きく揺れるありさの真っ白な臀部。
 まだわずかに幼さが残る双臀が痛々しく映る。

(グッチョグッチョグッチョ!グッチョグッチョグッチョ!)

 抽挿のスピードがどんどんと加速していく。

(あぁ、はぁはぁはぁ……ひゃあ~、ふわぁ~……)

 そこには心ならずも蕩けていく少女の姿があった。

(あぁん、そんなぁ……こんな訳の分からないヤツに犯されているのに感じるなんて私どうかしてるわ。で、でも、すごくいいんだからぁ~。ああっ、ああっ、あああああああ~~~!)

『おお、おお、おおお、ぼく…もう出ちゃう……うぐ…もう出ちゃう!』

(ああっ、どうしたんだろう?あああっ、何か変!イキたくなんかないのにぃ~~~!あああああ~、いやぁ~~~~~~~~~~~~~!!)

(ズピュ~ン!ドクドクドク…………)

 氷の肉棒からは想像もできないほどの熱いしぶきが放出された。
 おびただしい量の液体をありさの膣内に注ぎ込むと、ピタリと動きが止まった。
 だがなかなか抜こうとしない。
 まるで性交の感動と余韻を楽しんでいるかのように……

 得体の知れないものに肉体を蹂躙され、絶頂まで導かれてしまったありさ。
 恐怖感の中で体験した不思議な快感。
 感覚は痺れたままで、まだ頭がぼんやりとしている。

 まもなく氷の肉棒は引き抜かれた。
 奇妙なことに引き抜く直前の肉棒は、まるで人間男子のそれのように生暖かいものへと変化していた。
 少し遅れておびただしい量の液体が便器の中に零れ落ちた。
 ちょうどその時……

(ドンドンドン!)

「ありさ!どうしたの!何かあったの!?返事してよ!ありさ~~~!!」

 壊れそうなほど激しくドアを叩く美枝の声に、ありさはふと我に返った。
 ぼやけていた頭が次第に覚醒していく。

(み、美枝!?私…いったい何をしてたんだろう……!?)

 ありさの心に突如強い恐怖感が蘇った。
 その頃、先程まで存在した『氷の肉棒』や『指』の感触がすっかり消えていた。
 ありさは一刻も早くその場から逃げたいと思った。
 膝に力を込めた。

「!!」

 膝が動いた。いつのまにか金縛りは解け、立ち上がることができた。

(手は!?)

 手も動いた。

「えっ!?身体が動くわ!それに声も出るようになっているわ!」

(ドンドンドン!)

 誰かがドアを叩いている。おそらく美枝だろう。
 ありさは急いでドアのノブを握った。

(カチャッ…)

 ドアが開いた。
 そこには心配そうな表情で立ち尽くす美枝の姿があった。
 ありさは美枝の顔を見た瞬間、目頭から大粒の涙がこぼれ落ちた。

「み、美枝!!」
「ありさ!だいじょうぶ!?いったい何があったの!?」
「あわわわ…あ…あれが……あれが……」

 ありさはわなわなと唇を震わせながら、美枝に何かを告げようとしているのだが、うまく言葉にならない。

「あれって…もしかして幽霊!?」
「そう…出たの……」
「ま、まさか!?」
「あの話本当だったの…」
「単なる噂じゃなかったんだ…」
「美枝~~~!!恐かったよ~~~!!」

 ありさは美枝の胸に飛び込んでわんわん泣きじゃくった。

「詳しい話はあとで聞くわ!とにかくここから早く出ましょ!!」

 ◇ ◇ ◇

 ありさは帰り道、トイレボックス内で起こったことの一部始終を美枝に語った。
 ありさの話を聞いているうちに美枝は顔色を失い絶句してしまった。

「美枝…私、恐いよぉ……あの男の子の霊が乗り移ったんじゃないかと心配なの……」
「まさかとは思うけど絶対大丈夫って言えないわね」
「どうしたらいいと思う?それにさ、あの幽霊私の中へ出しちゃったんだよぅ。赤ちゃんができてたらどうしよう…幽霊との間の赤ちゃんなんて…そんなの、そんなの絶対に嫌だよ!!」
「ありさ、取り乱さないで!落ちつくのよ!」
「うん…そうだね……でも困ったなぁ……」
「そうだ!ありさ、じゃあ、こうしようか。まさかとは思うけど念のため明日お医者さんに行こうよ。それからさ、私のお母さんの知合いに有名な祈祷師がいるので相談してみようよ」
「うん、ありがとう。美枝の言うとおりにするわ」

 ◇ ◇ ◇

 次の日学校へは風邪だと言って休み、ありさは美枝に付き添われ隣町の産婦人科医を訪れた。
 わざわざ隣町の医院を選んだのは、近所の手前もあり人目をはばかってのことであった。
 医師が女医と分かるとありさに安堵の色が漂った。
 実は美枝が気を利かせ、事前に“女医”だけを調べてくれていたのだった。


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