第5話
初めのうちは苦痛だけしかなかったが、奇妙なことに氷の肉棒に責め続けられているうちに、かすかに潤い始め同時に痛みも薄らいで行った。
(ズッチョンズッチョンズッチョン……)
(あぁ、いやぁ…………あぁ、だめぇ…………)
幽霊の肉棒と少女の美肉と言う不釣合いな組み合わせだが、二つは奇妙な不協和音を奏でていた。
◇ ◇ ◇
扉の外で待つ美枝はありさが出てくるのがあまりにも遅いので、堪りかねて声を掛けてみた。
「ありさ、だいじょうぶ……?おなか痛いの……?」
(…………)
返事がない。
それに水を流す音も聞こえてこない。
「……??どうしたのかしら……?ありさ…だいじょうぶ……?ねぇ、ありさったらぁ……」
美枝の声は当然ありさの耳に届いているのだが、声が出ないから返事もできないし、身体を動かせないから扉を叩いて知らせることも適わなかった。
その間も氷の肉棒の激しい抽挿は間断なく続いた。
(グッチョングッチョングッチョン…グッチョングッチョングッチョン…)
『ぐふふふ……気持ちがいいなあ……ぐふふふ……可愛い子とのセックスってこんなに気持ちのいいとは……ぐふふふ……最高だよ……』
(はぁ、はぁ、はぁ……おねがい…もうゆるしてぇ……)
『まだダメだよ、今いいところなんだから……ねえ、名前……何て言うの……?』
(あ…あ…ありさ……)
『ありさちゃんっていうんだ……いい名前だねえ……とても気に入った……』
(はぁはぁはぁ……)
『ねえ、ありさちゃん……四つん這いに……なってよ……』
(え?四つん這いに……?)
『そうだよ……ぼく……可愛い女の子を四つん這いにさせて……エッチするのが夢だったんだ……』
(そんな恥かしい格好できないわ……)
『ぼくの頼みを聞いてくれないの……?』
(……分かったわ……でも、身体が動かないし……)
『だいじょうぶだよ……四つん這いになってみて……』
(……?)
ありさは闇の声に従って、両手を伸ばしてみた。
するとどうだろう。いくらもがいても先程まで動かなかった両手が、自由に動くようになっている。
『両手を床へ……』
不本意ではあったが、ありさは幽霊の指図どおり両手を床に着けた。
屈むと当然尻が浮き上がってしまうが、幽霊はさらに腰高を要求する。
『もっとお尻を高く上げて……』
逆らうと何をされるか分からない。
ありさはもぞもぞと腰を動かし指示に従った。
幽霊はなおも要求する。
『お尻をもう少し後に突き出してくれるかな……』
幽霊は意のままに操るためありさの金縛りを解いたのだろうが、それはありさにとって逃亡の絶好の機会でもあった。
ありさは四つん這いになる素振りを見せながら、脱出のタイミングを計っていた。
(今だ!)
ありさは急いで這いずりながら扉の方へ駆け出そうとした。
ところが再び足が痺れてしまい、まるで足に錘をつけたかのように身体が動かない。
(うそ……どうして!?)
『ありさちゃん…今僕から逃げようとしたね……?逃げるのは無理だよ、あきらめた方がいいよ……』
(そんなぁ……)
がっくりと肩を落とすありさの背後から、再びあの冷たい肉棒が侵入して来た。
(ズニュッ!)
(ひぇ~~~っ!!)
『ぐふぐふぐふ……ありさちゃん…いい気持ちだよ……最高の挿し心地だよ……ぐふぐふぐふ…………』
氷の肉棒はゆっくりと抽挿を開始した。
最初のうちは奥まで挿し込まず半分程度挿し込んですぐに戻す、といった動きをみせていたが、次第に突き込みが大胆になり奥の方へと侵入していった。
肉棒が人間よりも温度が低いこと以外はさして変わらなかった。
人間のそれのような弾力性は感じられなかったが、硬さは男性の怒張時とほとんど遜色がなく、野球の軟式ボール以上に硬かった。
突き込まれるたびに身体が大きく揺れ、膣道は激しく摩擦される。
(ズリュンズリュンズリュン…ズリュンズリュンズリュン…)
(あぁ!だめぇ~!そんに強く擦っちゃだめだってぇ~!!)
(ズンズンズン!ズンズンズン!)
ありさは気づいていなかったが、膣内にはすでに多量の潤滑油が滲み出していた。
そのせいもあって次第に動きが滑らかになり、律動的なものへと変化していた。
それは生身の男性と性行為に及んでいると錯覚するほどであった。
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