第十七話「碁盤攻め」

 まもなく両手を拘束していた縄が解かれた。
 しかし手拭いはまだ噛まされたままで、口の中が唾液だらけになって不快感が募る。
 ありさは碁盤の前に立つよう命じられた。
 碁盤は縦が一尺五寸、横が一尺四寸、高さが四寸あり、本榧でできた高級品だ。
 渋い飴色の光沢がかなり使い込まれていることを物語っている。

「碁盤に手ぇついて、おいど上げ」

 ありさは命じられたとおり、碁盤に両手をついて、尻を上げた。
 たくし上げて帯に挟んでいた着物の裾がいつの間にかだらりと垂れている。
 先程の九左衛門とのまぐわいで裾が乱れてしまったのだろう。
 九左衛門はもう一度着物の裾をまくり上げ帯に挟み込み、ありさを昆布巻きにしてしまった。
 着物の女性と脱がさずに背後からいたす場合は、着物の裾をたくし上げて帯に挟みこむ昆布巻きが最適なのだ。
 たとえ情交を結んだ相手ではあっても、無理やり着物の裾をまくられるのは女性にとって屈辱的な行為といえる。

「もっとおいどを高う上げて」

 九左衛門はピシャリと尻たぶを打った。
 顔を顰めるありさ。猿轡の奥から小さなうめきが漏れる。

 九左衛門は後方から肉棒を太腿の間に滑り込ませ、割れ目にぴったり沿わせた。
 陰裂をなぞるように前後に腰を振るが、焦らしているのかまだ挿入はしない。
 騎乗位からわずかに時間が開いたため、もしかしたら少しだけ萎えたのかも知れない。
 たとえ萎えたとしても、男は好みの女性であれば、密着しているだけで簡単に復活する便利な生き物だ。

 密着させた瞬間の粘液感で、すぐに硬さを取り戻した九左衛門は早速背面立位でありさに挑んだ。
 碁盤に手をつき尻を高々と上げているので、深く結合することができる。
 美しい脚をガクガクと震わせ、碁盤に手をつき何とか立位を保っている状態のありさ。
 後ろから九左衛門がありさの腰を両手でつかみながら腰を強く打ちつける。
 静かな部屋に「パンパン」という打撃音が鳴り響く。

「うううっ!んぐぐぐっ!」
「どうや?首筋舐められるのんは?気持ちええやろ?ぐふふ……」
「んんぐっ!」

 うなじを舐め上げられ、気持ちが良いどころか、まるでなめくじでも這っているかのようで悪寒が走る。
 背後から抱きしめられ、胸元の合わせから手を差し込まれて乳を揉まれ、突きまくられる。
 ズチュズチュと根元まで肉棒が埋め込まれていく。
 ありさはほとんど放心状態で、尻を突き出したまま九左衛門の挿入を受け入れていた。
 年齢から考えればふくよかな尻に太い肉杭が打ち付けられ、少女の肉体は碁盤の上でゆさゆさと揺れる。
 ありさは後方から突かれ、倒れそうになると支える両腕に力を入れ、懸命に踏ん張った。
 九左衛門は両胸を揉みしだきながら、激しく肉棒を抽送する。
 ありさの額や首筋からは玉となって汗が滲み、九左衛門の攻めを懸命に堪えてる。

「むぐぐっ、んぐっ!」
「おおっ、こらぁええあんばいや~!グイグイと締め付けてきよるで~!」
「ふんぐっ!」
「あ、あかん!今出してしもたらもったいない!若い頃みたいに一晩に何遍も出えへんから、もっと持たさなあかん!」
「むむぐっ!」

 得手勝手なことをのたまいながら一旦肉棒を引き抜いた九左衛門は、ありさを横向きに寝かせた。
 ありさの右足を抱えると大きく開かせ、足先を肩に乗せる。
 ありさの股間が丸見えになってしまっている。
 先の碁盤攻めでありさの意思に反して濡らされた花弁に、九左衛門は肉棒の先端を宛がう。
 いわゆる『松葉くずし』の体勢となって、二人の性器は結合した。

「んぐっ……」

 挿入の瞬間、ありさは猿轡の奥からうめき声を漏らす。
 間髪入れず、九左衛門はありさの花弁に剛棒を突き込んだ。

「うぐっ……んんぐっ……」

 勢いよく花弁を貫かれ、たぎる剛棒が最奥まで達する。

「むんぐっ!」
「どうや?これ『松葉くずし』ちゅうんや。おそその奥突っつかれて気持ちええやろ?ぐふふふ……」
「うぐうぐうぐっ!」

 体位名など教えられても、とても覚える気になれない。
 今は一刻も早く抜いて欲しいだけだ。
 しかし九左衛門は容赦なくありさを責めさいなむ。
 花弁を貫いた剛棒の感触が、ありさの華奢な身体を突き抜ける。
 ほとばしる奇妙な感覚は筆舌に尽くしがたく、ありさは背筋を反らしたままピクピクと痙攣する。
 両脚は大きく開き、指先だけがピンと伸びている。
 さらにはありさの花弁が引きつり剛棒を締め付け、腰がぶるぶると震えだした。
 九左衛門は挿入の途中であっても肉芽をいじることを忘れない。
 時折肉芽を摘まんではありさを悩ませる。

「うごごっ!んぐぐっ!」

 ありさの理性は次第に崩壊し、混乱を来していく。
 それでも膣肉は自然の摂理であるかのように、突き込まれた剛棒をグイグイと締めつける。
 少女の花弁に対して、九左衛門は荒々しく抽送を繰り返す。
 肉を擦りつける卑猥な音が寝屋に響きわたり、結合部からは不本意な淫蜜が滴り落ちる。



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