官能小説

『ありさ コウアーション』

Shyrock 作



 
野々宮ありさ



第4話「ポルノ映画館」

 それから次の日曜日、中路が男子店員と交わした貸出しの約束は現実のものとなった。
 店員の名前は池浦という。
 呼び出しは中路からあった。

「野々宮さん、先日のアダルトショップに来てくれるかな? この前買ったエロい下着をちゃんと着けてきてね」

 しつこく念押しをしてくる中路。

「今日は池浦さんに貸してあげることにしているから俺いないし。もし俺に恥をかかせたら車野部長のこと分かっているよね?」

 ありさが店に到着すると池浦は駐車場で待っていた。
 池浦のクルマに乗り換えて二人はすぐに出発した。

「ありさちゃんは彼氏いるの?」
「……」
「なんか弱みを握られているみたいだね?」

 矢継ぎ早に次々と尋ねてくる池浦だが、戸惑いを隠しきれないありさは言葉を濁す。

「今日は池浦さんの言うことを聞くように言われています。なのでプライベートなことは聞かないでください」

 ありさがそう告げると、池浦は不満そうに口を尖らせた。

「せっかく楽しくいこうと思っていたけど、そういう態度ならこっちもそのつもりで楽しませてもらうよ」

 沈黙がつづき気まずい空気のまま、到着したところは映画館だった。
 映画館とはいってもきわどいポスターが貼られた昭和の香り漂うポルノ映画館である。
 ありさは池浦に無言のまま手を引っ張られて映画館の中に連れこまれた。
 館内は周囲を見回しても5人程度の観客がいるだけで閑散としている。

 映画が始まると、すぐに池浦がブラウスのボタンを1つ外し指をこじ入れてきた。

「マジで中路から解放してやって俺と付き合ってほしいって話するつもりだったけど……さっきの態度で気が変わった。苛めてやることにした」

 そうありさの耳元でつぶやいた池浦はブラウスを捲りあげてきた。
 ついでにブラジャーも上にずらし乳房を丸出しにすると、荒っぽくわしづかみした。
 大声を出すわけにもいかず懸命に声を抑えるありさであったが、ショーツの中に指を差し込まれ陰核を弄られてると思わず声が出てしまい、二人の様子に気づいた周囲の観客5人がありさたちのそばに寄ってきて鑑賞し始めた。

「やめ、やめてください……見られてます……」

 必死に哀訴するありさであったが、池浦は訴えを冷たくはねのけた。

「俺の気持ち無視したんだから当然だろ! 奴隷のままの扱いしてやるよ!」

 池浦は周囲の観客の男たちに目もくれず行為をつづけている。
 まもなくパンツジッパーを下ろして自ら肉柱を引っ張り出す池浦。
 あまりの強引さに観客の男たちは唖然としている。

「フェラしろよ! 早く!」

 池浦のすごい剣幕に気圧され泣く泣くフェラチオを始めると、観客の1人が図々しくも臀部に触れてきた。
 堰を切ったように、ほかの観客の男たちまでが太腿や乳房、はたまたショーツの中にまで指を伸ばしてきた。

「いや……やめ、やめてください……」
「うわあ、薄いパンツを穿いているじゃん。スケベなことをしてほしくて映画館に入って来たんだね」
「悪い子だね。そんな子にはお仕置きをしなくては」

 エスカレートしてきた観客たちは、ズボンを下ろし肉柱を剝き出しにし、ありさに強引に握らせてきた。

「いやっ……!」

 池浦は観客たちを制止するどころか、いっそう調子に乗ってありさを全裸にひん剥くと、膝の上に背中を向けて座るよう求めてきた。
 ありさは足を閉じた状態で、肉柱に向かって臀部を突き出すようにして座らされた。
 池浦は肉柱の位置を調整しながら、挿入しつつありさを自身の股の間に座らせる。
 しっかりと挿入を果たしたあと、池浦はありさを背後から抱きかかえるようにして上下のピストンを開始した。

「ああっ……いやぁ……!」

 前後左右に欲望をあらわにした観客の男たちが陣取って、ありさにちょっかいをかけてくる。

「ほら、しゃぶってやれよ!」

 池浦に催促され観客の男たちの肉柱を順番にフェラチオをするありさ。
 次々に口内に発射されむりやり精飲を強要されるであった。

◇◇◇

 ありさが脱いだ衣服を着る頃には映画も終了していた。
 どんな映画だったのかストーリーなど全く知らないまま。
 ふたたび池浦のクルマに乗せられた。

「俺、ありさちゃんにマジ惚れちゃって。……普通にデートしたかったんだけど……ごめんな……」

 池浦の態度が突然一変した。
 塩原主任と中路から脅迫まがいの仕打ちを受けていただけに、ありさとしては池浦のやさしい言葉が嬉しかった。
 それでも車野部長のことが好きであることには変わらない。

「ありさちゃん、連絡先を教えてくれない?」

 ありさはうなずいた。

(この人のことはまだよく分からないけど、今の辛い状況を打開するため、もしかしたら相談に乗ってもらえるかもしれない……)

 スマホをタップしながらふと思いを巡らせるありさであった。

「今度仕事が終わってから会ってくれる?」
「はい」

 日時は決めなかったが、次回再会の約束を交わすありさの姿があった。



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