第3話

電気屋が残されたその1カ所に口を近づける。
そこだけは指先なんかじゃなく、もっと効果のあるもので責めるつもりなのだ。

ぴたり。
しばらく若妻の股間を眺めていた電気屋の舌先が、若妻の陰核にわずかに触れた、
「!!!!!」

浴槽の中で若妻の身体が大きく跳ね上がり、その衝撃で湯船のお湯の大部分が波打ちこぼれてしまった。
それと共に若妻の身体の最奥から、まるで間欠泉のごとく、臭気を伴う液体が噴出する。

ぶしゅっ!!
じょじょじょじょー…。
しゃー。

あぁ、出てしまった。
一瞬の出来事であった。

若妻は、実は舌でその部分に触れられるのが初めてだった。
旦那は一切クンニをしたことがなかったので、それがどれほどの快感かを知る機会など今日この日まで無かったのである。
今日ここに電気屋が来なかったら、旦那がたまたま電気屋を呼んだまま外出なんてしなかったなら、死ぬまでこんな感覚に目覚めることもなかったろうに。

時間が、暫く止まった。

どれくらい経ってからだろう…実際にはわずか数秒なのだけれど…若妻はようやく、自分がいまどこで何をされていた最中なのかを、ぼんやりとだが思い出し始めていた。
大袈裟かも知れないが、それほど初めての「舌」は強烈だった。

「どした?風呂の中でオナニーする女も、風呂場でオシッコ漏らすのは恥ずかしいのか?」

電気屋はわざと意地悪そうな口調で言った。

「……………」
(恥ずかしい、もう死んでしまいたい…)

「でもな、俺の快楽責めはまだこんなもんじゃないぜ」

…確かに、まだ舌先がクリに触れただけである。
そこから先は、俗にいうクンニリングスという責めが当然あるであろうことを、彼女は悟っていた。

逃れようにも両腕は縛られている。
止めてとお願いするための口も塞がれている。

舌先が触れただけで、一瞬でイッてしまうほど感じてしまったのだ。
これでクリを舐められたりしたら、私はどうなってしまうのか…?
若妻は恐怖と絶望の表情を露わにし、懇願するような目で目の前の相手を覗き込んだ。

「ごべばぎごんごんびばげべ、ごげびぎょぐがべばばぎばぎぎば、ぎがぶぶぎゃぶっ!!」
(お願い本当に止めて!これ以上舐め回されたりしたら、気が狂っちゃう!!)

相変わらず若妻が何を言っているかなんて聞き取れるはずもない。
それにいまこの状況で何を願おうとも聞き入れられるはずもない。

「好い声で、啼いてくれよ…」

電気屋の唇がクリトリスの周囲を、あたかもキスするように包み込んだ。
しかし、まだ舌先は触れていない。
まだだ。
まだ…。
…。
(いつ来るのだろう、あの感覚が)

死刑囚がいつ引き金を引かれるのかと怯えるに等しい、この待ち時間。
それは精神を責め苛む拷問にも等しい時間だった。
(もう嫌、来るなら早く来て!!)

その衝撃は突然来た。
勢いよく秘部に吸い付かれるや否や、充血したクリトリスを、前に後ろに右に左に、右に1回転左に1回転、前後左右斜め往復また1回転…という具合に、休む間もなくチロチロと舐め転がされたのである。

「ぐあぎゃー!!!!!がべ、がべがべがべぎぃぎゃぶびゃぁa@ー!!!」
(ヴあぁぁぁ!!!!!やめ、やめやめやめいっちゃいうあぁa@ー!!!)

この舐め方は「吸い舐め」と言い、クンニに慣れている女性でもこれをされるとイッてしまうことがしばしばあるというくらい、その道では知られている技である。

しかしこの若妻は、今日初めて舌でクリトリスを触られたのだ。
そんな彼女にこのような責めはもはや快楽地獄に等しく、わずか1分足らずで再び時間の止まった世界へと彼女を誘うこととなった。

(@@@@@!!!!!)
まるで魚が陸地に上がったかのように、若妻の身体は飛び跳ね、のたうち回った。
あまりに激しく暴れたためか、もはや浴槽の水は殆んど残っていない。
若妻はひとしきり悶えたあと、痙攣したかのようにガタガタと震え出した。

(急激な絶頂に依る呼吸困難…か?)

電気屋も、さすがにこのままでは「死んでしまうかも」と思ったのであろう。
口元を縛っていたタオルだけは外してやった。
途端に、過呼吸のごとく激しい息遣いを始める。

「…はぁはぁはぁはぁはぁはぁ、ひ、へへへへへへへへ…」
口からは息だけでなく、明らかによだれも垂れている。
瞳には先ほどのような睨むような目つきがなくなり、瞳孔は半開きとなっていた。

(やり過ぎたか…いま旦那が帰ってきてもまずい。
次の修理もあるし、今日はここまでか…)

このようなことが旦那にバレないよう、目の前の壊れた人形に服を着せなくては。
電気屋が浴槽にもたれかかった若妻を置いて浴室を出ようとしたとき、若妻の口からおよそ信じ難い言葉が漏れた。

「ひょ、ひょうらい…」

「!!」
電気屋は言葉を失った。
(何だって?よく聞き取れなかったが…)

「ちょうだい…」

(まじか?
 もともとナメた夫婦にちょっと仕返ししてやるくらいのつもりで襲ったのだが…
 まさか本当に、彼女を壊してしまったのか?)

少し迷っている電気屋を、若妻はさらに後押しした。

「入れてって言ってるの!
 こんなの初めてなの!
 お願い!」



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作者渡硝子さんのHP

女性の性的な相談を受付。絶頂経験に乏しい女性に解説、ときにはエスコート。
相手に尽くすエッチがモットーと女性にとっては大変ありがたいお寺様(?)。












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