第2話

あまりにも普通な口調で返してきた男に対し、彼女は幾分か油断したのだろう。
疑問に思ったことを聞いてみた。

「電気屋さん?もしかしてエアコンの感度が悪くなってるのを治しにきたの?」

すると電気屋を名乗る男がニヤリと笑った。
もっとも、後ろから羽交い絞めにされている若妻には、その表情を確認する術はなかったのだけれども。

「違うね。私が旦那から聞いたのは、

『妻の感度が悪くなってるから、治してほしい』

ってことですよ」

「!!!!!」
(はぁ?
 何なのよそれ?
 ちょっと旦那ホントにどこ行ったのよ?)

「あな…うぐっ」
再び彼女の口は塞がれた。

「騒いでも無駄だ。ここでいくら叫ぼうが、物音を立てようが、外には一切聞こえない。
 俺がいくらドアを叩いても、アンタの耳に届かなかったようにな」
「!!!?」
「最も、旦那が戻ってきたところでここには来れねぇようになってるのさ。
 俺が中から内鍵を掛けたからな」
「!!!!???」

(…ドアを叩いたって?そんなのお風呂入ってたら聞こえないわよっ!
 旦那も旦那よ。施錠もせず私にひと言も相談せずに電気屋呼ぶなんて!
 本当に自分本位な男って大っ嫌い!!)

しかし、電気屋には電気屋の言い分もある。

「ったく、こっちの身にもなってみろってんだ。
 このクソ忙しい時期にエアコンの修理を頼んでおいて。
 来てみりゃ、当の依頼主である旦那はいねぇ。
 妻は風呂場で怪しいアエギ声を出してオナニーと洒落込んでやがる」

「ぼんがぼごぐぎがっべ、びごげががっがぼごばぎごげばがっがんごびん!!」
(そんなこと言ったって、聞こえなかったものは聞こえなかったんだもん!!)

「とはいえ、俺もプロだ。
 エアコンの件は温度センサー交換と動作確認まで済ませておいた。
 だがこっちは修理代金の集金をしていかなきゃならない。
 にもかかわらず仕事を依頼した当の旦那はいない。どうするね?」

「ごがべばがばがぐばぎょ、ばぎゃぐぅばがぎべっ!」
(お金なら払うわよ、早く放して!)

「そこで俺も考えたわけさ。
 妻を風呂場に残して施錠もせず出かけるほど防犯意識の低い旦那だ。
 そのナメた態度の代償として、修理代はアンタの身体で支払ってもらうことにした」

「がっがごぐぅぎっべんぎゃぎゃいばぎょっ!」
(勝手なこと言ってんじゃないわよ!)

「しっかし、痩せてる割に乳はデカくていい女だ。
 まぁ見てな、こっちのサービスもプロだってことを教えてやるよ」



「うぐー!!うぐー!!」

電気屋はタオルを猿轡のようにして若妻の口を縛り塞ぐと、今度はバスタオルで後ろ手を頑丈に巻き付け、縛り上げた。
これでもう抵抗のしようがない。万事休すだ。
その状態で若妻の身体は半身浴のような状態で浴槽に仰向けに寄り掛からされ、両脚を浴槽の左右の縁にそれぞれ引っ掛けられた。
…すなわち、俗にいう「M字開脚」のような状態で固定された。

電気屋の両手が彼女自慢のおっぱいに伸びる。
ガシッと鷲掴みに乳房を掴み、乱暴に揉み潰され…という展開が直ちに想像できた。

「あう、ごんがぎがばいげべがばぎぎばがんばぎげ!!」
(あぁ、そんな汚い手で私に触らないで!)

若妻は両目を固く閉じて、普段ろくに祈ったことのない神様に縋った。

が、電気屋の接触は想像していた以上にソフトタッチだった。
手の平でおっぱいを包み込むと、その乳房の下部から上に持ち上げるように、マッサージでもするかのように揉みしだかれる。
次に乳輪。ここは指先でなぞるように撫で回す。
続いて乳首は、彼女が普段そうしているように、ボディシャンプーをたっぷり付けて指先で弄り倒す。

「ぅぐあっ、がべ、がっ…」
(いや…ダメ…あっ…)

猿轡に阻まれてはいるものの、思わず声が漏れてしまう。
こんな無理やりな状況ではあるが、感じてしまっていることはもはや一目瞭然である。

続いて電気屋はボディシャンプーを勢いよく噴出し、満遍なく身体に塗りたくった。
浴槽の中も泡まみれになり、ちょっとしたバブルバスのような感じである。
滑りの良い手で撫で回されるたびに、若妻の身体がびくんと跳ね、軽くのたうつ。

無理もない。
若妻は本来、ほぼ全身性感帯のようなものだった。
普段は旦那がそこまで身体の愛撫をしていないため、彼女の性感帯は閉ざされたままになってしまっていた。
それがいま、見知らぬ男性の襲来によって花開いてしまったのだ。

背中。
背筋。
手の平。
手の指。
首筋。
耳たぶの裏側。
ひざ裏。
脚の付け根。
脚の指先。

1カ所を除くありとあらゆるところにソープまみれの指先が伸び、這い回る。
それはくすぐったくもあり、また未知の快楽に悶える感覚でもあった。

「ぼうがげっ、ばんびぎゃぐっ…」
(もうダメ、感じちゃう…)

もうあと責めるところは1カ所しか残っていないはずである。
そこをされてしまったら、どうなるかは彼女にも良く分かっていた。

「ぎがっ、ぎがっ、がべべ、ごごがべげあ、ぎばごごばべがばあばぎ…」
(いや、嫌、やめて、そこだけは、いまそれされたら私…)



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作者渡硝子さんのHP

女性の性的な相談を受付。絶頂経験に乏しい女性に解説、ときにはエスコート。
相手に尽くすエッチがモットーと女性にとっては大変ありがたいお寺様(?)。












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投稿官能小説(3)

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