第29話  フェラチオ3分! 尻叩き5発!


黒川信人の視点


「運転手さん、お願いします。急いでください」

「と、言われましても、どうやらこの先で事故があったようで」

俺と典子さんを乗せたタクシーは、歩くようなスピードで繁華街を移動する。
いっそのこと、タクシーを降りて走った方が?
いや、『花山』まで5キロ以上ある。
俺はいいとして、典子さんは……?

そんな苛立ちのような迷いを感じながら、俺は隣に座る彼女に目をやった。
だが、その目は直ぐにフロントガラスに注がれる。
青ざめるほど唇を噛んだ彼女を直視できるほど、今の俺の神経は図太くない。
おそらくだが、美里に出会うまでの俺だったら、あるいは……

それほど彼女は美しかった。
化粧っ気のない肌にほつれた髪。
憔悴しきった表情。
その、女にとってマイナスでしかないものを曝け出してでも、この彼女は男を本気にさせる。

岡本典子……
河添課長の女。そして、愛する美里が姉と慕う女性。

『黒川さん、私も……連れていってください』
記憶に残った住所を頼りに辿り着いたパン屋で、典子さんは俺にそう言った。

美里のこと。俺のこと。
俺は、美里の典子さんへの想いを、舌を急かせながら全て話していった。
おそらく『花山』で行われようとしている無残なショーのことも。

そう、あの時の悲壮感を漂わせた典子さんを、俺は一生忘れることは出来ないかもしれない。
そして、そのオーラを纏ったまま、彼女は今も隣に座っている。

「大丈夫ですよ。美里ならきっと大丈夫」

俺は根拠のない呟きを吐いた。
その俺をあざ笑うかのように、真っ赤なテールランプの明かりがフロントガラスに映り込む。
家族連れの歩行者が、俺の横を追い抜いていく。

「黒川さん、私、降ります」

「でも、『花山』まで5キロはありますよ」

「うふふ、私……これでも体力には自信があるんです」

「でしたら、お供します」

花柄のワンピースの裾をはだけさせながら、典子さんは歩幅を拡げて歩いていく。
俺はその背中を急いで追った。
そして、なんとなくだが理解できた気がする。
美里が彼女を姉と慕う理由を……


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篠塚美里の視点


「あと1分!」
「あと30秒!」
「10……7……5……3、2、1! やったぁ、お仕置き決定♪」

それから10秒後。

「んむぅぅぅッッ! れろ、れろっ、れろ、れろっ……ちゅぷ、ちゅぷ、んぐぅぅぅッ!」

「はぁ、ああぁぁ……で、出るぅ!」

どぴゅーうぅぅっ、どぴゅ、どぴゅ……どぴゅぅぅぅっっっ……!!

「ぷはぁっ! ごほっ、ごほっ、ごほっ……」

オチ○チンが射精するのと同時に、わたしはそれを吐き出した。
そして、顔じゅうをドロドロとした精液塗れにされる。
髪の毛にも、おでこにも、ほっぺたにも、唇にも。
白くて生臭い液体を満遍なく噴き付けられて、痛くて目も開けられない。

「はあ、はあ……負けちゃったぁ。もう少しだったのにぃ」

わたしは畳の上で四つん這いになると、お尻を男たちの前に差し出すようにする。
そのまま肘を曲げて、顔やおっぱいを畳に擦りつけていた。

「それでは皆様、ひとり5発でお願いします。遠慮はいりませんので、思いっきりケツを叩いてやってください。本人もそれを望んでいます。そうだね、美里?」

「うふふ、美里ってぇ、お尻を叩かれるの、だぁーい好き。だからぁ、美里のヒップをオサルさんみたいにしてくださいね」

そんなのウソよ!
美里のお尻をオサルさんみたいにされたくないよ!
フェラチオさせられて、3分以内に射精しなかったらお尻叩きのお仕置きなんて。
そんなのひどすぎるよ。
だって美里、生のオチンチンのおしゃぶりなんて、信人とだって経験ないのに。

河添だってそうじゃない。教えるのが面倒だからって、一晩中、大人の玩具を咥えさせて寝ちゃうんだもん。
だからって、オシッコの出る部分を口に含むのなんて、死ぬほどイヤだけど。
だけど……

背後で順番待ちをする男たちの気配。
それを察して、わたしはお尻を振っていた。
高々と掲げたまま、せがむように揺らせて。



パシッ!
「うぅっ!……はあぁぁ……」

「いっぱぁーつっ!」

ブンと風が鳴って、肌を叩く乾いた音がして、畳の目がおっぱいを擦った。
両目から真新しい涙が零れて、精液で汚れた顔を洗い流していく。

お尻を叩かれるのが、こんなに痛いなんて。
お尻を叩かれるのが、こんなに惨めだなんて。

パシッ!
「くぅっ!……あ、あぁぁ……」

「にはぁーつっ!」

叩かれた瞬間、鈍い衝撃が身体にはしって、その後すぐに焼けるような痛みが追い掛けてくるの。

パシィッ!
「うぐぅっ!……は、はあぁぁ……」

「さんぱぁーつっ!」

5本の指を限界まで伸ばしてグローブみたいな手のひらが、美里のお尻を打ち続けているの。

パシンッ!
「あ、くうぅぅっっ! はあ、はぁ……」

「よんぱぁーつっ!」

平等に赤く染めてあげるって、右の尻たぶ、左の尻たぶと交互に打たれるの。
少しずつ叩く位置をずらして、美里に違う悲鳴を上げさせて愉しんでいるの。

「ちっ、もう終わりか。これでラストだぁっ!」

パシィィンンッッ!
「ひぎぃぃッッ!……あぁ……うぅ、うれしい……です」

「ごはぁーつっ! 交代をお願いします」

「よぉーし、次は俺の番だ。ふふっ、いい声で鳴いてくれよ、美里ちゃん」

畳を擦る音がして、男が入れ替わった。
わたしは涙を畳に沁み込ませて、風が鳴るのを待った。
あと25回我慢すれば……
ううん、だめよ。
残りの人たちを3分以内に射精させるなんて、美里には無理だから。
美里のおしゃぶりは未熟だから。
えーっと、えーっと……
あと何回悲鳴を上げれば許してくれるのかな?
ふふふっ、誰か教えてよ。


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