官能小説『隣人 改』
しょうた&リレー小説参加者の皆様

※第1話~第2話はしょうたさんの直筆により、
第3話以降はリレー小説の皆様の合作によります
編集はしょうたさんです



第2話

 佇んでいるのは右隣の奥さんだった。白のVネックのセーターにベージュのストレッチパンツという動きやすい格好をしている。豊かな二つの膨らみに思わず視線がいってしまう。
(いかん、いかん)
 奥さんの顔へ視線を移した。
「すみません。お休みのところ……」
「いやあぁ、気にしないで下さい。それで、電気がつかなくなったというこですね」
「ええ、掃除機をかけたら突然……。で、ブレーカーも見たのですけどスイッチもオンのままだし、それで、うちだけではないのかな? と確認したくて」
「なるほど、もしかすると、ヒューズが切れているかも知れませんね」
「ヒューズですかぁ……電気屋さんに頼んだ方がいいのかなぁ」
 と、奥さんは困った顔をした。
「ちょっと、見せてください。ボク、これでも結構詳しいんですよ」
「えっ、いいんですか! お願いします」
 奥さんは曇った顔から一転して笑顔で答えた。

 そして、奥さんに続いて右隣の家にはいった。
「どうぞ。上がって下さい」
「お邪魔しま~す」
 玄関を閉じた瞬間と甘い香りが広がった。何の香水かはわからないが、いい匂いだ。
 先に廊下にあがった奥さんが、「どうぞ」と招く。
 サンダルを脱いで、廊下にあがり、先導する奥さんの後につづく。
 何度も妄想したお尻がプルプルと揺れている。柔らかそうな尻だ。
 口の中に唾液が自然と溢れてくる。
 自慢の肉棒がムクムクと膨らんできた。
 今、奥さんが振り返ったら勃起していることはバレバレだ。
 奥さんはそれを見てどう反応するだろう? 嫌悪感か? それとも、喜ぶかな?
 うーん。いかん、いかん。妻のことを知っているのだ。もし、勃起させていたことが妻の耳に入ったら家庭崩壊だ。頭を左右に振り雑念を払った。

 奥さんは電気がつかない事に気付いた場所であるリビングダイニングルームに案内してくれた。奥さんは電気のスイッチをパチパチとオン、オフを繰りかえした。
「そんなに、電気つかってなかったのに、どうしちゃったのかしら?」
「とりあえず、ブレーカーを見てみましょう」
 マンションなのでブレーカーのある位置は同じ玄関先にある。わざわざリビングダイニングルームにまで行く必要がないことは最初からわかっていたのだが、それよりも、彼女のお尻に意識がいっていた。
 ダイニングチェアを借り、玄関先へ向かった。
 椅子の上にあがり配電盤を見ると奥さんの言うとおりスイッチは下りていない。
「やはりヒューズが飛んじゃったのかもしれないな」
 分電盤の蓋を開けると、思ったとおりにヒューズは中心部から綺麗に断裂されていた。
「あっ、やっぱりそうだ! 切れているよ。ほら、見てください」
 椅子から降りると入れ替わり奥さんが椅子の上がって分電盤を覗き込む。
 僅か、数10センチのところにある奥さんの官能的なお尻に再び卑猥な感情に支配されそうになる。
「本当だ……切れている……」
 奥さんが真剣な眼差しでそれを見つめている。その時、奥さんがバランスを崩した。
「きゃあっ!」
 甲高い声を出してよろめく奥さんに咄嗟に手を伸ばした。奥さんは崩れるように体重を被せてきた。その勢いでバランスを崩し、尻餅をついた。奥さんのプニュッとした乳房が、支えようと伸ばした手のひらを押してきた。
 奥さんは、直ぐに離れ、頬をピンク色に染め乳房を隠すように両手を交差させた。バツの悪い空気が流れる。
「ご、ごめんなさい……」
「すみません」
 ほぼ同時に言葉を出したことが可笑しくて淫猥な空気の流れが日常のものへ変わった。 奥さんの照れを含んだ笑顔に心をときめかせながら、
「ドライバー貸してもらえます」
 と口では冷静さを装った。
「え~と。どこだったかしら? あっ、あそこだ。ちょっと、待ってくださいね」
 奥さんがドライバーのセットを取りにいった。

「お待たせして、ごめんなさい」
 奥さんがプラスチックのケースに入ったドライバーセットを持ってきた。
 その中からマイナスドライバーを一本借りて、使い物にならなくなったヒューズを外した。後は、新しいものを繋げれば電気は復活するはずだ。
「ヒューズの替えありますか?」
 断裂したヒューズを見せながら尋ねた。
「ヒューズですか? ……多分、ないと思います」
「まいったなあ、それがあればすぐに電気がつくんだけど。確か…うちにも買い置きはなかったよなぁ」
「それって、どこに売っているんですか?」
「近くにホームセンターがあるでしょ。そこに売っていますよ」
「私、今から買いに行ってきます」
「え、よかったら僕が行ってきましょうか?」
「いえ、せっかく直していただけるのですから、そんなことまでさせるわけにはいきません。私がいってきます」
「それなら、これを持っていくといいですよ」
 奥さんに断裂しているヒューズを手渡した。
「すみません、ご迷惑おかけして。こんなところでお待たせしておくわけにもいきませんから、こちらへどうぞ」
 奥さんに従い、リビングダイニングルームのソファに座った。奥さんは「インスタントですみません」といいながら手際よくコーヒーを用意し、「いってきます」と買物へ出かけていった。

 一人きりになった部屋で、コーヒーを一口飲み、部屋をさっと見回した。
 同じ部屋でも、こうも違うものかと感じるほど、センスの良い家具やインテリア雑貨によってバランス良くコーディネートされている。
 なんて関心しているとき、ふと、あるものに気づいた。
 ベランダにつづく窓にかけられた清潔な白いレースのカーテンの向こう側に洗濯物が揺れていた。
 もしかしたら、奥さんが普段穿いているパンティがあるかもしれないとの邪な考えが脳裏に浮かんだ。
 この部屋には他に人はいない。見るだけなら誰にもわからない。自分にそう言い聞かせて、レースのカーテンをさっと開いた。




前頁/次頁












作者しょうたさんのHP『官能文書わーるど』


自作小説・投稿小説・コラボ小説・投稿体験談が掲載。
作品数は小説だけでも700作品を超え、まさに官能の巨城。
質・量・見易さ、三拍子揃ったすばらしいサイトです。





















表紙

投稿官能小説(1)

投稿官能小説(3)

トップページ

inserted by FC2 system