第1話
ジリリリリ~ン。
携帯電話の目覚し音で深い眠りから起こされた。
「ふわぁっ」
大きな欠伸をしながら、携帯を開くとAM七時と表示されている。いつもより、三十分くらい遅い朝だ。
1人では広すぎるダブルベッドからおりて、カーテンを開くと春の優しい太陽光線が部屋の中に入り込む。雲ひとつない晴れ、なんてすがすがしい朝なんだ。
両手を天へ突き上げ、再び大きな欠伸をしながら全身の筋肉を伸ばした。
おしっこがたまっているせいであろうか、三ヶ月前から妻とセックスしていないからなのか、肉棒はパジャマの布を突き破らんばかりに硬くそそり立っている。
寝室を出るといつもリビングルームへ通じる磨りガラスの扉越しに聞こえてくる生活音がしない。
そう、昨日の朝、妻と息子は妻の実家へ帰省した。
久しぶりの静かな朝、なんて自由なんだろう。何をしたって邪魔されない。ゆっくりと自分の世界を堪能できる。
そんな解放感に浸りながらトイレに入った。誰もいないので扉を閉める必要もない。便座を開き、硬くなった肉棒を右手で強引に便器へ向け一気に尿を放った。
玄関へ行き新聞を取り、リビングルームのソファにドサッと腰掛けた。いつものように一面から読んでいく。今日も外務省の不正記事が一面を飾っていた。国民は国の景気対策の対応の遅れに四苦八苦し、リストラ、倒産、減給などに悩まされているのに、役人どもは公金をまるで自分の金のように使っている。一体、この国はどうなっているのだろう? 相変わらず、暗い話題が多い。
グーッと腹が鳴った。いつもなら、新聞を読んでいる間に妻が朝食を用意するのだが、今日はそうもいかない。
冷蔵庫を開き何か食べるものがないかと見回した。ベーコンにウィンナー、卵に食パン……。食材を溜め込まない妻なので、たいしたものは入っていない。
パンとベーコン、卵をとりだし、それらを調理した。
久しぶりに調理したわりには、上手にできた。目玉焼きの黄身は半熟で、ベーコンはカリカリと焼きあがった。
朝食を済まし空腹感が満たされると何故か? 再び肉棒がそそり立ってきた。
デリヘルでもお願いしたいところだが、財布の紐は妻に握られており、大枚は捻出できない。仕方なく、押入れの奥にある秘密のダンボールの中からアダルトビデオを取り出し再生した。
ストーリーは無く、20代前半の若奥様が、小遣い欲しさのためにAVに出演し、男優と絡むといったものである。インタビューなど余計なところを早送りし、絡みのところへテープをまわした。
たっぷりと愛撫を受けた若妻が仁王立ちの男優の肉棒へ舌を絡めている。男優を見上げながらジュボジュボとイヤラシイ音をたてながら肉棒をしゃぶり続ける。
自身の肉棒が疼く。堪らずにスゥエットパンツと下着を脱ぎ、右手で肉棒を握り締めた。
シコ、シコ、シコ、シコ―――。
(たまんないぜ、この奥さんのフェラチオ。もっと、もっと、激しくしゃぶるんだ! うぅぅぅっ、気持ちいい)
肉棒の先端部から滲み出た透明な液が手のひらに絡みつき、扱く手も滑らかになってきた。
もう少しで男優は若妻の口から肉棒を抜き、その美貌に向けて大量の精液を発射する。抜きどころだ!
フニィッシュに向けて扱く手を早めた。
その時、ピ~ンポ~ン。ピ~ンポ~ンと訪問者を知らせるチャイムの音がした。
妄想の世界から現実の世界へと引き戻され、右手の動きを止めた。ビデオは再生されたままだ。男優が若妻の頭を支えて、口を蜜壷のかわりにし、肉棒を突き入れている。若妻は男優の激しい腰の動きに眉をひそめ唇の隅から涎を垂れ流している。後、少しで、若妻の艶のある美顔にたくさんのザーメンがかけられるのだ。
再びチャイムが鳴り響いた。
チッと舌打ちをし、仕方なく、ビデオテープを停止し、急いで床に脱ぎ捨てたトランクスとスゥエットパンツを穿いてインターホンの通話ボタンを押した。
「はい?」
「すみません、隣のものですけど……。お休みのところすみませんが、急に電気がつかなくなってしまって…お宅は大丈夫ですか?」
お隣さん? 右隣の奥さんは35歳くらいの熟女特有の色気のある女性で、左隣の奥さんは新婚ほやほやといった感じで20代前半のかわいらしい感じの女性である。
2人の奥様を想像の世界で何度も抱いたことがある。どちらも魅力的な人妻だ。
どっちの奥様だろうか?
「うちはなんともありませんよ」
「そうですか……すみませんでした」
「ちょっと、待ってください」
スピーカーから聞こえる女の曇った声に慌てて返事し、スゥエットの前部が膨らんでいないことを確認してから玄関へ向かい扉を開けた。
もちろん、スケベ心があってのことだ。
作者しょうたさんのHP『官能文書わーるど』 自作小説・投稿小説・コラボ小説・投稿体験談が掲載。 作品数は小説だけでも700作品を超え、まさに官能の巨城。 質・量・見易さ、三拍子揃ったすばらしいサイトです。 |