時代SM連載小説
『牢獄の美姉弟』
~捕われの志乃と菊乃助の屈辱の日々~
作者:縄吉及びShyrock(リレー小説)





第35話「松平利定という男」

「肌を合わせておまえのすばらしさがよく分かったぞ。嫁にできぬとは惜しいことよのう」

 胎内に白濁を放出した後、志乃を抱き寄せながら一人つぶやく進十朗であった。
 よほど志乃と身体の相性がよかったのだろう。
 その証拠に進十朗の肉隗は、膣口から溢れるほど精液を注ぎ込んでも、まだ隆々と天を指していた。

「さて、志乃とは連続で楽しむとするか。安心していくがよく」

 身体を仰向けにされ、頬に唇を感じても、志乃の目は放心状態なのかトロリと溶けきったまま、動くこともなかった。

☯☯☯

 沢辺城下の南側には武家屋敷通りがあり、その中にあってひときわ立派な屋敷があった。
 松平利定邸である。
 利定は沢辺藩の奉行職を任じられており、その人望と聡明さから藩内でも一目置かれていた。奉行職は家老よりも一つ低い役職ではあったが、旗本(徳川幕府直属の家臣)ということもあり八千石の禄を与えられていた。
 そんな利定邸に一人の若い侍が訪れていた。侍の名前は宮本鉄乃進といい志乃の幼なじみであった。

 利定は直訴状を読み終わると深いため息をついた。

「よくぞ直訴状を手に入れ、私に届けてくれた。礼を言うぞ」
「何を申されます。当然のことをしたまででございます」
「鉄之進、これは由々しき事態じゃ。指南役末永謙信が言うには、黒崎大善殿が奥方様と共謀して殿に毒薬を盛り殺害を図ったと言う。大善殿と奥方様は以前から深い関係にあったことは私も薄々気づいておったが、よもや殿殺害を企てるとは許しがたい所業じゃ。あくまで推測だが、大善殿の目的は殿を殺害した後奥方様の力を利用し己が城主に取って代わろうという魂胆であろう」
「お奉行、これは一大事でございます」
「して、そなたに直訴状を持参したのは何者じゃ?」
「はい、農家を営む吉助という男でございます。なんでも末永謙信様のご息女志乃殿が傷を負い逃げ込んだところを助け匿ったようです。その後志乃殿が捕らわれた弟菊之助殿を救うため一人で敵に乗り込んだ模様です」
「なんと無謀なことを。それは危険じゃ。で、志乃と菊之助は今どこにおるのじゃ」
「はい、調べましたところ、現在ご家老の嫡男である進十朗様のお屋敷に捕らわれていると思われます」
「それはいかん。すぐに手を打たなければ大変なことになる。良忠はおるか!?」

 利定の声を聞きつけ、すぐに側近の畠中良忠が駆けつけた。まるで真面目を絵に描いたような男で今年五十になる。

「はは~! お呼びでございますか」
「すぐに手の者を二十人ばかり用意いたせ」
「ははっ、していかようなご用件でございますか?」
「家老黒崎とその嫡男が殿をあやめた疑いがあるため捕えて吟味いたす。さらには指南役末永謙信殿の子女が危機にさらされているため直ちに救出する」
「な、なんと! はは~、承知いたしました。直ちに準備をいたします!」

 良忠があわただしく立ち去った。

「鉄之進、そちも参れ」
「はい、承知いたしました」

 松平利定が宮本鉄之進を伴い、馬上の手勢二十人とともに屋敷を出たのはまもなくのことであった。

☯☯☯

 その日の昼頃、志乃は一人で風呂に浸かっていた。
 これから進十朗に再び陵辱されると思うと志乃は心が震えた。
 そして、父親謙信と弟菊之助の姿を思い浮かべて泣いた。

(ああ、お父上……菊之助……今頃どうしているのですか……?)

 身体を丹念に洗い志乃が脱衣所に出るとお米が待ち構えていた。

「さあ、両手を後ろに廻しな」

 やはり縛られたまま進十朗の相手をするのかと志乃の心は沈んだが、抵抗の素振りも見せずお米に縄を掛けられて歩いた。
 お米に縄尻を取られた全裸の志乃は廊下を歩かされ、進十朗が待つ先ほどの部屋に連れ込まれた。
 そこではどっかと胡坐をかき、進十朗が手酌で酒を飲みながら志乃を待ち構えていた。

「連れて来ましたよ」
「おお、風呂で汗を流してきたか。湯加減はいかがであった?」
「……」

 志乃は無言で着座した。
 薄笑いを浮かべたお米が出て行くと同時に、進十朗は志乃の肩に手を伸ばした。
 触れられるだけでも虫唾が走る男に、もうすぐもっと破廉恥な仕打ちを受ける。
 暗澹とした気持ちが志乃の心を覆った。

「志乃、私のモノをしゃぶってみろ」

 目の前に揺れる肉隗を目にした志乃は思わず目を背けてしまう。

「歯を立てるなよ。もし噛んだりすれば菊之助の命はないと思え」
「……」
「返事は?」
「はい、分かりました」

 触れるだけでも汚らわしい醜悪な肉隗、それを口に含まなければならない嫌悪感に志乃は身体は震え始める。
 志乃は立ち膝になると目を閉じ、その物体に顔を寄せる。
 菊之助を守るためなら何でもできる。志乃は勇気を振り絞りそれにかぶりついた。

「ぐふふ、できるではないか。もっと舌を動かすのじゃ」

 言われたとおり志乃が演じ始めると進十朗は心の中で手を叩いた。
 かつては幾度となく縁談を申し込んだが、にべもなく断ってきた志乃が自分を含んで必死に愛撫している。
 そう思うと無性の志乃がいとおしくなり、力が漲り始める進十朗であった。



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