時代SM連載小説
『牢獄の美姉弟』
~捕われの志乃と菊乃助の屈辱の日々~
作者:縄吉及びShyrock(リレー小説)




第5話「屈辱の余興」                                

 それからどの位経ったのであろうか、「お松、宴会の準備はできたぜ、みんなお待ちかねだ、小僧を連れてきてくれ」と使いの男が連絡に来た。
「はいよ、今連れて行くから」とお松は菊乃助を柱から解き放し「ほら、お坊ちゃん、みんながお待ちかねだ、さっさと歩くんだよ」と背中を押した。
 菊乃助は前によろけるように土蔵を押し出されていく。赤い腰巻一枚を身につけた菊乃助の後姿は男とは思えない色っぽさを感じさせた。ただ背中で縛り上げられきつく握り締めている手がなんとも言えない哀れさを感じさせるのであった。
 菊乃助は屈辱を必死に堪え素足で玉砂利を踏みしめ足を進めている。これから大勢の前で考えられないような屈辱を味合わされるのだ。それを考えると菊乃助の足は小刻みに震えるのであった。菊乃助は心の中で「姉上!」と叫んでいた。

☯☯☯

 その頃、志乃は菊乃助のことが気がかりで布団の上に何度も起き上がり、そのたびに「寝ていなくちゃ治りませんよ、ほら、横になって」と何度も面倒をかけていた。
 志乃はどうしたらいいか考えていた。父上の言いつけどおり少しでも早く密書を江戸に届けなければならないのだ。しかし、菊乃助を見捨てることなどできない。しかし、女一人の手で救い出せるであろうか。救い出すどころか二人とも捕えられてしまうに決まっている。密書が大事か菊乃助が大事か志乃の頭の中は混乱した。
 菊乃助は今どんな目にあっているのであろう。死ぬより辛い目にあっているのではないだろうか、志乃は気がかりで落ち着かなかった。

☯☯☯

 その通り菊乃助は腰巻一枚の姿にきつく猿轡を噛まされた屈辱的姿で男達が待ち構えている宴会の席に押し出されていた。

「ひゃー、女より色っぽいぜ、ハッハッハッハ」
「この小僧、おちんちんついているのか」などと屈辱的言葉が浴びせられた。

 お松は菊乃助を床柱に立ち縛りに縛り付けた。

「おい、お松、そんな腰巻剥ぎ取ってしまえ」と声がかかった。
「はいはい、わかりましたよ、夜は長いんだからそうあわてなすんな、ホッホッホ」とお松は腰紐の結び目に手をかけた。
「あっ、ううっ」と菊乃助が体を硬直させた。
「はい、武家のお坊ちゃんの裸だよ」とお松はサッと菊乃助の腰から赤い布を剥ぎ取った。
「うっ、うう」と菊乃助の顔が屈辱に激しく歪んだ。

 哀れにも男の全身が大勢の人前にありありと曝されたのだ。

「ハッハッハッハ、可愛いじゃねぇか、年増の女郎よりずっと色っぽいぜ、ヒッヒッヒ」
「まだ毛も生え揃っていねぇじゃないか、見ろよ、かわいいおちんちんしてるぜ、なめてやりてぇよ、ハッハッハ」などと男達は言いたい放題のことを言っている。 

 同性とはいえ隠すこともできない肉隗をゆっくりと眺められている恥ずかしさは耐え難いものであった。

「おい、お松、余興といったがどんなものを見せてくれるんだ」と男達から声がかかった。

「はいはい、じゃあ始めようかね、まずはここの邪魔な毛をツルツルに剃り上げて見せましょう、フッフッフ、剃る役は私達のような年増よりは若い女の方がお坊ちゃんも気持ちいいだろうからこの間足抜けを計ったお美知にさせることにしましたよ、はい、お米、お美知を」とお松が言うと障子が開き、素っ裸に男物の褌一枚を身につけたお美知がお米に押されるように入ってきたのだ。

「ハッハッハッハ、今度は女の褌姿かこりゃあいいや、お美知、似合うぞ」などと男達は囃し立てるのだ。

 お美知は菊乃助の前に膝を突いて座らされた。
 お美知はまだ十五だけに恥ずかしいのか目の前の菊乃助の股間からは目を背けていた。
 お米が剃刀やお湯の入った桶などを菊乃助の足元に並べた。

「お美知、さぁ、始めるんだ、言った通りにやるんだよ」とお米がお美知の耳元で言った。

 しかし、お美知は恥ずかしいのかなかなか始めない。

「どうしたのさ、お美知、早く始めな、まずは剃りやすいように大きくしてやるのよ、ほら、早く握るんだよ」とお米は急かせる。

「ほら、早くしな、しないとまたいぼ縄責めだよ」とお松も待ちきれなくて言った。

 お美知はあきらめたのか菊乃助の顔を見上げ軽く頭を下げ手を伸ばし肉隗をやさしく手のひらで握り締めた。

「ああっうっ」と菊乃助が体を仰け反らした。

 お美知は「ごめんなさい」と小声で囁きゆっくりと手を動かし始めた。



前頁/次頁





















表紙

投稿官能小説(4)

トップページ
inserted by FC2 system