時代SM連載小説
『牢獄の美姉弟』
~捕われの志乃と菊乃助の屈辱の日々~
作者:縄吉及びShyrock(リレー小説)





第3話「菊乃助受難」

 志乃は神社から半里程離れた所の農家の庭にたどり着いた。中から腰の曲がったお婆さんが出てきて「どうしなすった?あら、血が出てるじゃないですか、まずは家に入ってくだされ」とお婆さんは中から娘を呼んだ。
 すぐに三十四、五歳の女性が飛び出してきて

「お母さん、どうしたの、この人誰?」
「ここに倒れていたんだよ、怪我されているようだから家に運んでおくれ」とお婆さんは娘に言った。

「わかったわ」と女は志乃に肩を貸すようにして家の中までなんとか運び入れた。
「すみません、ご面倒かけて……、すぐに出ていきますから」と志乃は立ち上がろうとしたがその場に倒れこんでしまった。
「これこれ無理しちゃだめだよ、気にしないでゆっくり休んでおくれ」とお婆さんはやさしく言った。
「すみません、それではお言葉に甘えて少しだけ休ませてもらいます」
「なにも遠慮することないんだよ、こんな所だがよかったらいつまでいてもいいんだからね、お里、この人の足の怪我を見てやっておくれ」とお婆さんは娘に言った。
「はい、お婆ちゃん」と娘のお里は奥から薬箱のようなものを持ってきて志乃の足首を押さえた。
「ううっ、いっ……」
「足首を痛めているようね、でも軽い捻挫みたいだから無理しないでゆっくり休んでいれば直るわよ、遠慮しないでいいからゆっくり休んで」
「ありがとうございます、でもゆっくりしていられないんです、少し休ませてもらったら発ちますので……」
「だめよ、無理したら歩けなくなるわよ、急ぐ用事があるんでしょうけど、しばらく動いちゃだめ、わかった」
「は、はい、……」

 志乃はお里に頭を下げ、敷いてもらった布団に横になった。
 しかし、志乃は菊乃助のことが気がかりで落ち着かなかった。

☯☯☯

 その頃、菊乃助は笹川一家の大きな屋敷に連れ込まれていた。笹川一家はこの辺に大きく縄張りを張り、女郎屋も二軒も商う大きなヤクザであった。

「おい、捕まえたぞ、あの似顔絵のガキの方を」と緊縛された菊乃助の背中を押し男達が裏庭に入ってくる。

「ご苦労、ところで姉の方は逃がしたのか」と笹川勝蔵が出てきて聞いた。

「もう少しのとこで見失いましたが、必ずこのガキを救いに現われます、心配しないで下さい」
「しかし、来ないかもしれねぇぞ」と勝蔵が言った。

「親分、そこは考えていますよ、弟が死ぬより恥ずかしい思いをしていると聞けば、見捨てて江戸に行くなどできませんよ、ヒッヒッヒ」と辰蔵という笹川の片腕の男が言った。

「おめぇが言うなら間違いねぇだろう、任せるぜ、フッフッフ」と勝蔵は目の前に猿轡を噛まされ身を震わせて立っている菊乃助をなめ回すように眺めた。

「ヒッヒッヒ、めんこい小僧じゃねぇか、女郎屋でも使えるかもな、変わった客がいるからなぁ、ヒッヒッヒ」
「親分、今日はもう暗くなるから明日の朝、この小僧を素っ裸で椿屋の前に晒し者にします。必ず姉さんは助けに来ます、そこを……フッフッフ」
「フッフッフ、それはおもしれぇ、楽しみだ、それじゃあ今晩はこの小僧を肴に前祝いといくか」と勝蔵は菊乃助の方に目を向けニヤリと笑った。
「じゃあ、親分、前祝いの支度はまかせてください、女郎のお松とお米にも手伝わせ楽しくやりましょうぜ、ヒッヒッヒ、おい小僧、その前に体をきれいに洗わなきゃなぁ、さっさと歩け」と辰蔵は菊乃助の背中を押した。

 菊乃助は裏庭にある土蔵の中に連れ込まれた。土蔵の中には女郎らしき女が二人待ち構えていた。先ほど辰蔵が言ったお松とお米の二人なのであろう。準備よく土蔵の中央に大きな桶が置かれていた。その中にはお湯がたっぷりと入っていた。菊乃助の体を洗うためのものなのであろう。

「おい、お松、この小僧をきれいにしてやってくれ、いいな」
「はいはい、わかりましたよ、なんとかわいい子じゃないか、惚れ惚れするねぇ」
「お前達の玩具じゃねぇ、遊んでなどいねぇで早くきれいにしてやってくれよ、いいな、今この小僧を裸にして縛りなおすが、洗っている間絶対縄を解くんじゃねぇぞ、逃がしたら大変なことになる、わかったな」
「はいはい、承知しました。逃げられないようにあそこを握っていますから、フッフッフ」とお松は菊乃助を見てニヤリと笑った。

 辰蔵達は菊乃助に群がり一旦縄を解くと無理やり着物を剥ぎ取っていった。

「無礼者、なにをする、や、やめろ、ああっ。あっ・・・」と菊乃助は抵抗したが荒くれ男達の力には勝てず褌一枚に剥き上げられ再び後ろ手にきつく縛り上げられていった。

 お松とお米はそんな菊乃助をニヤニヤして眺めている。

「よし、これでいい、お松、後は頼んだぞ」と辰蔵は縄尻をお松に手渡すと子分を一人置いて出て行った。
「米ちゃん、じゃあ、始めようか」とお松は菊乃助の褌に包まれた股間を見下ろし言った。
「そうだね、始めようか、坊ちゃん、こっちにおいで」とお米は菊乃助の腕を掴んだ。
「なにをする、汚らわしい、放せ」と菊乃助はお米の手を振り払って出口の方に走った。

 しかし、縄尻をお松に掴まえられているため、後ろに引かれ横転してしまった。

「お坊ちゃん、逃げようなんて考えるんじゃないよ、土蔵から逃げても外にはいっぱい笹川の子分達がいるんだよ、そんな格好で逃げられるわけがないだろう、ハッハッハ、私達の言うことをきくのよ、わかったね」とお松とお米は菊乃助を抱き起こし立たせると褌の紐の結び目を解いた。

「あっ」と菊乃助の声が轟いた。
 菊乃助の腰から褌が滑り落ちるように床に落ちた。
「ああっ、」と菊乃助はその場にしゃがみ込んでしまった。
「あら、恥ずかしいの、見せてよ、ほら、立って」とお松とお米は菊乃助の腕を両側から抱えるようにして無理やりその場に立たせた。
「あら、かわいい、まだ毛が生え揃っていないわ、フッフッフ、こんなに縮んじゃって、後で大きくしてあげるからね、もうあきらめなさい、ほら、この桶の中に入るの」とお松は菊乃助のお尻をピシャリと叩いた。



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