第7話“屈辱の会場への道”

車がとまった。
後ろのドアが開けられ「おい、檻を下ろせ」とマスターの声がした。
檻のまわりに座っていた男達は立ち上がり真美達が詰め込まれている檻を荷台をすべらして後ろのところまで押した。
「女とはいえ3人も入っているとこんなに重いのか」などとグズグズ言いながら檻を持ち上げ車から地面に下ろした。
ヒンヤリとした空気が真美の素肌に感じた。
そこは木が覆い茂った森の中だった。
檻のふたが開けられ引きずりだされるように三人の女は外に出された。
しかし、長い時間狭い中に詰め込まれていたため足が思うように動かなく女達は立ち上がれなかった。
そこは少し広くなった所で外車や高級車が十数台停まっていたが人影はなかった。
「お客の方が早いじゃないか、もうこんなに来ているぜ」とマスターが停まっている自動車の方を見て言った。
「おい、女達、ここからは車が入れない山道だ少し歩いてもらうぜ、少し休んだら出発だ」とマスターは女達に言い男達を集めなにか話をしている。
真美はあたりを見回した。
シーンと静まりかえった中に川のせせらぎが聞こえる。
車が止まったすぐ横を川が流れていた。
その川に古びたつり橋がかかっている。
ここはどこなのであろう。
隣に横たわっている美香に話し掛けようとしたが口には猿轡をかまされているため話すことができなかった。
男達は話が終わり近づいてきた。
「よし、出発だ。女達ほ立たせろ」とマスターが言った。
しかし、女達の足はまだしびれがとれていないのかうまく立ち上がれないのだ。
「なんだ、手間がかかる女達だ」と男達は乱暴に腕をつかみ立ち上がらせようとするのだ。
真美も腕を乱暴につかまれた。
そのとき、矢沢金融で最初に会ったあの五郎が駆け寄ってきて「健二さん、僕が立ち上がらせます」と真美の腕と体をやさしく支え立ち上がらせてくれたのだ。
「大丈夫歩けますか」と五郎は心配そうに真美に聞いた。
「ええ、大丈夫です、すみませんでした」と真美は軽く五郎に頭を下げた。
「なんだ、五郎、お前女にやさしいじゃないか、ヒッヒッヒ、この女に惚れたんじゃないだろうな」と健二が五郎の顔を覗き込むようにして言った。
五郎の顔が少し赤らんだ。
「よし、行くぞ」とマスターが声をあげた。
女達の縄尻を三人の若い男達がつかむと「よし、歩きな」と背中を押した。
よろけるように女達は縄尻を持たれ歩き出した。
人気のない森の中とはいえ素っ裸で、それも後ろ手に縛られ恥ずかしい部分も隠すことさえできない姿で歩かされる恥ずかしさは耐えがたいものであろう。
男達は背中で縛りあわされた手をきつく握り締め足を進める女達の後姿をニヤニヤして眺めながらついてくるのだ。
足をすすめるたびに微妙に形を変え左右に悩ましく揺れる女達の双臀は男達の目を魅了していた。
真美は歩くたびに股間に食い込んだ縄が敏感な局部を刺激する感触に必死に耐えながら足を進めていた。
「三人ともいいケツしてるな、矢沢社長はどのケツが好みですかね」などとマスターが聞いている。そんな会話が真美達の恥ずかしさをさらに増させるのだった。
「俺はあの新しい女の尻が好みだが、さっきから五郎が邪魔で見えないんだよ、おい、五郎、邪魔だお前は後ろを着いてこい」と矢沢が叫んだ。
その声に五郎は「は、はい」と立ち止まりみんなの後ろに仕方なさそうにまわった。
五郎はみんなの目から真美の体を隠そうと真美の後ろを歩いていたのだ。
そんな気持ちが真美には通じていた。
「ヒッヒッヒ、今度はよく見えますよ」と矢沢は目を細めて真美のお尻に食い入るような視線をむけるのだった。
真美はそんな男達の視線が自分のお尻に集まっているのを感じさらに恥ずかしさが増すのだった。
山道は軽い傾斜ではあったが長い道のりであった。
三十分位歩いたのであろうか、深い森を出て野原のような山頂に出た。
正面の小高い丘のような所に三十人程の人影が目に入った。
あれが今日の野外SMショーの客達なのであろう。
それよりも真美はその丘の上に不気味に並んで立てられている十字の磔柱を目にし足がすくんで歩けなくなるのだった。
あんな明るい所に全裸で晒されるのかと思うとこれが夢であればいいと願う真美であった。



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