SM小説『秘境の生贄美少女』

縄吉作




第2話 

目を覚ますと床に横になっている自分にハッとした。
起き上がろうとすると、手の自由がきかないではないか、空気がじかに肌に触れるような感触に自分の体を見下ろした。
なんとパンティ一枚の姿になっている自分の体、それだけではない、その体にどす黒い太い縄が複雑に巻きつけられているではないか。
手は背中できつく縛られている。
もがいてみたがビクともしない。
昔の罪人縛りのような亀甲縛りにされているのだ。
どうしてこんな姿に。
そしてここはどこ。
美樹はあたりを見まわした。
自分の足元のほうにもう一人素っ裸にされ同じように縛られ転がされている男が目に入った。
あっ、肇さんだ。
どうして二人がこんな目に。
声を出して肇を呼ぼうとしたが言葉にならない。
猿轡が噛まされていたのだ。
肇は気絶しているのか動かない。
もう一度あたりを見まわすとこの部屋は太い角材で組まれた格子に囲まれた牢屋になっているのだ。
よく時代劇などで見る小伝馬町の牢屋のような形になっている。
江戸時代にでもタイムスリップしたような光景なのだ。
頭の中に素っ裸で磔にされていたあの女のことが浮かびあがってきた。
あの時眠くなったのはあのお茶に睡眠薬が入れられていたのではないか、もしそうであれば私と肇はどうなるのであろう。
これは夢なのか現実なのか、夢であってほしい。
その時、牢舎の扉がガラッと音を立て開けられ数人の男が入ってくるのだ。
あっ、あの時見た役人姿の男達だ。
とっさに股間を隠すように私は足を縮めた。
「ヒッヒッヒ、お嬢さん気がつきましたか。そっちの男はまだ眠りがさめないようだね、お嬢さん、あんた達も不運だね、こんなところに迷い込んでくるなんて、我々にとっては幸運だったがね、ヘッヘッヘ、変なところだと思っただろうな、どうせお前達はもうここから一生出られないんだ、教えてやるよ。ここはね会員制のSMクラブなんだよ、それも特にマニアのための高級クラブなんだぜ。会員は江戸時代の女囚責めが好きなお偉方だけで大手企業の重役さんや医者、そういえば議員さんも一人いたな、なにせこれだけの設備と上物の女を取り揃えているんだから会費もけた違いの年一千万だせ。一般の人じゃ手が出ない会費だ、その代わり会員は女を自分の好きなように何時間でもどんな責めでも楽しめるようになっているのさ、先月など責めすぎて死んだ女がいるほどだ。あんたもその女囚になってもらうのさ。逃げようなどと考えるんじゃないよ。また迷子になって狼の餌になってしまうぜ、フッフッフ、明日は会員の先生方が東京からヘリで四人来ることになっている。新人がいなくて困っていたところだ、ここに女囚でいる女達は借金のかたにつれてきた女が大半でね、ただ美人が少なくて会員の先生方から苦情が出ていたところだ、あんたみたいな美人ならすぐ指名されると思うよ、覚悟しておきな。」
その言葉に唖然とし目の前が真っ暗になってくるのだった。
「その前に今日はあんたの体の検査をしなくちゃならないんだよ、ぉい、この女を連れ出せ」
とその男が言った。
「へい」
と数人の男が牢の扉を開け中に入ってきた。
逃げようともがいたが縄が自由を封じていた。
男達の手が体に触れてくる。
わたしは恥ずかしさと恐怖に体を丸く縮め抵抗しようとした。
強烈な震えが体を襲った。
体に巻きついた縄を持たれ無理やり男達に立ちあがらせられる。
縄が柔肌に食い込んでくる痛みに自然に顔が歪んだ。
「フッフッフ、お嬢さん魅力的な体しているね」
と男達が全身を嘗め回すように眺めている。
耐え切れない恥ずかしさがこみ上げてきた。
なにせパンティ一枚の姿なのだ。
薄手のナイロンパンティを通して陰毛がうっすらと見えているのだ。
男達の視線が私の股間に向けられている。
耐え難い恥ずかしさに顔が赤く染まってくる。
また縄で締め上げられた乳房も男達の視線に晒されている。
ニヤニヤしている男達の顔が目に入る。
ああ、体中を見られている。
こんな多くの人前で裸の姿を見られたことなど今までにないことだ。
突然「おい、外に出るんだよ」
と背中を押された。
仕方なく腰をかがめ狭い出口から外に出た。
牢の外に出されると無理やりかつらをかぶされるのだ。
美樹は江戸時代の町人の娘のようにされたのだ。
「ほら、歩くんだよ」
と縄尻を持った男が強く背中を押してくる。 
男達がまわりを取り囲むようにして外へと引き出された。
外はまぶしいほどの晴天なのだ。
太陽が体を照らし出した。
半裸で野外に引き出された恥ずかしさが胸を締め付けるようにこみ上げてきた。
抵抗もできず男達のされるがままになるしかない屈辱は美樹にとって耐え難いものだった。
男達の視線が自分の下半身に集まっているのがわかる。
「おい、見ろよ、いい尻しているじゃないか」
などと男達の声が耳に入ってくる。
ああ、お尻を眺め回されている。
足を進めるたびに微妙に形を変えながら左右に揺れる双臀の動きを男達は好色な目で見ているのだ。
耐え切れない恥ずかしさがこみ上げてくる。



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