第14話

昨夜の興奮が冷め遣らぬうちに朝がやってきた。
寝てもさめても、頭の中ではまだまともに顔すら合わせていないお姉さんでいっぱいだ
あまり眠れなかったが、ダラダラと朝食をすませ制服を着て、ボサボサの髪を
セットする気もなく家を出た。
朝はいつも母が玄関先を掃いている。「いってらっしゃい」と見送られるのが日常だ。
フラフラと玄関を抜け母の掃除しているあたりへ向かうと何やら話し声がする。
また近所のおばさんとの井戸端会議でも始まっているのであろう(笑)
・・・・・・・・・・・・・・・僕はその場で凍り付いてしまった。

母「あっ!タカシ。こっちへいらっしゃい。もう髪の毛ボサボサなんだからぁ」
☆「うふふっ♪おばさま、とぉってもかわいいじゃないですかぁ」
そうそこに立って母と笑顔で会話しているのは、僕が昨夜覗き見をしたお姉さんだった。
昨夜のいやらしく喘いでいたお姉さんとは、全く別人のような上品な女性だった。
母「タカシったら、数年ぶりの再会でそのだらしなさったら。お母さん恥ずかしいわぁ」
僕の方がたまらなく恥ずかしかったのは言うまでもなくせめて寝癖くらい直すべきだった。
姉「あら、全然気にならないわよ。タカシくん。相変わらずかわいいし(笑)
お久しぶりね、私のこと忘れちゃったんじゃないかしらぁ??」
少し寂しそうな表情のお姉さん。忘れるはずもない。昨夜も十分お世話になったのだから。
僕「あっ・・いやぁ・・その・・、お・・おはようぅ・・・」
あぁ・・やっぱり僕はガキだ。もっとシャキっと出来ないものかぁ・・
母「ごめんなさいね。まだきっと寝ぼけているのよ。最近は学校から帰っても部屋に
  こもりっぱなしでね、そのくせ、朝は寝坊だし困ったものよ。あはは」
あぁ・・母親よ。どうしてそう余計なことばかり言ってくれるのだろう。
僕の頭の中は真っ白だった。あんなに感じていたじゃないか。それがみじんも感じない。
まさに両親・近所の人達が自他共に認める「清楚でお上品な娘さん」そのものである。
シンプルなファッションにシンプルな髪型。思わず下着姿を重ねてしまう。

姉「おばさま、高校生の男の子だもの。好きな事に熱中して、よく眠って、
すごく大事なことだと思うわ。」
母「そうかしら。ありがとう。そうそうタカシ、サユリちゃん仕事の後も受験生の
  家庭教師をしているらしいのよ。本当に立派ねー。
タカシも少しは勉強みてもらいないさいよ。本当にバカなんだからぁ。あははは」
僕の母親はあっさり何でも笑って言ってしまう。悪気は感じないが恥ずかしい時が多い。
姉「私が教えているのは中学受験のお子さまですもの。高校生のお勉強わかるかしら」
母「サユリちゃんなら問題ないわよ。あっ!タカシ遅刻しちゃうわよー!」
僕「あっ・・・じゃぁ・・・あっと・・えっと・・・・」
姉「あら私も出勤しなくちゃ。タカシくんまた昔のように窓から話しかけてみてね(笑)」
そうさりげなく言い残してお姉さんと僕はそれぞれの目的へと出発した。

お姉さんの話口調でわかったのは、僕はいつまでも小学生にも満たない子供なのだろう。
だからあんなに簡単に、窓からなんて・・言えたんだ。
きっと僕が窓から毎晩お姉さんを見つめて、自分のものを握って感じているって知ったら
幻滅してしまうのかなぁ?
あまりにも久々のお姉さんはさわやかで、まるでいやらしいお姉さんは
すべて僕の妄想の世界の人なのではないかと思うほどに別人だった。
窓の話を出されると、うーむ、これから覗き辛いなぁ・・・

学校から帰宅して、部活で汚れた体を風呂で洗いさっぱりして部屋に戻った。
お姉さんはまだ帰ってきていないようだったので、僕は今朝のさわやかなお姉さんを
思い返しながら窓から上半身を出し、お姉さんの部屋の窓を見つめていた。
最近はずっと寝不足が続いていて、お姉さんを待つこの時間はたまらなく睡魔に襲われる。

そのときだった、下のほうから聞き覚えのある声がした。
姉「あら!タカシくん!もう帰ってたのね。早速待っててくれたのかしらぁ?」
お姉さんが帰宅したのだった。僕は一瞬ヒヤッとした。バレた!そう思ったのだ。
しかしお姉さんは約束を楽しみにしていた子供のように捉えているようだった。
しばらくしてお姉さんの部屋の窓が開いた。
ガラガラー
姉「えへへ。ただいまぁ、タカシくん」
なんだか夢でも見ているような気分だった。毎日観察していたお姉さんが目の前にいる。
僕「あっ・・えっと・・おかえりなさい。」
姉「まだ緊張してるぅ?かわいいなぁ。待っててくれたの?うれしい!」
まるで子供と話す口調である。そりゃ大人の女性からしたら僕は子供でしかないのだろう。
僕「あ・・いや。たまたま窓を開けたら、お姉さん帰ってきたから、驚いて・・」
姉「ふふっ。そっかぁ。残念だなぁ。嬉しかったのなぁ・・」
とちょっと寂しそうにお姉さんは微笑んだ。


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