第6話

 晃一の宿直研修も最後の日を迎えた。
 この夜も二人はキスをして抱き合った。
「香織……」
「何?」
「……」
「どうしたの?」
「香織・・・ 退院したら結婚しよう」
「……」
 香織は言葉が出なかった。
「香織、君とずっと一緒にいたい」
「……」
「僕じゃダメなの?」
「……」
 香織の目から涙がこぼれた。
「君を必ず幸せにしてみせる!」
「晃一、抱いて……」
 香織はピンクのガウンを脱ぎ全裸になった。

 薄暗い部屋の中で晃一の腰が蠢いている。
 香織は口を閉じ声を押し殺していたが、既に限界だった。
「あ~~、あ~~、い、い~、」
 晃一が突き上げる度に、香織の喉から淫声が漏れた。
「あっ、あっ、い、いい、こ、晃一、、いい~~、あぁ~~~~~」
 必死になって口を閉じようとしている香織を見て、晃一の雄の本能は益々盛んになった。
「香織…… 香織…… うぅ、、」
 晃一が香織のツボを捕らえ始めた時、香織の意識は遠のいていった。
「こ、晃一~~、も、もうダメ~~、あぁ~~、い、いきそぉ~~」
 既に晃一も限界を迎え、大量の愛は出口付近まで込み上げていた。
「あぁ~~、い、いくよ~~、うぅ、うぅ、あ、あ、あぁ~~~~~」
「あぁ~~~~~いくぅ~~~~~」

 香織は晃一の愛を体内で受け止めてた。

 香織がガウンを纏い窓際に立った時、思わぬ光景が目に入った。
「あっ……!」
「どうしたの香織?」
「晃一!見て!」
 晃一もベッドを離れ、窓際に立った。
「……綺麗だ……」
 二人の目に映ったのは、外灯に浮かび上がるタンポポだった。
 中庭全体に咲き誇ったタンポポは、神秘的な色を醸し出していた。

「香織、綺麗だね……」
 中庭を見ながら晃一が言った。
「……」
「どうしたの香織?急に黙っちゃって……」
「でも、タンポポって雑草よ!」
「えっ?」
「所詮雑草だから、綺麗に咲いても誰からも祝福されないのよ!」
「……」
「雑草は雑草らしく生きるしかないの!」
「……」
 香織の目から涙がこぼれた。


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ネット小説界新進気鋭の麗人作家真理子さん。
愛溢れる官能小説からハードでちょっと危ない体験談まで。
サイト開設以降数多くの小説投稿は、管理人さんが持つ
『カリスマ性』『豊かな人間性』『人柄』が所以であろう。

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