後編(5)

 だが皮肉にも、魔御の指はその奥の、湿り気のあるピンク色の秘裂に入り込む。
 奥までやりながら、必死に声を上げないように泣く薫子のそこを見つめる。

「流石小学生。一応処女みたいですね。けど…」
「けど?」

 やっと手を離され、薫子はすっかり抵抗する力を無くしたのか、俯いている。

「いじったことは、あるみたいですね。
 クリ○リスの皮も剥けているし…自慰を何度もしているみたいで、めくれてきてました」

 さらりと言う。
 恥辱を煽らせてでもいるかのような、恥ずかしい事実を暴露され、みるみるうちに薫子の頬が赤くなる。

「へぇ…流石最近の小学生は違いますねぇ。発達の早いこと…」
「ひどいっ…そんな…う…ッ」
「今から泣いてたら、持ちませんよ?」

 薫子の目隠しが外される。
 一瞬こちらを見られないだろうかとは思ったが、もうそんなことを気にする暇もないようだった。
 妖子が楽しげに微笑んでいる。

「さぁ…始めましょうか。楽しい遊びの時間ですよ」

「いやぁっ!」

 薫子の悲鳴が部屋中に響く。

 妖子の言う楽しい遊び。
 それの始まりは、紅い紐で体を縛る所からだった。

 無論薫子にもミチルにもそんな知識はないが、SMという言葉に近い雰囲気だった。
 胸を絞り出すように上下に縛られ、Y字バランスを取るように、右足が天井からの滑車のロープに繋がれた。
 どんなに暴れても、股間を隠すことはできない。

 縛られたせいか、それとも妖子に刺激されたせいか、薫子の乳首は解りやすいくらい尖っている。

 その体制にする間、妖子は悲鳴を上げる薫子を、楽しげに見つめるだけだった。
 セッティングは、すべて魔御がやったのである。

「結構いいっすね。子供には似合わないかと思ったけど」
「えぇ。恰好はこれで?」

「一応一旦オッケーで。最後にまたよろしく」
「はい」

 魔御は一礼をし、妖子の後ろに下がる。

「これ以上、何するつもりなのよぉっ…!」
「怪。お待たせ。お前の出番すよ」

 いつのまにか現れたのか、側にあったソファーに腰掛けながら、妖子は指を鳴らす。
 するとドアの方から、スーツとは少し違うタイトな恰好をした怪がやってくる。

「はい…妖子様」
「初心者さんなんだから、あんまり痛めつけないように」

 ニッコリ微笑む妖子に軽く一礼し、怪は薫子の側に来る。
 手には、乗馬用の鞭が握られていた。

「ぃっ…いやぁっ! やだっ…やめてぇ! そんなので叩かれたら死んじゃうぅっ!」

「死ぬ訳ないっしょ? 怪の鞭の腕はプロ級っすから」

 楽しそうに笑う妖子の言葉に、怪が苦笑する。

「滅相もない。妖子様に比べれば…」

 二人の会話の内容は、すでに理解の範囲を超えていた。
 ミチルは、これから行われるだろう凶事に声も出なかった。

「…始めなさい」
「…はい」

 後ろにゆっくりと怪が回る。
 薫子は悲鳴も上げられずに、恐怖に震えている。

 そして。

 --ピシーッ!

 最初の一撃が、薫子の背中を打った。
 薫子の体が、思いきり跳ね上がる。
 そのまま続けて数回、鞭が打ち据えられる。

「ひぃーっ! いやぁっ! きゃぁあっ!」

 一度目には、あまりの痛みに上げることを忘れていた悲鳴が、続けざまにあがりだす。
 何度も。

 少し間を置きながら、鞭は何度も薫子の背中を打つ。

 妖子がスッと手をあげると、その鞭が動きを止める。

「あぅ…ぅ…」
「ご感想は?」

 聞かれても、答える余裕なんかなかった。
 肩で息をしながら、爪先立ちになっている左足がプルプルと震えている。



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