後編(4)

「依頼がきたんすよ。あんたを少し懲らしめてくれって…だから、夢の中であんたがもうオイタ出来ないよう、再教育して上げようと思いまして…ね」
「ゆ…め…?」

 訳がわからないと言った雰囲気の薫子の首筋を、妖子の指が撫でる。

「ヒャッ…」
「ここは夢の中。あんたの体は、ちゃんとお家のベッドの中なんすよ。けど心は…ここで今から辱められる…こんな風にね」

 妖子の淡いピンク色の唇が、薫子の大きめな胸に触れる。

「ぁっ…嫌っ…イヤァッ…!」

 その唇が段々と先端にちかづき、その先でやんわりと尖り出した乳首をチュッ…と吸い上げる。

「んぁっ…イヤァ…やめ…てぇ…」

 薫子がどんなに体をよじっても、妖子の愛撫からは逃れられない。

「おっきなオッパイだこと…Cカップでしたっけ? 羨ましいなぁ」
「はぁんっ! ダメッ…そんなの…いやぁやめてぇ…!」

 薫子の声が一際大きく上がる。
 妖子の歯が、敏感になって尖ってきた乳首を、コリコリと甘噛みしてきたのである。

「いい声…」
「ッ…ど…してぇ…!?」

 女の…しかもほぼ未経験な快楽のはずなのに。
 こんなに感じてしまうのが、薫子は不思議でならなかった。

 尤も、まだ小学生である。
 くすぐったいくらいにしか感じなくてもおかしくはないのに。

「あたしの体は全身媚薬みたいなもんでね…こういう触られかたしたら、感じない人はいないんすよ」

 薫子の内心を読んだかのように、妖子はクスクスと説明する。
 空いた方の胸にも手がかかり、やんわりと揉み出す。

「あんっ! いやぁ…何なの…これぇ…ッ!!」

 腰が揺れ、甘い息が漏れる。
 どんなに暴れても、却って官能的にしか見えない。

 小学生の、まだ発達途中の少女二人が絡み合うその光景は、あまりに耽美だ。
 性的な知識のないミチルですら、そう思った。

 いやらしいとか下品じゃない。
 綺麗で…卑猥なのだ。

「さて…気持ち良いだけじゃあ、お仕置きになりませんからねぇ…」

 舐めていた胸から離れ、妖子がニッコリ微笑む。

「魔御。先にチェックしましょうか」
「そうですね」

 硬直しているミチルの横を通り、魔御は二人の方に歩み寄る。
 そして、不意にしゃがんで、薫子の足首を持ったのだ。

「やっ…何…?!
 ぃ…いやぁーっ!!」

 そのまま、持った方の右の足首を持ち上げられ、大きく開脚させられてしまったのだ。
 目隠しをしているものの、今自分が全裸なことくらい、薫子は判っていた。
 だからこそ、何人かいるこの空間で、自分の最も見られたくないだろう場所を見られて、悲鳴を上げたのは無理もなかった。

「いや…ッ!やめてぇぇっ!」

「ご安心を。僕は医者なんだ。君だって、病院とかで診察してもらうだろう?
 これもただの触診だから」

「魔御は腕は確かなんでね。あんたが処女かどうか確認します。それによって遊び方が変わりやすから」

 そんな暢気な二人の声を余所に、薫子は必死に自分の秘所を見られないよう、足を閉じようとしているのだ。
 だが、魔御が掴んだ上げられている腕は、びくともしないのだ。
 お陰で、悶えているようにしか見えない。

「それじゃ…っと」

 魔御の空いた右手が、ゆっくりと薫子の太腿を撫で上げる。

「ひッ…イヤッ…嫌だったらぁっ…!ァッ…」

 魔御の指が、薫子の股間の茂みを撫で、ゆっくりとその奥の襞を拡げて行く。

「ぃや…だったら…も…やめてぇ…ッ」

 目隠しをしたままの薫子の頬を、涙が伝う。



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