後編(3)

「だ、ッて…」
「言い訳は許さない。貴女は失敗したんだもの。…殺さないのは私からの慈悲だと思いなさい」

乳首にもたっぷりと塗られ、ダリアの性感帯がぬめった液体に汚される。

「これは罰よ。反省なさい」

イリアが、ヒールの踵で床を鳴らす。すると壁の下の方の穴から、太さが10センチはあろうかという蛇がするすると顔を出した。

「ひぃっ…!?」

ダリアの表情が強張る。
まさか。そんなこと。そう思いながらも、体は想像の恐怖に震えてしまう。
シュルシュル…と音が近づいてきて、蛇の頭が体に触れる。その直後だった。

「きゃん!!」

一匹の蛇が、ぱっくりとあいた女の穴に、顔を埋めて来たのである。

「ヒィイッッ!! 嫌ぁあぁ!?」
「調教用の子達だから、餌の塗ってある場所をいたぶるように教えてあるの。
 毒はないから、噛まれても痛いだけだし、許可無しに食いちぎったりしないから安心しなさい」

イリアの落ち着いた声は、ダリアの耳には入っていなかった。
太い蛇や、その後ろにいた細い蛇が、己の股間に入り込んで暴れ、硬い肉芽を噛み、乳首を舐めている。
膣と腸壁を鱗の感触が襲う。アナルまで犯され、悲鳴は雄叫びにも近くなった。

「ギィイイィッ!? やめてぇえっ! 死んじゃうぅうっ!」
「…一晩たったら、抜いてあげるわ」
「きひぃいーっ! 嫌嫌嫌ぁあぁあっ!!」

首を激しく振り、唾液を撒き散らしながら叫ぶ妹の姿を見ながら、イリアは息をつく。

「…今に見てなさい。お前もすぐに苦しむことになる…」

冷たい青の瞳が細められ、憎悪よりも別の何かの強い女の声が響く。

「…可哀相な…マリア…」

少女の咆哮。女の欲望。響くは声ばかりではないのに無数の愛欲がかいま見える。
誰の想いも重ならぬまま、夜ばかりが更けていった。


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朝はいずれくるもので、これが本物の朝かは天井でわかる。
落ち込んだ妖子を慰めたのは勿論可愛いペット達だ。
眠るまで側にいるつもりが、一緒に寝てしまっていた。朝の弱い妖子が起きる頃には皆仕事に着いていたが、それでも匂いが残っていて。
支度をしながら、微笑んでいた。

学校につくと、ダリア…美羽の姿はなかった。席はあるし中に物があるから、消えたわけではなさそうだ。そう思って座っていると、足音と殺気が近づいてくる。

美羽だった。

小学生の姿になってはいるが、殺気を含んだ視線は相変わらずである。
肌から香る性臭は、朝方までそういうことをしていたということで。

「あんたのおかげで酷い目にあったわ」
「あたしにゃ何のことやら」
「しらばっくれないで! あの後姉さんに死ぬ程罰を受けたわ。みんなあんたのせいよ!」

濡れ衣だ。なんて言う暇もなく、美羽は怒鳴る。
これではそっちが悪いなんていったら、噛み付かれるのではなかろうか。


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