前編(3) 鬼人の肉棒の根本には、絞めるタイプのペニスリングが付けられていて、勝手に到達できなくなっている。 だがそれでも抑え切れないのか、先端からはトロトロと精液が溢れ床を濡らす。 部屋の中自体が白い鬼人の部屋に絨毯はなく、白いタイル張りになっているのはこの為だ。 部屋でのプレイで床を汚した場合絨毯だと面倒だからと、鬼人が嫌がったのである。 鬼人の部屋は淡泊だった。 洋服ダンスとアクセサリーのケース。調理用の包丁やナイフの入ったボックス。それに大きめの檻。 それが鬼人の寝床で、中には昔妖子がくれた汚れた毛布と首輪に繋がる鎖。 これが好きなのだと言って聞かないので、妖子も好きにさせているのである。 鞭の音が止み、妖子がゆっくり前に回る。 精液とは違う物が床に滴り、それがボールギャグで強制的に開けられたままの鬼人の唾液であるのはすぐにわかった。 それを外してやると、鬼人は寧ろ口寂しそうに舌を伸ばしてくる。 「まるで雌猫…いかせて欲しい?」 「ぁ…」 コクンと頷く鬼人の頬を伝う唾液を拭い、妖子はそれを舐める。 「してほしかったら、ねだりなさいな。これを外してやったんだから、口きけるっしょ?」 天井の滑車はこの屋敷の部屋には必ずあるのか、そこから吊されたままの鬼人の体がビクッと震える。 妖子はどこにも触れていない。 何故鬼人が反応したのか。 理由は妖子の視線だ。いつもは魔力に制御をかけているのに、今日は大分加減がない。 意思の弱い者ならこれだけで絶頂を迎えられそうな瞳に見据えられ、優しく囁かれる甘い声を耳の奥で理解している間に目の奥がチカチカするような快楽に襲われる。 壊れそうな程の快感は、脳を鈍くさせる。 そして一時間程ギャグで押さえ付けられていた舌も、もつれてなかなか動かない。 「あ…ゥ…ぅあ…」 「ねだる言葉も言えないの? お前は…知能を持たない家畜と変わらないすね」 滑車から腕の鎖を外され、鬼人の体が勢いよく床に倒れる。 「あぐっ…」 「今日は気絶するまでなんて言いやせん。 気絶しようがしまいが、あたしの気の済むまで可愛がってあげやしょうね。 お前はただの家畜なんだから、否定の言葉も吐けないっしょ?」 妖子が珍しいくらいニッコリと笑う。 「発狂しないよう、祈りなさい?」 髪を乱暴に掴まれながら、全身に響く快感と痛みに意識がぼやける。 今日の主は、いつも以上に不機嫌だった。 *--- 「…生きてるか?」 長時間吊り下げられていた体は中々動かず、鬼人は思い出したかのように必死に呼吸をした。 「…ぁや…こ…は…?」 「もうお休みになられた。下ろしてやれと言われたからそうしただけだ」 縄や道具を片付ける怪の言葉を聞きながら、鬼人はやっと血が通い出した指を動かしてみる。 「…今日…機嫌、悪かった…」 「そうだな。何かあったようだが話してはいただけなかった…」 前頁/次頁 |
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