後編(3)

「目が覚めたみたいね。ナツ」
「…姫…?」

陽菜の声が聞こえる。何故陽菜は無事なのだろう。

「助けて! 縛られて動けないッ…」
「ダメよ」
「!?」

魚月の懇願を、陽菜が軽くはねのける。

「なんで…」
「だって…縛ったの、私だもの」

陽菜の言葉に、魚月は硬直する。
何故そんなことをする必要があるのかわからない。

どうしてこんな…。

考えれば考える程わからなくなり、魚月は震える。近づいてくる陽菜は足元で立ち止まり、ニッコリ微笑む。

「ナツ。私貴女を奴隷にしたいの。誰よりも欲しい…性奴隷として、ね」
「せっ…」

これがあの陽菜の言葉だろうか。信じられない。

おしとやかで優しくて、控えめで恥ずかしがり屋の、あの陽菜が、自分を奴隷にしたいというなんて。

親友だと思っていた。
いや、今でも思いたい。
夢なら覚めて。こんなの。

「ナツ…大好きよ。期待以上の体だわ…」

うっとりした表情で、陽菜は魚月の腿を撫で上げる。

「ひっ…いや…やめて! やめてよ姫! こんな…こんなのひどいよ!」
「ひどい? どうして?」

「信じてたのに…親友だって…なのにッ! こんな…こんなことされるようなひどいこと、あたししてない!」

涙が溢れる。親友に裏切られた悲しみが、悔しさが、溢れ出してくる。
だが陽菜はクスクスと笑い出す

「嫌だわナツったら…。これは嫌がらせなんかじゃないのよ? わからない?」

陽菜は、涙を零す魚月の頬を撫で、キスしそうなくらい顔を近づける。

「私…ナツのことが大好きなの。友達としてじゃなくて、恋人になりたいの。愛してるってこと」

「愛…?」
「そう。けど告白したって無理だろうし…第一私、好きな子は徹底的に虐めたいタイプなの」

間近にある陽菜の顔が、再び微笑み。

「愛してるナツ。だから私の奴隷になってもらうわ」

頬を包むようにしていた手が、ゆっくりと首筋から降りていく。鎖骨から胸にいき、その形のよい胸を揉みだす。

「ひぁっ!? やっ…やめてぇっ…!」

胸を他人に揉まれたことなど一度もなかった魚月は、奇妙なその感触に悲鳴をあげる。
だが陽菜の愛撫はやまず、甘い振動に尖り出した尖端をキュッと摘み上げる。

「きゃぅっ…!」
「乳首が大きいとクリ○リスも大きいっていうけど…本当かしら…?」

「ひ…やめてっ!嫌ぁっ!」

陽菜の指がゆっくりと下腹部へおりてくる。
股間の茂みを撫でる陽菜の指先に刺激され、魚月は体を硬直させる。
同性からの愛撫には嫌悪もあったが、あの薬によって毎日の自慰を条件づけられていた魚月には、快感も感じる程であった。

「やっ…アァッ! ダメェーッ!」

ゆっくりと襞が開かれていく。赤く色づいた肉芽が、陽菜に曝される。

「大きいわね…虐め甲斐があるわ…」

陽菜がそこを摘みあげる。

「アヒィッ!」

柔らかくつまむだけならいざ知らず、ギュッと押し潰すようにして引っ張ってくるのだから堪らない。
魚月は嫌々するように首を横に振る。勿論、やめてくれるはずがない。

陽菜は、暫くクリ○リスを弄びながら魚月が鳴くのを観察していたが、ふとその指を離す。
やっと開放されたのかと思えば、陽菜が残酷な言葉を口にする。

「ナツ。私の奴隷になる気になった?」
「ッ!」

やめてくれると思ったのにそういわれ、魚月は唇を噛み締める。



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