第2章 第9話「内科検診」














第2章 第9話「内科検診」

 素肌を曝け出すのは恥ずかしいことだけれど、健一という恋人を持つ千奈美には、とても甘くてドキドキすることなのだとも思っていた。
 それなのに……。
 校長に鷲掴みにされた巨尻には、その手の生温かい感触と、食い込んだ指の感じが残っている。撫でられたくびれにも、揉まれた胸にも、どこもかしこも校長と教頭の二人に悪戯され、まるで全身にナメクジの這った跡でも残された気分がした。

 そして、内科検診だ。

 各種測定やスリーサイズと同室で実施される内科検診では、ほけんだよりにもあった通り、思春期発来の早すぎや遅すぎを確認するため、乳房を正確に確認するという。必要なことなのはわかっているが、名前も知らない男の手に触れられて、決していい気持ちはしなかった。
「はい。じっとしてねー」
 と、言いながら、内科医は左右の乳房を片方ずつ、上下にサンドイッチにして両手に挟み、押し潰す方法で触診する。
 その後、鷲掴みにして揉み始めた。
 指に強弱をつけながら、存分に躍らせて深く揉み込む。

 もみ、もみ、もみ、もみ、もみ……。

(診察なんだよね? これも――)
 内科医の目は事務的で、先ほどのニヤけた視線に比べれば遥かに良い。乳房にある病気の予防や早期発見に繋がる以上は、ずっと納得しやすいところはあるが、だから快く揉ませてやろうなんて素直な気持ちは沸いてこない。
(……早く終わって欲しい)
 ただ、それだけだった。

 もみ、もみ、もみ、もみ、もみ……。

 内科医の手は、じっくりと調べている。
 これが健一の手であれば、嬉しいというか恥ずかしいというか、何だか照れ臭い空気の中でモジモジしながらお互いに触り合う。甘美なボディトークの時間になっただろうが、現実に目の前にある顔は、ただ仕事上の作業に専念している男のものだ。
(健一……)
 初めて自分の胸に触れるのは、たとえ診察目的だろうと、やはり恋人の方がいい。大事なものを奪われて悲しい気持ちが、千奈美の目尻に涙を浮べていた。
 だが――。
 何よりも嫌なのは、担任の伊藤敬介がそれを眺めてくることだった。
「へへっ」
 わざわざ見えやすい位置にポジションを確保して、女子生徒達が順番に胸を揉まれていく光景を遠慮なく視姦する。
「うへへ」
 そして、口元が歪むほどにニヤけていた。
(やだ……)
 内科医は乳首をつまんで、指先でころころ転がす。少なからず身をよじると、それを見た敬介先生はさらに微笑む。
(……先生、キモい)
 泣くような思いで、千奈美の心は呟く。
(乳首も早く終わってよ)
 親指と人差し指によって、左右同時につままれた二つの乳首は、揉むようなつねるような刺激で突起している。
 何度も何度も引っ張って、Cカップの乳房は伸びうる限りまで伸びては縮む。
 爪先でコリコリと、執拗なまでに苛め抜く。
(うぅぅ……)
 乳首への責めは長かった。
 もちろん、この触診自体もまず嫌だが、きちんと仕切りでも立てて、女医の手で行うか、はたまたは女性看護師の立ち合いでもあったなら、とりあえず普通に受けるだろう。良い気持ちはしなくても、必要性を理解して、ごくごく普通に我慢するだろう。
 何なんだ。
 この担任は――。
(……お願いがから見ないでよ)
 願いが通じるわけもなく、敬介先生の視線はいつまでも遠慮がない。
「では側弯症を診ます。背中を向けて下さい」
 後ろ向きになった千奈美の背筋へと、べったりと手の平が這い回る。体中の毛穴がぞわりと広がり、
「――ひうっ!」
 寒い時の身震いと同じようにブルッと震えた。
 さらに顔の接近してくる気配がわかり、背骨のラインが視診によって確かめられる。
「立ってください」
 指示によって千奈美は直立。
 すると、ショーツのゴムに指がかけられ――

「――んっ!」

 ほんの少しだけ、下げられてしまった。
 それは背骨から尾てい骨にかけてを確かめるため、適切な位置までずらしたに過ぎない。露出するのは尻の割れ目のせいぜい1センチ程度なのだが、急に指が入った上にずらされたショックに千奈美は顔を歪めていた。
「背筋は真っ直ぐのまま、ゆっくりと前屈して下さい」
 それが左右の肩甲骨の高さを比較して、歪みがないかを確認する目的なのは、千奈美も知識的に知っている。指示自体はきちんと聞くが、ポーズとしては後方にお尻を突き出すのだ。担任の視姦がある中で、どうぞご覧下さいと言うようなものなのが、本当に嫌でたまらない。

 じぃぃぃぃぃぃぃぃ――――

 案の定とでも言うべき視線が突き刺さった。
「…………」
 唇を噛み締めた千奈美は、ただ無言で耐え忍んだ。



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