第2章 第5話「メールで 2」














第2章 第5話「メールで 2」

 ……恥ずかしい。
 決して綺麗とはいえないではない場所に、健一の手が触れている。それは何だか、自分の秘密箱の中身を見られているような感じがして、心の中がとてもムズムズしてきていた。
 心がかゆくても、かけない。
 というか、恥ずかしい。
 想像の中の健一が、真っ直ぐに自分の顔を見つめている。こんな真っ赤な顔であまり視線を合わせる気がしなくて、千奈美は思わず目を背け、横顔を枕に埋め込んだ。
『濡れてる?』
 そ、そんなことまで言うなんて……。
 初めは乾いていた肉の秘裂が、ほんの少しずつ分泌される愛液でぬかるみを帯び始め、たった何滴かを漏らしたほどの水気が広がり、それは四指の皮膚に染み込んでいる。
「す……少し……だけ……」
『そうなんだ』
 千奈美の真実を知った健一は、途端に荒息を漏らしていた。
 興奮したんだ。
 千奈美への愛撫を想像している健一は、これでより正確に千奈美を知り、イメージを本物に変えている。
 そう思うと――。

 キュウゥゥゥゥゥゥゥ――

 と、下腹部が引き締まり、甘い痺れが走って、少しずつ滲むような愛液が秘裂の細い縦筋から染み出てくる。
 マッサージを続ける四指にぬかるみが絡み付き、千奈美は自然と性器全体に広げていく。もしもアソコをまじまじと見たなら、割れ目とまわりの土手にかけ、まんべんなくヌラヌラと輝いていた。
「どっちの手で、してくれてるの……?」
『右手かな』
「……そっか。右手、気持ちいい」
 千奈美は言った。
 不意に言葉で伝えたくて仕方がなくなり、だけどそんな告白をするのは恥ずかしくて、とても小さな声になってしまう。
『ん?』
 小さすぎて、聞き返された。
「きっ、気持ちいいのっ! 健一がしてくれてるから、だから凄く感じて……」
 自分自身、一体何を言っているのだろう。千奈美が本当に伝えたいのは、ただ感じている事実じゃない。大切にされているのが嬉しいから、この快感に心地良く浸っているのだ。
 愛されていて嬉しいから、その気持ちを健一にわかって欲しい。
『好きだよ』
「う、うん!」
『入れていい?』
「ももっ、もちろん!」
『じゃあ、今日触った俺のものを思い出して?』
「うん、わかるよ。まだ手に残ってて、凄く硬いんだなっていうのが、しっかり覚えてる」
 初めて握り、射精に導いたのだ。思い出そうと思えば、あの硬くて熱い感触は、すぐにでも手の平の中に蘇る。
 それが、いよいよ千奈美の中に……。
『千奈美のアソコに当てた。もう、入れてる』
「うん」
 千奈美は想像した。
 自分の指でいうと三本分の太さのあった肉棒が、千奈美の処女膜を突き破り、中へ中へと進んでくる。穴の中身を押し広げ、やがて奥まで到達して、それは根元まで埋め込まれるのだ。
『入った』
「……うん」
『動く』
 肉棒の出入りが始まって、千奈美はそれに見立てた指を挿入していた。あれが自分の中にあったら、どんな具合がするかを出来る限りリアルに想像して、健一を感じようとピストン運動を繰り返す。
 ニチュリ、ニチュリと、指に絡む愛液が淫猥な音を鳴らしている。甘い痺れが秘所から太ももにまで駆け巡り、微量な電気で軽く痙攣するかのように、ピクッ、ピクッ、と尻を跳ね上げながら腰全体をくねらせる。
「健一ぃ……」
『っはぁ……千奈美……』
「健一……」
 お互いの名前を呼び合う。
『気持ちいいか?』
「うん。健一は……?」
『気持ちいい』
「どれくらい?」
『かなり、気持ちいい。もう病みつきになるかも……』
「……嬉しい」
 千奈美は儚く笑んで、甘い色香に包まれた気持ちで快感に浸っていく。膣壁の狭間がギュっとキツく引き締まり、自分自身の指を締め付ける。荒くなった淫らな吐息が、電話の向こう側にも通じて、そんな千奈美の息遣いを聞いた健一は、ますます興奮に息を荒げていた。
『……出る』
「どこにくれる?」
『胸にかけていい?』
「……うん」
 千奈美の鼻腔には、精液のツンとした香りも残っている。
『んっ……! 千奈美……!』
 健一の射精。
 胸の上へと降りかかり、熱い粘液の感触が、肌にすぅーっと染み込むはずだ。膣から指を引き抜いた千奈美は、自分自身の想像の余韻に浸り、しばらくは息を荒く乱していた。
 すごく、よかった。
 健一と通じ合えた実感と、悦んでもらえたことの嬉しさで、千奈美の胸は満ち溢れる。
「私ね。本当は嬉しかったよ? 私にも気持ち良くなって欲しいって」
『そっか。なら、次は……』
「次は、本当にしたいね」
 いつの日か。
 もっと、幸せに……。
『ゴールデンウィークの時に、うちの親が二人とも旅行に行く。家に俺一人だけになる日があるんだけど、来れる?』
「……え?」
 千奈美としては、単に「いつか」と思っていたが、思いがけず具体的に未来を示され、少しきょとんとしてしまう。
 今月から高校生になった二人のとって、ゴールデンウィークはほんの数週間後だ。
『駄目、か?』
「え、いや。わかんないよ? 友達の家に泊まるって言って、行けるかどうか。試してはみるけど……」
『頼む』
「わかった。聞いてみるね?」
 本当に泊まりにいけるかなんて、わからない。
 だけど、もし泊まれたら……。
 その時は、するんだ。
 明確に決まりきった未来ではないけれど、そうなる可能性がある以上は、きちんと覚悟しておかなければという気になる。
 不安や恐怖はあるけれど、期待だってある。

 ちょっと、怖いなー。
 でも、楽しみだな。

 それから、もう少しだけ電話を続けて、繋がることで一緒に寝ている気分になりながら、やがて眠りについていく。
 健一の裸を見せて、することもする。
 怖いけど、楽しみだ。
 とてもとても、楽しみだった。

 だが――。

 世にも恥ずかしい検診の日は迫っていた。




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