第3話
見れば、他の触手たちも舌を出し、ラァラの身体中を舐めまわしている
胸、腹、腕、太腿、手、指先、つま先、首筋はおろか、指の股の間や膝の裏、腋の下、臍、鎖骨の窪み、耳の裏まで大胆に、だが繊細に、舌先を巧みに使いながら情欲と言う名の火種を燻らせる
ラァラは猿轡の下で、くぐもった悲鳴をあげる
いつのまにか、ラァラの顔の近くにも触手が現れ、固く縛られた猿轡を[解呪(ディスペル)]
足りない酸素を肺一杯に吸おうとする肉体的条件反射。ラァラが口を大きく開け、息を吸い込もうとした、刹那
がぼぉっ!
待ってましたと言わんばかりに、触手が口腔内に侵入する
一瞬見えた光が、闇に溶けていくような、そんなヴィジョンがラァラの脳裏をかすめた
口の中で舌を伸ばし、至る所を舐めまわす
くすぐったい、こそばゆい感覚が口腔内に満ちる
「・・・ひぁ・・・ぁ、か・・・はぁ・・・」
ラァラは息も絶え絶えに、擦れた声で喘ぐ
身体中を蝕むぬるりとした恐怖と、ぞわぞわとした期待
まとまらない思考のまま目を見開き、虚空を見つめ、声帯を震わせる 身体中をまさぐる触手の動きはエスカレートし、乳房に巻きつく者もあれば、臍の中をくすぐる者もいる。
閉じられた脚の間に潜り込み、秘裂にそって自らを前後させる者すらいる
だが、その秘裂からは触手たちが分泌する粘液とは違う、透明な液が滴り始めていた
乳首を吸われる度に、鎖骨をなぞられる度に、陰核を舐められる度に、秘裂を擦られる度に身体中を走る、言い様のない感覚にラァラは次第に溺れて行った
息が荒い──
身体が熱い──
心が切ない──
奥底から湧きあがる感覚に、抵抗できない──
だが触手たちは突如その動きを止め、ラァラの身体から引いていった
「え・・・ど、どうしてぇ・・・?」
ラァラは理解できなかった。何故、ここで止めるのか
切なげに吐く溜息、トロンとした瞳、小刻みに震える身体
──欲している
──自分は、この触手たちを欲している
──忌むべきこの存在を、心から欲している
そんな事は露知らず、触手たちはとぼけるようにラァラの前にうねっている
──欲しい、欲しい、欲しい
──身体が、心が、欲している
──もう、どうなっても構わない・・・
──犯されたい! 汚されたい!! 滅茶苦茶に、壊されたい!!!
ラァラの頭の中で何かが、ぷつん、と切れた
「お、お願いぃ! もっと、もっと欲しいのぉ!」
その叫びが引き金となり、再び触手たちはラァラに群がった
だが、前より容赦はしない
早々に手首と足首にある枷を[解呪]すると、自由になった手足に巻きつき、口の中に入り込み、乳房を揉みしだき、乳首に吸い付き、臍に潜り込み、陰核を舌で絡めとリ、秘裂と菊門に舌を這わす
「んっ、んふぅ、うふぅぅん!」
嫌悪ではなく、快感によって身をよじるラァラ
そんなラァラの両足首に絡みついた触手が、脚を開かせる
ねっとりとした空気が、股間から立ち上る
惜しげもなく晒されたそこは、銀色の茂みに美しい桜色の華が一輪、咲いていた
その華が震えるたびに、奥から甘い蜜を溢れさせていた
その蜜を啜ろうと、一際太い触手たちが我先にと殺到する
・・・ぴちゃ・・・じゅる・・・ずずっ・・・ずるっ、じゅるるっ・・・
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