<第30話:目覚め>

どのくらい眠っていたであろう。恵は徐々に意識を取り戻し、周囲を見回した。彼女には、自分が今ここで何をやっているのか、なかなか思い出せなかった。
そんな恵の視界に、30代半ばであろうか、女性が一人向かいののソファーに座っている。恵は、まだ意識がはっきりとしないまま、女性に問いかけた。

「あれ、私ここで何を?」

「随分呑気な人ね。ここで何をじゃないわよ。人の会社の応接室で居眠りして。」

女性は恵を見返しながら答えた。その視線は蔑みとも取れる冷たく差すような雰囲気があった。

「あなた、ウチの社長に用があって来たのよね?それが、着くなり眠りこけて。しかもそんな姿に成り果てて。」

「え!?」

恵は戸惑いながら自分の身なりを見て、ギョッとした。

「そ、そんな。これは一体。。。いや!!」

ストッキングも何も無い素足のまま両脚を広げてソファーに腰かけ、スカートがベルトの上まで捲れ上がって中が丸見えになっているのに気付いた恵は、小さな悲鳴と共に慌てて股を閉じ、手でスカートの裾を膝まで下げた。
そもそも、パンティもストッキングも履いていないので、本当に中を見せた状態になっていたのだ。
そんな恵の姿を見ながら、女性は歩み寄り、両手で恵の太腿を押し広げながら、スカートも捲り上げ、見下すような視線を送った。

「いや!何するの!?」

「何がイヤよ。会社のソファーにシミ付けて。どういうつもり?」

恵は女性によって強引に押し広げられた太腿の間からソファーを見た。恵のアソコから得体の知れぬ液体が流れ落ち、ソファーにシミを付けている。
恵は言葉を返すことも出来ず、目を大きく見開いてソファーを見つめていた。

「あんたJIAのCAよね。社長はクアラルンプールの帰りに機内で世話になったと言っていたけど。
 で、その恰好は何なの?。CAって寝るときはいつもそんな恰好するの?下を全部脱いで大きく脚を広げて、アソコから恥ずかしい液まで垂らして。
 色々おめかしして、足許とか締め付けられて窮屈なのは分かるけど、そういうのは家に帰ってからにして欲しいわね。人の会社の社長訪ねて来て、応接室でなんて。どういう神経してるんだか。」

恵の太腿を強引に開いてスカートの裾を手で捲り上げたままで話をする女性、含み笑いをしながら、恵の顔をマジマジと見た。

「い、いや。そんなことは。。。」

言葉にならない。それもそうである。恵の記憶では、佐藤という秘書に案内されて応接室のソファーに座って待っていたら、知らぬ間に寝てしまったらしく、目覚めたら。
足元には、黒いものが丸まっている。恐らく恵みが履いていたストッキングとパンティであろう。青い布、こちらはスカーフか。そういえば首に巻いていたスカーフが外れている。
赤いベルトに黒い靴。恵が身に着けていた筈の物が全て散乱している。他に黒いピン。ヘアピン!?
恵は慌てて両手を頭に当てて自分の髪の毛を触った。夜会巻にして纏めていた後ろ髪が全て解けて乱れている。

「いやぁ、何で!?」

既に涙声である。ただ悲鳴を上げる以外に何も出来ない。

「佐藤が泡くって私を呼ぶから来てみたら、このザマだもん。
 JIAのCAってどんな教育受けてるのかしら。機内で偉そうに制服着てCAですって言って笑顔振りまいてれば良い訳じゃないでしょうに。」

「は、はい。申し訳ありません。」

恵には、目に涙を溜めて謝るくらいしか出来ない。

「ふ~ん。CAって人の会社来てこんなコトするんだ。それで怒られたら目を赤くして謝って済ますのね。
 まぁいいわ。あなたが寝てる間に社長は外出してしまったし、その酷い身なり何とかしてから会ってもらわないと。人のことバカにするのも大概にしなさい。
 貴方が身支度出来るように社長から許可もらっておいたから、付いて来なさい。」

そう言うと、女性は床に散乱している着衣類を拾い上げると、丸めて恵に押し付けた。

「まったく、どうすればここでこんな格好で寝られるんだか。下着放り投げて、中丸出しにしてね。」

女性は蔑むように笑いながら、恵に移動を促した。
恵はパンプスだけ急いで履き、後は丸めたまま手に抱えて、女性の後をついて行く。
乱れた髪に崩れたメイクの顔を俯けて、胸元のボタンが外れて開いたワンピース、スカートの裾からは生脚。そんな無様な姿でシズシズと。

オフィスを出て、エレベーターで34階へ。レストラン街らしい。エレベーターを乗り継いで45階へ。
ホテル?このビルはオフィス兼ホテルか。女性は廊下を暫く歩いた後に、角部屋と思しき扉を開けた。広い。何部屋もありそうな、スイートルームであろうか。
恵は一角のベッドルームに通された。

「ここの部屋、ゲストルームだから使って良いわよ。奥にシャワールームもあるから、きちんと身支度なさい。
 社長は1時間くらいしたら戻ってくるから、その汚らしい恰好何とかして、ここで準備して待ってなさい。
 時間も時間だから、ディナー用意しとくって言ってたわよ。あんたみたいな小娘にディナーなんて。勿体ない。」

女性は憮然として言い放つと、恵を残してサッサと部屋を出て行った。
太郎は、そう言い残して応接室を出て行った。



戻る/進む



画像は相互リンク先「PORNOGRAPH」CAアンリ様からお借りしています
(原寸より縮小しています)






























表紙

投稿官能小説(3)

トップページ


inserted by FC2 system