<第21話:カード決済>

意を決して身支度を整えた恵は、元来た通路を歩きつつ落としたパンプスを探していた。
そして、太郎の席の下に黒いパンプスが落ちているのを見つけ、急ぎ足で近づきしゃがんで靴を取った。

「すみません。先ほど脱げてしまったので。。。」

恵は、太郎の後席の客に苦笑いをしながら、パンプスを右脚に履き直し、太郎の傍らにスカートの裾を膝にかけ、太腿を隠しながらしゃがんだ。

「先程は大変失礼致しました。機内販売でご興味をお持ちの商品を教えていただけますか?」

平静を装いながら、恵は太郎に話かけた。
太郎はカタログを取り出して、恵に見せながら説明をする。

「えっと、このネックレスなんですけどね。2つ欲しいんですけど、ありますか?」

「ネックレスを2つですね。かしこまりました。商品を持ってまいりますので、少々お待ちいただけますか?」

恵は一旦ギャレーに戻り、商品を持って太郎の再び元へ来て、さっきと同じようにしゃがみ、手に持った商品を太郎に渡した。

「商品をご確認いただけますか?」

「うん。これで良いです。2つお願いします。」

「お土産ですか?」

「うん。会社の子と妻にね。」

「羨ましいですね。お包みしますので少々お待ちください。」

恵は商品を包んだ後、太郎に手渡した。そして精算の話に入った。

「お支払いはカードと現金、どちらになさいますか?」

「カードでお願いします。」

「かしこまりました。」

恵は、ギャレーに戻ってカードの読み取り機を取ると、改めて太郎の傍らに来てしゃがみ、太郎からカードを受け取って読み取り機にかけ始めた。
そんな姿を横から眺めながら、太郎は時間を止めた。

さっきと同様スカートの裾を膝にかけて、太腿見えないように隠している。って、通常ならそれでOK、マニュアル通り。だけど、時間止められたら意味なしだな。
大体ヒラヒラしたワンピース来てるんだもん。ちょっと隠したくらいで大丈夫なんて思ってるのかねホントに。
恵ちゃん、そろそろクライマックスだよ。制服着たまま俺の前でどんな姿晒してくれるかな。たっぷりと制服CAの情けない姿拝ませてね。

読み取り機の反応を待っている恵は、アイラインをくっきりいれた瞼を見せながら、下を向いて液晶画面に見入っている。
このまま目を舐め回せば、アイメイクがモロに崩れて黒ずむであろうことが、見ていてよく分かる。
髪の毛も手を伸ばしただけで届く。時々太郎に弄られながらも何とか原型を保っている夜会巻は、ここで留めているピンを引き抜けば、容易に崩れ落ちるであろうことも、想像出来る。
そんな妄想をしながら、太郎は恵の手から読み取り機を抜き取り、中からバッテリーを引き抜いて恵の手に戻した。
ついでにスカートの裾を持ち、中のパンティが見えるくらいまで捲り上げた。しっかりと裾を膝にかけたのが全く意味を為さなくなった。
そして、時間を動かした。

カード決済の手続きをしていた恵の顔に困惑の色が出始めた。
突然液晶画面の表示が消えて、操作が出来なくなってしまったのだ。マニキュアの塗られた細い指で何度も操作ボタンを押すが、全く反応が無い。
狼狽のあまり、スカートの裾が捲り上がり、足先の靴から太腿まで、しゃがんで薄く広がっているパンストに包まれた脚の大部分が、パンティが見えるくらいまで曝け出されていることに気付いていない。
客の前で機械が動かなくて何も出来ずに焦っている姿を晒しているのだ。いくら4年も経験を積んでるとは言え、この状況で他の事に気を向ける余裕など持てない。
当然、曝け出したパンスト脚を舐めるように眺める太郎の姿、狼狽する恵を嘲るように見る姿など振り返って見ることもない。
機械を動かすことに諦めた恵は、漸く太郎に向き直った。

「お客様。大変申し訳ありません。機械の調子が悪いようですので、ちょっと見てきても良いですか?」

「あ、それなら現金でも良いですよ。」

「左様でございますか。大変申し訳ありません。」

恵は申し訳なさそうに太郎に一礼すると、現金決済用のケースを取りにギャレーへ戻って行った。

恵ちゃん、スカートの裾捲り上げられて、太腿までパンスト脚晒してることも、それをじっくり眺めてた俺のことも全然気付かなかったな。時間止まってた訳でもないのに。
焦り過ぎて自分の身なりがどうなってるかすら考える余裕が無いってか。アイラインとマスカラで決めた目を下に向けたまま、必死で機械を操作するトコなんて可愛かったな。
準備に余念の無いCA軍団だ。まさか突然カード決済の機械が動かなくなるなんて今までなかったろうな。
やっぱCAと言えども所詮は27歳の小娘。あの綺麗な顔が見る見る焦りの表情になって、目の前で狼狽するトコなんて最高だったな。綺麗な制服姿がより栄えてたよ。
これから現金精算。俺がCAを俎板に乗せる為に用意した最高のシーンが始まる。自分から網にかかって俎板の上のCAになるんだ。
ここから先は逃げることも出来ない。そういうシーンを恵ちゃんに用意したんだ。
ラストゲームはまだまだ続くぜ恵ちゃん。さぁ、どうする?CA歴4年のプライドを賭けて乗り切るか?それとも陥落するか?
さぁ、本番開始だ。

おっと、その前にバッテリー元に戻しておかないと。



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画像は相互リンク先「PORNOGRAPH」CAアンリ様からお借りしています
(原寸より縮小しています)






























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