<第20話:最終ゲーム開始>

食事時間終了が近づいた頃、恵が明らかに周囲を警戒しながら客席を見回っている。いくら警戒してもCAごときが何も出来ないのは既に分かりきっているのに。
恵が近づいてきた時、太郎は内心ほくそ笑みながら時間を止めた。警戒心一杯の恵であるが、例外なく周囲と共に止まった。
警戒中の恵に歩み寄った太郎は、正面から顔をマジマジと覗き込みながら、恵が右耳に着けている小粒のパールのピアスに指をかけた。

「どんなに警戒しても無駄なんだよなぁ、恵ちゃん。いくらキャリア5年目のCA様だって、時間止められたら何も出来ないだろ。落し物注意(笑)」

そう呟きながら、太郎は手際よく恵のピアスを外して手に持つと、席に戻って再び時間を動かした。

恵が太郎の前を通りがかった、その時。

「あの~、これお姉さんのじゃないですか?さっき通りがかった時にトレーに落ちてきたので。」

「確かに私のです。大変申し訳ありません。お召し上がりものに入ったりしませんでしたか?」

おぉ、狼狽してる狼狽してる。キャリア5年目のCA様も、客の前でこんな顔見せるんだ。でもお楽しみはこれからだぜ、CA様。

「あ、大丈夫です。トレーに落ちてきただけなので。
 ところで、食事は終わったので、トレーを下げてもらえますか?それと、購入したいものが機内販売のカタログにあったので、お願いしても良いですか?」

「かしこまりました。トレーを片づけた後、改めて伺います。」

良いねぇ。焦ってそそくさと戻ろうってか。そうはいくか。これからたっぷりといたぶってやるんだから。この程度で済むと思うな。

太郎に向かって一礼している恵は、その姿のまま固まった。太郎によって時間を止められたのだ。
座ったままでも太郎の手はウェストを締めている赤いベルトに届く。太郎は手際よくベルトのバックルを外して引っ張った。
太郎の手に握られた赤いベルトは、するすると恵のウェストから引き抜かれた。

仕事中にベルト外されることなんて無いだろうな。このワンピースを締めてるベルト、一度外してどうなるか見てみたかったんだ。
さて、客の前でベルト外れて床に落ちた時、恵ちゃんはどんな顔してベルト拾うのかな。

太郎がベルトから手を放すと、恵と太郎の間で赤いベルトは宙に浮いたまま止まっている。
そして、太郎は改めて時間を動かし始めた。その瞬間、恵の足許にベルトが落下し、床から鈍い音が響いた。同時に恵のワンピースのウェストが締まりを無くして広がった。
恵の顔は狼狽のあまり笑顔が固まり、慌ててベルトを拾い、それから太郎からトレーとピアスを預かると、ぎこちない作り笑顔を返して、そそくさとギャレーに向かった。

恵ちゃんの顔メッチャ固まったし、搭乗口ではキリっとした雰囲気のカッコ良いCA見せてたけど、見る影も無くなったね。俺の掌で制服姿で無様に踊ってるよ。
どうにかメイク塗り直して泣き顔隠してるけど、ああやって強張った顔見せると、厚化粧を上塗りして取り繕ったのがバレバレだよ。
焦って床からベルト拾って、そそくさと礼してギャレーに向かって行く。逃げるようにとはこの事だな。
でも、タダでは逃がさない。ここに戻って来ざるを得ないようにしとかなきゃな。5年目CAが嵌まった罠の網は、もう逃げ場の無いくらいまで窄まってるぜ。

恵が急ぎ足でギャレーに向かって2,3歩踏み出したところで、太郎はまたしても時間を止めた。
急ぎ足の恵は右足を蹴り出して後ろ向きに浮かせた状態で止まっている。表情は強張ったままに。
そんな恵の背後に来た太郎は、しゃがんで後ろに蹴り出して宙に浮いている右脚を眺めている。

ふん。急ぎ足で必死に逃げてるって感じだな。流石のCA様も俺の前じゃ為す術無く逃げるだけか。でも逃がさない。
この狭い機内でどう逃げようが、こんな小娘、制服着て偉そうにしてられるのも、あと少しだ。アンタは俺の前で醜態晒す為に選ばれた特別な美人CAなんだから。

太郎は、後ろに蹴りだした恵の右足を覆ってるパンプスの踵を右手で掴むと、軽々と抜き取って握った。
綺麗に磨いたプレーンのパンプスなぞ、容易く脱がせるのだから、CAの足許なんてのは無防備同然だ。
更に脚をガードしてるのは簡単に破ける薄っぺらなパンストのみなのだから、制服姿で仕事モード全開の乗務中CAなんて気取った偉そうな小娘を泣かすのは朝飯前ってヤツだ。
最終ゲームは、キャリア5年目CAとて27歳の小娘を徹底的に悪戯して、俺の目の前で号泣させることなんだから。

太郎は手に持った恵のパンプスを足許のバッグに隠すと時間を動かした。
時間が戻るなり、靴が脱げても構わずギャレーに駆け込んだ恵を見て、再び時間を止め、ゲームのルールを説明するという手紙を目の前に置いた。

予期せぬ事態が連続で起こって、急いで逃げた恵ちゃんは、パンプスを失って探しに来ざるを得ない。
そして戻ってきたら、泣くまいと必死になって俺の相手をし続ける筈。どう頑張っても俺には抵抗一つ出来ない小娘なんだけどな。
逃げる事も出来ない彼女は、必死にCAのプライドを賭けて頑張るだろう。そんな健気な恵ちゃんがどこまで俺の悪戯に耐えられるか。
俺の予想では、パンストでガードし続けたアソコが悲鳴を上げて、洪水を起こしたところでジ・エンド。制服姿の美人CAが目の前で号泣を始めるというストーリーを読んでるだけどな。

さぁ、恵ちゃんが戻ってきた。ゲーム本番スタートってヤツだな。



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画像は相互リンク先「PORNOGRAPH」CAアンリ様からお借りしています
(原寸より縮小しています)






























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