<第12話:最初の犯行>

離陸を終えた飛行機が水平飛行に入った。まもなくベルトサインが消え、恵達が客席を回っておしぼりを配っている。
太郎も笑顔の恵からおしぼりを受け取った。搭乗口で見せていた、自信満々の素敵な笑顔である。あの手紙の影響は受けていないように見える。
そんな恵が後部座席の客におしぼりを配っている最中、太郎は時間を止めた。恵はおしぼりを渡そうと、通路から客席に向かって手を差し出したまま固まっている。
恵の身体、そしてスカートから伸びるスラっとした、黒いストッキングに包まれた脚が通路に残っている。

太郎は足許のバッグからカッターナイフを取り出し、恵の背後まで歩いて行った。
何故カッターナイフが機内に?と思うのは野暮というものである。時間を止められる太郎には、セキュリティーの通過など朝飯前なのだから。

太郎は、恵の背後から手を伸ばして胸ポケットに入っているメモの束を取り出し、そこから太郎が差し入れた手紙を抜き取った。手紙には何も答えが書かれていない。

まぁ、そんなトコだろうな。差し当たり、どうしてよいか分からず白紙回答のままポケットに入れたんだろう。
何年もCAやってるといっても所詮は27歳の小娘。こんな手紙もらった経験は無いだろうし、それ故に対処法なんて思いつきもしまい。だから面白いんだ。
自信満々に制服着てCA気取ってるヤツが、仕事の真っ最中に無様に弄られ続けて、情けない女に成り下がっているトコを見物するのが。
さて、先ずは挨拶だけしてやるかな。

太郎は恵の背後から右の裏腿に右手を当て、臀部に向かってストッキングの上から手を滑らせていった。太郎の手の動きにつれて、恵のスカートが捲れ上がっていく。
手に独特のザラザラ感を与えていた恵の腿は、臀部に到達したところで、生地の厚さと尻の柔らかさを同時に伝えた。臀部を包むパンスト生地の厚手の部分である。
太郎の右手は臀部から外側前に進んでいき、恵の前陰部を覆う部分に回り、ストッキングの上から陰部を前後にゆっくり撫でた。
そして、太郎の手は内腿を這うように下がっていき、しゃがんで脛、足の甲と撫で、ふくらはぎに戻ってきた。

ご自慢のパンスト脚、笑顔で客に接してる間にゆっくりと撫でさせたもらったぜ。Q1、乗務中のパンスト脚を撫でるのはタダってコトだね。
彼氏がベッドで撫でてるんじゃないぜ。客がフライト中に勝手に撫でるんだぜ。高嶺の花も随分安くなったもんだ。
Q2は今やると挨拶にならなくなるからカットして、Q3、乗務中に履いてるパンストを破くターンにいこう。

太郎は恵の膝裏を右手の親指と人差し指でゆっくり擦り合わせた。パンスト生地が太郎の指先で摺り寄せられて皺になってくる。
すかさず、太郎の指は皺をつまんで引っ張り上げた。恵の脚に張り付いている薄くて黒い布の一部が、太郎の指に引き上げられ、脚との間に隙間が出来た。
カッターナイフの刃が引っ張り上げられた薄い布に当たると、いとも簡単に中まで貫通させてしまった。
太郎は引っ張る生地の部分をずらしながら、刃が皮膚に当たらぬよう慎重に、少しずつ切り口を下げていき、アキレス腱辺りまで縦一本に切れ目を入れた。
恵の脚を引き締めるように包んでいたパンストは、膝裏からふくらはぎ、アキレス腱にかけて一本の切れ目が入ったことにより、締まりが緩み、黒い布の間に白い素肌を浮き上がらせた。

中が透けて見えるくらい薄くて黒い布で包んでるのもエロいけど、隠すために包み込んでる生地が切れて、隠しきれずに中見せちゃう姿はもっとエロいね。
でも、大切な肌を傷つけちゃいけないからな。こうやって切るのは意外と難しいんだよな。一層のこと一気に引き裂いた方が楽なんだけど。
これでQ3、機内で履いてるパンストを故意に破くのもタダってか。ここまで一気に切れたパンスト履いてるCA見るのは、殆どの人が初めてだろうな。そもそも履いてる本人すら初めての経験かもな。
答えが書けないなら、書けるように少しプレッシャーかけてやらないといけないから、先ずはこんなトコかな。きっと自分の脚に起きた異変を見て、焦って何か書かずにいられなくなるぞ、コイツは。
何時気付くかなぁ。気付いた時この偉そうな顔がどう変わる事やら。フライト時間は7時間もあるんだ。少しずつ追い込んでいって、成田に着くまでの間フルに楽しんでやる。
ターゲットCAの追い込み漁スタートってヤツだ。せいぜい頑張って乗務しろよ。27歳の美人CA様。

太郎が席に戻って時間を動かし始めると、恵は気づく素振りも見せず、笑顔で乗客におしぼりを配り続けていた。
恵が気付いたのは、ギャレーに戻って作業中に香織に指摘されてからだった。気付いた香織も気を使って、自分の脚で破れた部分を隠しながら、小声で教えている。
飛行中の機内であり、エンジン音も響いている。そんな中で周りを憚りながらヒソヒソ話す二人であったが、太郎には内容が筒抜けであった。
そう、太郎の能力とは時間を止めるだけではない。狙った対象の小さな音や話声は、その気になれば近くにいるかのように聞くことが出来るのだ。

暫くはギャレーの作業に集中していた恵は、破れたストッキングの交換をする為、香織に声を掛けた上でポーチを持って空いてるトイレに向かった。
ここに至るまでの全ての会話が太郎が把握し、さっきの続きをしようと虎視眈眈と狙ってるとはつゆ知らずに。
太郎も再び行動を開始した。自分も足許のバッグを手に持って、機内最後部のトイレに向かって歩み出した。恵の動きを遠目に見ながら。



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画像は相互リンク先「PORNOGRAPH」CAアンリ様からお借りしています
(原寸より縮小しています)






























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